機関紙 - 生活保護の見直しとは? 〜生活保護問題を考える学習会 7月3日〜
7月3日に行われた「生活保護を考える学習会」には、13人の組合員が参加。講演を行った吉永純さん(花園大学教授)は、「雇用情勢が好転しない下で、大震災が起き、生活保護受給者は200万人を超え、戦後直後の受給者数(戦後最大)に迫りつつある。国や大都市などでは、財政的に抑制をはかるために保護制度や基準の改悪を非公開で議論している」とし、国の狙いや、震災支援と生活保護の関係についてなど多面的に話をしてもらいました。
大阪市の平松市長は、厚労省との会議の場で、「(働ける人について)本来、雇用・労働施策で対応すべきだ。稼動可能層まで生活保護で支えることは問題だ」と強調し、期間を定めて就労支援を集中的に実施するなど期限付きの保護、更新制を提起しています。一方、国は医療扶助に自己負担の導入や、最低賃金が生活保護基準に追いつかないことを逆手にとって保護基準の削減を検討しようとしています。
検討内容もさることながら、問題なのは、非公開の場で議論されていることです。少なくとも制度の議論をするなら、障害者分野のように当事者を交えた議論が必要です。
日本の生活保護の捕捉率は、ヨーロッパと比べてかなり低く、現下の経済状況であれば2〜3倍の受給者がいて当然です。権利としての生活保護を広げましょう。
京都自治労連 第1755号(2011年7月5日発行)より