機関紙 - 〜タッちゃんが行く第6回〜 この地域が好きだからいつまでも残したい
木津川市 鹿背山(かせやま)青年会
自治体労働者が地域の中で世話役などの活動をし、地域に貢献する運動が、いま大事になっている。
そこで今回は都市開発が進められつつある木津川市鹿背山地区で、地元「青年会」メンバーの一員として地域貢献に汗を流す木津川市職員を尋ねた。
「青年会」が地域の主役に
「青年会」は若いもんが地域を見ようと大学生を中心に構成され、福嶋さんも2年前に会長を経験。現在は7、8人で活動、福嶋さんはOBとして手伝いを続ける。
活動のメインは鹿背山地域の夏祭り。他にもホタルが出る時期になるとホタルを守ろうと注意看板で呼びかける。「今年のホタルは少ないと思ったが、予想以上に姿が見えた」と嬉しそうな横顔がのぞく。
青年会ではメインの夏祭りに向け、毎年手作りで舞台を作り上げる。添え木などで補強された舞台は手作りで作り上げられた苦労も分かり、それもまた味があって良いものだ。豊作祈願などを行う「虫送り」では巨大なたいまつも作る。小学生に向けたラジオ体操も行い、メンバーが日替わりで子どもたちの面倒をみている。
実は福嶋さん、「たけプロジェクト」という活動にも関わってきた。きっかけは市内の放置竹林に対して何か出来ないか、と定期的な伐採や、竹を使った楽器作り、竹細工など出来れば面白いと思ったからだ。しかし、なかなか活動が決まらないまま、井手町のNP O団体と一緒に流しそうめんギネス記録挑戦に参加した程度。長岡京市の「竹の学校」に教わりに行ったり、竹林コンサートの手伝いなどにも参加してきたが、「地元で」という形には至らず悔しい思いもした。井手や長岡京での経験やノウハウが木津川市にも持ち込めればと振り返る。
地元への愛着と活性化につながれば
この青年会、30年以上前から続く歴史ある組織。しかし、近年子どもの数が減り、存続が危ぶまれる声も。鹿背山にどれだけ人を住みつかせるかが課題となるが、隣に開発区域があればどうしてもそちらが良く見えてしまう。しかし、昔からの良さは一面からだけでは見えない。だからこそ、「青年会は残していかなければならない大切な団体だ」と福嶋さん。
「地元鹿背山の行事、イベントが鹿背山の活性化、人の定着、住み続けてもらうことにつながれば」と抱負を語る。特に夏祭りは「地元への愛情を感じてもらえる場」といい、社会人になって出て行った人も里帰りなどで帰ってきた時には良い場所だと思ってもらえる、そういう地域にしていきたいと。
「地元が、鹿背山が好きじゃないと頑張れない。地域への思い入れ、愛着が無ければ、一から手作りの活動も続けられない。でも好きだからこそ、取り組めるんだ」。
いよいよ夏祭り本番を迎える鹿背山の青年会。「この地域が好きだから」と、地域の絆が強まり、子どもも大人も笑顔になる季節がやってきた。
京都自治労連 第1757号(2011年8月5日発行)より