機関紙 - 急務!賃金改善、人員増、職場環境改善 〜京都自治労連12春闘アンケートから〜
自治労連2012年春闘アンケートには、正規職員4642人、非正規職員1392人から回答が寄せられました。生活実態では長引く不況、賃金削減の影響が色濃く表れています。また、職場環境では人員不足解消の切実な声が寄せられています。
また、非正規職員からのアンケートは、今年も多くの回答が寄せられました。正規職員以上に生活実態の悪化している回答も目立っています。この間、京都自治労連と各単組で非正規職員の処遇改善の取組みが進んできていますが、さらなる要求闘争の強化が必要となっています。
寄せられた要求や願いの実現にむけ、組織強化・組合員拡大とも結合させながら、12春闘を全力でたたかいましょう。
生活実態と春闘課題
雇用者報酬、公務員賃金が毎年マイナスとなるなか、「賃金が上がった」という方は2割で、「賃金が下がった」という方は約5割に達しています。「生活の苦しさ」を訴える方も55%にのぼっています。
こうしたもと政府に対する要求では、昨年の3・11大震災・原発事故を反映して「震災復興、原発事故災害補償」を求める声が最も多く、続いて「医療・介護、保育の充実」「景気対策」が40%を超えています。
非正規雇用の方が、「派遣法抜本改正」(45%)、「年金改善」(48%)、「消費税増税反対」(49%)、「最低賃金引き上げ」(37%)などで、正規職員の集計より10%程度高くなっています。
賃上げ要求は、正規・非正規とも「3万」「5万」に集中し、非正規の方で日給・時間給では1000円/日、100円/時に、最も集中しています。
人員不足で疲労困憊!人員増員は急務!
「心身の疲労を感じますか」の設問に、「毎日非常に」疲れるが23%、「たまに非常に」が27%、「毎日、多少」が29%と、80%近くにのぼり、疲労が蓄積していることが明らかになっています。
「職場の人員」が「不足している」と答える方は53%にのぼり、「健康で働き続けるためには何が必要ですか」の設問には、「人員の増員」と答えた方が41%、続いて「人員配置の改善」(28%)、「業務量の削減」(21%)などを求める声が大きくなっています。
「不払い残業」の設問には、「ある」が40%を超え、非正規職員の方にも15%があると答えています。「ある」と答えた方の割合は昨年より増加しています。また、不払い残業の理由に申請しづらい」と答える方が34%あり、職場の環境改善、法違反状態の解消が急務です。
地域主権改革=地方財政悪化、自治体の市場化加速に!
地域主権改革に関する意見では、「地方財政は厳しくなる」が27%、「国の責任放棄」と「地方行政の市場化・民間委託」が23%と、地域主権改革に危惧する声が多くなっています。「福祉の切捨てが自治体の責任にされる」と答える方も22%あり、政府が進める地域主権改革への危機感が高まっています。
非正規職員の処遇改善はまったなし!
京都自治労連は、非正規職員の賃金・労働条件の改善に単組と力を合わせて取り組んできました。その反映もあり、「賃金が増えた」という方が20%、「減った」という方も24%で、昨年と同様の傾向となっています。また、「生活がかなり苦しい、やや苦しい」という方は、66.5%で、正規職員より10%以上高くなっています。ダブルワークをしている方も10%を超え、主たる生計者は自分という方も36%となっており、この点からも処遇改善はまったなしの状況です。
要望では、「賃金引上げ」「一時金の支給・引上げ」「雇用の安定」の3つが切実になっています。
非正規職員の処遇改善は、年々改善されつつありますが、単組間での違いも大きくなってきており、京都における産別運動として全力をあげることが必要です。
京都自治労連 第1770号(2012年2月20日発行)より