機関紙 - 公務員賃金引下げ法を廃案に 〜民・自・公 人勧分0・23%に加え、7・8%削減合意〜
国家公務員の賃金を引き下げる特例法(賃金引下げ法)をめぐって、民主党が自民、公明両党とのあいだで人事院勧告のマイナス0・23%の実施を含む8・03%削減する協議を続行しており、緊迫した状況を迎えています。
審議入りのめど立たず
新聞各紙は、「民主、自民、公明3党が11人事院勧告に従い、0・23%の賃金引下げを行い、加えて、2年間で7・8%削減を実施することで基本的に合意した」との報道を行いました。
その後の報道では、賃金削減には合意しつつも、自民党が主張した地方自治体への賃下げ要請は民主党が持ち帰り、民主党が主張した公務員制度関連法案の審議入りは自民党が持ち帰り、現在のところ、民主党内で公務員制度関連法案とセットの姿勢は崩しておらず、結局、これまでと同様に審議入りのめどは立っていないというのが状況です。
また、一部に実務者協議で現給保障廃止の2年先送りが合意されたかの報道がありましたが、これは、あくまで7・8%削減の上での措置ということで、協議の対象になっているものと思われます。
消費税増税への「露払い」に
そもそも、公務員の賃金削減は消費税増税を合理化するために持ち出されたもので、「露払い」として位置づけられており、絶対に認めるわけにはいきません。国家公務員の賃金が8・03%も削減されれば、地方公務員の給与削減へと連動することは火を見るよりも明らかです。公務員賃金切り下げは、私立の学校、福祉施設の職員、民間の病院など、人事院勧告に準拠する職場も多く、さらなる賃下げを招きます。米倉経団連会長は、「もうこれで定期昇給もやらないよ」と言っているほどです。
公務員の賃下げは、共済年金の引き下げにとどまらず、厚生年金の引き下げにも連動し、さらなる賃下げの競争を招きます。今でも国民の懐が冷え込んでいるときに、さらに懐を冷やすことは、景気も、経済も財政も破たんに導き、被災地の復興はさらに困難になります。京都の地域経済にも重大な被害をもたらします。絶対に許すわけにはいきません。
京都自治労連 第1769号(2012年2月5日発行)より