機関紙 - 原発再稼働 がれき処理 京都府へ緊急申し入れ
大飯原発 "再稼働は専門家の知見なく認めない"
瑞穂環境保全センター"府外からの廃棄物は受け入れない"
5月7日、京都自治労連は、大飯原発再稼働問題および災害廃棄物の広域処理問題について、京都府へ緊急の申し入れを行いました。
申し入れ内容は、(1)大飯原発再稼働の強行に反対する対応を強めること、(2)京都府の災害廃棄物受け入れ方針を見直し、「封じ込め、拡散させないことを原則とした対応」を基本に、対策の具体化を図ることの2点。
京都府からは、前川防災・原子力安全課長、山田循環型社会推進課長ら5人が対応しました。
大飯原発再稼働問題について
前川課長は、「地元の範囲、合意について規定があるわけではなく、どの範囲まで理解を得るかは『政治判断』。滋賀県との7項目の共同提言では地元合意ではなく『国民的理解』とした」と説明。
また、「府は再稼働に絶対反対という立場ではない」とした上で、「国が再稼働への判断基準を作ったが、専門家が関与した形跡がない。専門家の知見をふまえなければ府民への説明ができない」とし、府下市町村にも、国とのやりとりについて資料も含めてフルオープンで情報共有していると話しました。
基本的な考え方に相違はあるにしても、再稼働は当面認めないという一致点の中で、国に慎重な対応を求めていくことを確認しました。
災害廃棄物の広域処理問題について
山田課長は府の立場について、「瓦礫処理は市町村の仕事であり、受け入れる自治体があれば安全性の確認や放射能測定、器材やマンパワーなど専門的観点からの協力、被災自治体との連絡調整」、また、安全基準について、「府は関西広域連合が設定した国より厳しい2000ベクレルを基準としている」とし、国および関西広域連合の基準にて、人体への影響、安全性はクリアされていると説明しました。
「フェニックスでの焼却灰埋め立てができない場合、関西広域連合から要請があれば瑞穂町の環境保全センターで受け入れる」とした府知事の発言趣旨について問いただすと、「設立趣旨からしても府外から受け入れることはあり得ない」と回答。京都府の公式見解として確認しました。
京都自治労連 第1776号(2012年5月20日発行)より