機関紙 - タッちゃんが訪ねるふるさと再生 第5回 〜足を踏みだして得た経験は宝物 まちづくりの提案したい 京都駅周辺開発問題研究会〜
一昔前は、「京都といえば河原町」と思っていたが、イオンが京都駅八条口に出店し様変わりが急速に始まっている。そこで、今回の“タッちゃんが行く”は、京都市職労の「京都駅周辺開発問題研究会」の皆さんにお話を伺った。
なぜ京都駅−−−
京都駅周辺には伊勢丹、ビックカメラ、ヨドバシカメラなど京都以外の資本の百貨店や家電量販店が相次いでオープン。一方、繁華街の中心とされてきた四条河原町周辺は、阪急や河原町ビブレが撤退、どこにでもあるカラオケボックスやファーストフード店が多くなっている。“四条河原町の地盤沈下が起こっているのではないか”“京都は、こんなのでいいのか”という素朴な想いから出発し、京都駅周辺に商業施設が集積することが、京都経済にどのような影響が出るのかを調べることを目的にスタートした。
いざ調査といっても若手研究者とすすめたい。「どなたか紹介していただけませんか」と京都大学教授の岡田知弘先生を訪ねた。岡田先生からは、「調査と言ってもいろんなテーマがあります。何をしようとしているのですか」と指摘され、何も言えず、いかに考えきれていなかったかを痛感させられたと当時を振り返る。
研究会員募集のポスターもつくり、青年を中心に声掛けも行って6人のメンバーが集まった。
初期の段階では、文献研究に力を入れ、地域へ足を踏み出したのが、今年の春闘討論集会。京都駅のヨドバシカメラやイオンモール前、四条河原町、四条烏丸でシール投票を行い、“何を目的にそこへ来られたか”などの調査を行った。また、市職労が行った市民アンケートをもとに、京都駅周辺を越えて北区や下京区、南区などの買い物困難な地域の調査もこの間行った。調査活動は12回を数える。
河村泰三京都電工(株)代表取締役と懇談も行った。河村さんから「君ら、若い人たちが集まって
たいしたもんや」と褒められ、自分たちの調査研究活動に自信を持つ事が出来たという。河村さんの話を聞いていると、氏の哲学やお客さんとのつながりなどが聞け、自治体職員として仕事の上でも非常に参考になる話が聞けたと和田さん。
大野さんは、池田委員長からの勧めで、面白そうと思って調査に参加した。駅周辺の持っている集客力は、もともと非常に興味があったという。
佐藤さんは、最初は具体的にどう調査したらいいのか難しかったが、仕事で、文化・芸術を通じてのまちづくりに取り組んでおり、経験した事を仕事にも活かしたいという。
目標は、調査研究を通じて外部資本の大型店の功罪を明らかにし、今後のまちづくりについての何らかの提案が出来ればと、夢は大きく膨らむ。
京都自治労連 第1755号(2011年7月5日発行)より