機関紙 - あの人に会いたい33 「Fridays For Future Kyoto」共同代表 進藤 天真さん…みんなで変える気候危機!…自治体は、若者の声をしっかり聞いて活用してほしい
あの人に会いたい33 「Fridays For Future Kyoto」共同代表 進藤 天真さん…みんなで変える気候危機!…自治体は、若者の声をしっかり聞いて活用してほしい
- カテゴリ :
- 組合活動
しんどう・てんしん=
・2002年生まれ
・京都産業大学国際関係学部3回生
・『FFF京都』2020年5月から参加
Fridays For Future=スウェーデンのグレタさんから広まった、世界的若者ムーブメント、通称FFF。
気候危機を発信し続ける役割果たしたい
今、地球規模の異常気象・気候危機が大問題となっています。10月7日、青年・学生でつくる みんなで変える!ここから変える気候危機―「Fridays For Future Kyoto」(以降『FFF京都』)は、「あなたと999人の気候マーチ」を行い230人の若者や市民が参加しました。若者たちが楽しく自らの主張をアピールする気候マーチは、大変注目を集めました。『FFF京都』・共同代表の進藤天真さん(大学3回生)にお話を伺いました。
■先日の気候マーチの反響や参加者の感想はいかがでしたか
一週間後の夜に、感想をシェアする会をオンラインで開きましました。初めてデモに参加するメンバーも何人かいて、「自作のプラカードを持って歩くのが楽しかった」「車が止まって、優先で歩けることに驚いた」「時代に合った取り組みで街頭の人々との一体感があり、胸を張って歩けた」「気候危機に関心を持って行動する人がいることをアピールできた」など、積極的な感想が次々と出ました。この取り組みで、『FFF京都』にオーガナイザーとして新たに参加してくれる若者も3人生まれて、「やってよかった」というのがみんなの感想です。
■『FFF京都』の歴史や活動を教えてください
スウェーデンのグレタさんがストライキを始めたのが2018年。グレタさんに共感して、世界の若者の中に広がった、『FFF』は世界に7500の都市で支部が生まれました。日本では、2019年3月に東京と京都で生まれました。年齢制限が一応あって、23歳未満の若者主体で構成されています。
活動としては、毎週金曜日の四条大橋東側でのスタンディングとオンラインでの情報交換が中心。10月20日で124回になりました。最近は、若者や市民の方など10人ほどが集まってきます。
『FFF京都』は、団体ではなくムーブメントなので、そこに集まってきたメンバーで方針決定をします。みんなが納得するまで話し合いをするので結構時間はかかりますが、その分ゆるさというか、縛りはなくやっています。
また、2020年京都市長と「2030年ビジョン」について懇談をしました。
懇談では、市長と話をするのが初めてのこともあり、こちらの思いを十分伝えきれず悔しい思いをしました。「これではだめだ」と、京都市の地球温暖化対策条例案に対して若者の意見を集めてパブリックコメントを出すことを計画。『FFF京都』以外の環境に興味がある若者にも声をかけて、「Z世代の京都会議」を開催しました。当日は15人の若者が集まりました。京都市の条例案に様々な意見が出され、それをまとめてパブリックコメントを提出しました。また、高校からの要請で出前授業に出かけて気候危機について話したこともあります。
世界気候危機同時アクションが、年3・4回あります。世界の『FFF』が一斉に声を上げて、気候危機を可視化する取り組みです。私たちもスタンディングで参加します。コロナ禍で、人が集まれない時は、みんなの靴を集めて靴だけのアピールもしました。コロナのもとでも、様々な工夫をして広がってきました。
■気候危機で頑張る進藤さんの原点は
私が気候危機というキーワードを知ったのは、高校2年生の時です。母の友人が「世界にはこんな子がいるのよ」と言って貸してくれた『グレタたったひとりのストライキ』という本からです。そこで初めて、気候危機というキーワードを知ったのです。
当時の私は、性的マイノリティに自認を抱いており、そのため学校生活の中で自分の居場所を見つけることが出来ず、人前で話をすることがとても苦手で、一言も言葉を発せずに帰宅したこともありました。その一方で、世の中の不平等や人種差別、貧富の差、ジェンダー平等などに興味を持つようになっていました。
あの本の中でショックを受けたことは、気候危機を生み出している人々は、豊かな生活を送り、大量消費社会を謳歌している。気候危機の犠牲になっている人々は、貧しく、大量消費社会の外にいる不平等、不公正な現実です。同時に、問題だと思った人が声を上げる、自分が声を上げていく重要性も学びました。
■気候危機を解決するためには何が必要だと思われますか
気候危機から地球を救うために、気温の上昇を1・5度以内に抑えるとか、CO2の削減、原発問題など言われていますが、私たちは学びながらどのような対策が必要なのかを訴えていかなければと考えています。
『FFF京都』には、「価値観を共有した社会」というビジョンがあります。無理やり気温の上昇を1・5度以内に抑えられた社会というのは、私たちが求めている社会ではありません。「どういう社会で生きていきたいのか」などのビジョンを共有し合う、価値観を共有し共に解決策を模索していく社会です。気候危機への危機感の共有を積極的に働きかけながら、市民からのボトムアップで社会を良くしていくことが必要と考えています。
■地方自治体の果たす役割についてどのようにお考えですか
私たちは、社会を良くするために運動しています。市民として私たちが声を上げる。その声を自治体にはしっかり聞いてもらって、活用してほしい。逆に自分たちも、社会を見ながらどのような声を上げるべきかを考えていくことが、京都で声を上げることを担う一つとして、『FFF京都』の意義があると思っています。
私の母は、「マイクを握ってたくさんの人の前で訴え、デモの先頭に立って歩いている」という私の話に、「想像もできない」と驚いています。
『FFF京都』は、若者で構成されています。市民のみなさんの中で色々な経験をして学び成長しながら、これからも私たちの役割を果たしていきたいと思います。