機関紙 - 市民のために!困難な時だからこそ心一つに 直営だからこそすぐ対応できた!
宇治市職労清掃分会 Bさんに聞く
8月13日深夜から14日明け方にかけて府南部地域を襲った集中豪雨は、宇治市で死者・行方不明者2人、全壊・半壊31棟、床上・床下浸水2030棟など甚大な被害を与えました。宇治市では現在も、市役所挙げての復興に全力で取り組んでおり、宇治市職労も奮闘しています。
こうした中で、災害・緊急時の対応で、「直営だからこそ、市民の期待に応えられた」と清掃の仕事の迅速さが市民からも感謝されています。清掃分会の笠井剛分会長を訪ねてお話を伺いました。
宇治市で、本格的な収集が始まったのが、災害の翌日15日からです。午前中は通常業務を行い、午後から委託車以外はすべて現地の五ヶ庄西川原地域へ収集に入りました。
現地へ入ると、今まで宇治では経験したことがない災害の惨状や、市民が泥と格闘して後片付けをしている姿に、「何とかしなければ」と気持ちが震えると同時に、長期戦になることを予想したといいます。
家の方に、一軒一軒、捨てるゴミかどうかを確認して回収。「ゴミの三分の一は、泥だった」とBさん。
初日だけで122トン、2日目127トン収集しました。
"ありがとう" に励まされ
初日は、『大変だ!』との気持ちもあり、疲れを感じず達成感がありました。しかし翌日からは、取っても取っても、ごみが出る。いつ終わるのか先が見えない不安が出てきました。
そんな時、大きな力になったのが、困難な中で頑張っている住民からの「ありがとう」の言葉でした。厳しい言葉もあるが、直接話をする中で、「僕らが頼りにされている。役に立っている」ことを実感できたとBさんは言います。
また、若い組合員の頑張りが大きな役割を果たしました。困難な現場へ率先して行き、15〜16日・18日は朝8時30分〜夜8時30分まで(健康を考え、17日は定時で退庁)、日曜も頑張り、週が明けても収集で奮闘しました。そうした若い職員の姿は「?今やらねば??この職場を充実させ、新しい職員に経験を引き継ぎたい”との思いもあるのではないか。今年は新規採用がなかったので、よけい思いがある」とBさんは強調します。
"特別体制を" "土日も" と申し入れ
分会では、04年の台風23号や東日本大震災へもボランティアに参加しました。その時の経験から「災害時のマニュアル作成」を要求してきました。今回も、「特別体制を組んで、できるだけ速やかな収集を。土日も視野に入れた体制を」と申入れました。
Bさんは、「直営だからこそできるのではないか。委託では、このような判断はできないのでは。動ける台数を半分にしていたら、どうなっていたことかと思う」と言います。
素晴らしい仲間
今回、職場の仲間の素晴らしさを改めて感じたBさんは、「いざというときに機敏に動き、みんなが一つになった」「大所帯だが、日ごろからいろいろ話し合っているからこそ」と言います。職場は、25%が嘱託職員、再任用職員。「?市民のために?とみんな頑張ってくれた。こんな仲間をどうして正職員にしないのか」Bさんの声が強くなりました。
まだまだ続く復旧・復興の取り組み。宇治市職員の奮闘が続きます。
京都自治労連 第1783号(2012年9月5日発行)より