機関紙 - 司書のイチオシ(3)ヒルは木から落ちてこない。ぼくらのヤマビル研究記 増補版(樋口大良+子どもヤマビル研究会/著 山と溪谷社/出版)
「ヒルは木から落ちてくる」という俗説を科学的アプローチで覆し、ウィキペディアの記述を書き換える発見をしたのは、なんと小中学生たちでした。そんな彼らの笑いと驚きに満ちた研究記録です。
彼らの研究対象は嫌われ者のヤマビル。ヤマビルを採集し、解剖し、時には自分の血を吸わせながら育て、謎多き生態を明かしていきます。その過程はワクワクする冒険小説のようです。
正解のない実験を楽しそうに試行錯誤を繰り返す子どもたちと、見守る大人たちに学びの理想を感じます。対象は小学生高学年から大人まで、親子で読むのもお勧めです。
京都自治労連 第2019号(2025年2月5日発行)より