機関紙 - 安心して職務に専念できる 労働条件確保へ援助や助言を
自治振興課:人事委員会勧告を参考に、給料表改定しないと 労使合意した場合、その決定を尊重する
自治振興課:国に連動する地方公務員給与削減を求めてきた場合 市町村とともに国に意見を言う
各単組での年末確定交渉が始まる中、11月17日、京都自治労連は各単組における要求前進を勝ち取るため、府自治振興課交渉を行い、当局の姿勢をただしました。自治振興課からは、山口課長と西村副課長らが対応しました。主な回答とやり取りは次の通りです。
要求書に対する回答の要旨
【基本姿勢】
従来と変わらず、組合と話し合いを継続する。スタンスは、府民目線、市町村目線で技術的助言を行っている。労使交渉は基本。職員団体の理解を得て決められるべき。法律・政令に基づいて助言している。市町村の実情を聞き、必要なことは国へ意見も言う。
【賃金確定】
給与削減法案、国の人勧、府の人勧もあり混沌とした情勢だ。これまでの府内市町村は、人勧準拠であり、今年度も人事院勧告に基づいた取り扱いを行うことが適当ではないか。ただし、府人勧も参考に総合的に判断されるべきだ。
現給保障の廃止は、市町村で考えていただきたい。住民説明が必要。
【国の削減法の地方への影響】
政府の6月の国会答弁「地方公務員に対して国と同様の引き下げを要請するものではない」は変わっていない。
知事は、全国知事会長として昨日、記者会見で「地方は、人件費削減に努力してきた。国に連動した削減には反対」と話をしている。
【退職手当債】
時限措置であり、後年度負担にもなるため、定員管理、給与水準など助言をしている。
【集中改革プラン】
権限移譲や地域主権改革もある。業務量やバランスを考えて定員管理を。財政効率、住民サービスの維持向上など総合的に考え、指定管理、民間委託する場合でも、労使でよく協議をしていただきたい。住民サービスの確保が必要。
【地域手当】
乙訓3市町の地域手当は、同じ経済圏で違いがありすぎる。国の基準を見直す必要があると総務省に意見を言っている。
【住居手当】
情勢適応の原則から維持するのは困難。
【超勤縮減問題】
不払い残業は違法。超勤縮減は職員の健康のためにも重要。
【臨時非常勤】
悲惨な目に合うことがないようにする必要がある。法に抵触しない任用や法令による適正な支給を助言していく。
【労働安全衛生】
安全衛生委員会の設置を指導してきたい。地域の医師不足で産業医が置けないところについては、常設でない産業医の配置について相談している。
【労働基本権問題】
(1)現行の労使関係の問題点、新たな制度の必要性が示されておらず、理念が明らかでない。住民に知らせる努力がなされていない。
(2)小規模自治体など多様性に応じたしくみが示されていない。国と地方の協議の場で課題を協議し、論点整備するよう求めている。
【偽装請負問題】
あってはならない。引き続き注意喚起する。給食…具体的事例を教えてほしい。
【権限移譲】
法が成立したあと、市町村の意見を聞いた。小規模町村での共同化の仕組みなどアドバイスが必要。府から市町村へ権限が移った後も、例えば、訪問指導に一緒に行くなど丁寧なフォローをしていく。
条例化については、情報を入れていく。一年経過措置があり、再来年の4月に向けて検討できる。
「国人勧どおり」とは言っていない
主なやり取りは次の通りです。
組合:説明会で「原給保障廃止しないと定年延長時の人件費アップにつながる」「昇給抑制回復の原資が出ない」と説明されたのはおかしい。国は原資論だが、地方は違う。国人勧どおりにしなさいという説明になっている。
当局:技術的助言として懸念材料も伝えなければと思って話した。「人勧通りやってください」とは一切言っていない。
組合:住居手当は、情勢適応の原則なら、民間は住居手当出ている。国がなくしたからというなら、国と地方で事情が違う。これまで何度も追及してきた。
組合:名ばかり管理職は、超勤不払いだけでなく職員の健康管理上も問題。管理職数が多すぎる問題や、数値目標を掲げて縮減指導しているのは不払い残業につながる。是正を。
組合:臨時非常勤について、極めて官僚的な答弁だ。同じ仕事をして待遇は低い。そういう人たちの心に沿った回答がない。どの立場で考えるかが重要だ。
組合:保育所給食の民間委託は、偽装請負になる。食育の責任を放棄することになる。また、緊急時には現業職員が必要不可欠。東日本大震災の経験からも、直営を持っていなければやっぱりダメだ。
組合:年末年始の特殊性は変わっていない
当局:特勤手当として支給するには条例化が必要
宇治市での年末年始の加給金を条例化する動きに、一部マスコミが「ヤミ手当条例化」と報道。同記事の中で「自治振興課の担当者が『お手盛り』とコメントした」との報道について、当局の姿勢をただしました。
これに対して当局は、「記事の内容に違いがある。特殊勤務手当として支給するなら、条例化が必要。個人的には、近年の社会情勢から変わってきているところがあるのかなと思っている」と答弁。
組合は、「府職労連の交渉では、職員長が『年末年始が特別な日であることは認識している。国に制度化を求めていきたい』と答えている。府の職員と市町村の職員にいうことが違うのか」「自治振興課は、マスコミ対応に十分注意し対応しないと、市町村に多大な影響・迷惑を与える」と強く対応を批判し、年末年始の特殊性を強調しました。
京都自治労連 第1764号(2011年11月20日発行)より