機関紙 - みらいプロジェクト企画 韓国から講師を迎えて
9月14日に開催された京都市職労民生支部のシンポジウム『韓国に学ぶ非正規労働者のなくしかた』には、シンポジストに韓国公共運輸労働組合未組織非正規室長の柳男美(リュ・ナンミ)さんを迎えておこなわれ、参加者に大きな感動を呼びました。また、今回の企画は、青年で組織する『みらいプロジェクト企画』で具体化し、青年が組織・宣伝アンケートに(500人から回収)等に大奮闘したという点でも注目を集めました。京都市職労民生支部書記長の高江洲靖さんに、『みらいプロジェクト企画』についてお話を伺いました。
どのような反響がありますか
参加された方からは、「感銘を受けた」との感想がたくさん寄せられ、感想用紙には少なくない方がびっしり感想を書かれています。また、「非正規」をなくすという点で、いくつか疑問の声も寄せられており、今後の学習や職場討議などの課題も明らかとなりました。
なぜ『未来プロジェクト企画』を立ち上げることに
支部では、毎年『社会福祉講座』に取り組んできましたが、参加者の減少傾向に歯止めがかからず、「おなじやり方ではダメ、新しい発想が必要」「若い組合員の意見を反映した企画ができなか」ということに。組合役員の青年だけでなく、つながりのある青年に声をかけたところ、5人の青年が参加してくれて『みらいプロジェクト企画』を立ち上げることができました。職種も、保育士、福祉事務所職員、理学療法士など様々です。
どうして非正規問題に
初めに職場のことを話し合ってもらったが、共通したのが、どの職場でも非正規職員が増えていることでした。保育所では、正規の欠員をアルバイトで補い担任も持っている状況など、本庁やリハビリセンター、福祉事務所等でも非正規職員がたくさん採用されどの職場でも様々な問題があります。正規と非正規が混在して、職場全体としてのまとまりという点で矛盾が拡大しています。たとえば、正規職員は異動はあるが、非正規職員には異動がない、係によっては、非正規職員が一番仕事に詳しく非正規職員に仕事を教わっている話などが参加者から出され、非正規職員問題の学習会に取り組むことになりました。
びっくり、執行部だけでは出ない発想
プロジェクトで議論する中で話を聞くと「韓国から講師を呼びたい。韓国の労働運動の責任者から直接聞きたい」ということになりました。正直びっくりしました。韓国で「非正規職保護法」を勝ち取ったことは聞いたことはあっても、支部学習会に韓国から講師に来てもらうなどという発想は、絶対、執行部だけでは出てこなかったと思います。
韓国の労働運動と交流のある龍谷大学教授の脇田先生にお願いして、韓国公共運輸サービス労組に連絡をとっていただき、リュさんの参加が実現しました。
「あーせい、こーせい」なるべく言わず
「こういうテーマに関心があったんか」というのが今の思いです。今回の計画で、「あーせい、こーせい」はなるべく言わなかった。
楽しいことだけでは満足しない青年はいます。労働組合にいろいろなことを求めています。『みらいプロジェクト企画』をはじめ、多くの青年の関心に応える組合活動に取り組みたいと思います。
チャレンジしてよかった
(プロジェクトメンバー今井陽一さん(理学療法士))
感動した!の声をたくさんかけられました。参加したくなる企画・宣伝が重要ですね。リュさんの話を聞いて、今度は韓国へ調査に行きたくなりました。
京都自治労連 第1760号(2011年9月20日発行)より