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機関紙 - 【産業】基幹産業支援と文化の継承…センターで学ばれた方の就業・起業がうれしい…技術と伝統・文化を守り、基幹産業を支える

【産業】基幹産業支援と文化の継承…センターで学ばれた方の就業・起業がうれしい…技術と伝統・文化を守り、基幹産業を支える

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組合活動
 2024/5/9 11:10

京都府北部の丹後半島は、昔から絹織物の生産地として有名です。国内では絹織物の7割以上がこの地域で生産されています。与謝野町は織物が基幹産業のひとつ。織物事業者支援、技術者の育成のため、町独自で与謝野町織物技能訓練センターを維持・運営しています。今回は、昨年度までこのセンターの運営や産業支援に携わっていたCさんにお話をお聞きしました。

町が独自で織物技能訓練センターを運営

与謝野町は、織物事業者の人材育成サポートと織物技術伝承を目的に、「与謝野町織物技能訓練センター」を管理運営しています。センターには6台の力織機(りきしょっき)、18台の手機(てばた)などがあり、3人の技術指導者を配置してマンツーマンの指導を受けることができます。Cさんは「織物は与謝野町の基幹産業ですから、町としても、商工会と相談しながらバックアップしています。このセンターの維持と運営はその最たるものだと思います」と話しながら、織機が所狭しと並ぶセンター内を案内してくれました。

センターの利用者は年間12人程度。織物事業に就職した初心者から、織物に興味を持っている人まで、企業からの要請はもちろん他府県からの個人の問い合わせにも対応します。「宇治市から通っておられた方もいらっしゃいました」とCさん。他自治体や企業からの視察も受け入れています。「厳しい財政状況ですが町内の事業者からもセンターを維持してほしいとのご要望をいただいています。産地としての期待は大きいと感じています」と話します。

「もっと知りたい」と養成プログラムを受講

Cさんがこの仕事を担当した当初は、織物事業者からの織機の新設や交換などの補助金申請で苦労しました。織機は古いものが多く、かつ構造が複雑で精密。申請で出された見積もりや修理書に書かれている項目が、織機のどの部分をさすのか全く分かりませんでした。事業者と話していても専門用語が飛び交います。「織物の事はまったくわかりませんでしたので、センターに行っては技術指導員さんにいろいろ教えてもらっていました」とCさん。ついには自らセンターの職人養成プログラムを受講します。「話を聞いているうちに織物に興味を持ち、それなら自分が織機を扱えるようになろうと思い受講しちゃいました」と笑います。

実際に養成プログラムを受け、織物を自分で織れるようになることで、センター利用希望者や視察などでの説明ができるようになりました。また、事業者や技術指導員の会話に入っていけるようになり、交流が広がりました。Cさんは「京都府や隣の京丹後市など絹織物産地共同のとりくみや情報交流などを通して、事業者への発信、要請がスムーズにやり取りできるようになり、官民の距離が縮まった感じがします」と仕事のやりがいが増したといいます。

伝統技術の継承と商品市場の拡大が課題

Cさんは、織物事業者支援はもちろんですが、一方で地域の伝統工芸、文化継承も与謝野町の大事な仕事だと考えています。「需要の減少もありますが、『織手』の高齢化、廃業などで、卓越した技術者が減っています。これまで織れていた製品が織れなくなることも考えられ、これまで以上に、“丹後ちりめん”を町内外問わず発信しなければと考えています」「積極的に事業者をまわり声を聞いたり、海外からの産地見学や繊維ファッション系の学校からの視察も受け入れています」「センターで養成プログラムを受けた方が与謝野町で自社工場を立ち上げたり、就職してくれたりするとうれしいです」と取り組みを紹介してくれました。

※Cさんは4月から別の課に異動されました。


京都自治労連 第2010号(2024年5月5日発行)より

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