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機関紙 - 住民のみなさんの信頼に応えられる保健師でありたい 〜舞鶴市職労〜

住民のみなさんの信頼に応えられる保健師でありたい 〜舞鶴市職労〜

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組合活動
 2013/1/7 12:30

 市町村の保健センターは、乳幼児から高齢者まで、すべての市民の健康づくりに取り組むことができる拠点施設として、情報発信や健康診査、健康教育、健康相談などの事業に取り組んでいます。

 保健師の仕事は住民のいのちと健康、暮らしを守る上でなくてはならない仕事です。

 東日本大震災では、保健師の仕事、公衆衛生の大切さが改めて認識されました。舞鶴市保健センター健康増進課に舞鶴市職労の組合員のみなさんを訪ねてお話を伺いました。お話いただいたのは保健師のみなさんです。

  舞鶴市中総合会館に入ると保健センターのある2階から元気な子どもたちの声が聞こえてきました。この日は10か月健診の日です。35人の子どもたちが市内各地から健診を受けに来ています。保健師による問診、身長・体重の測定や頭の大きさなども測り、次は小児科医による診察へと続きます。

 健診に来ていたお母さんは、「初めての子どもなのでいろいろ心配な事ばかり。今日は、子どもが食事の時に自分の思うとおりにならないとキィーキィーとなるので相談に乗ってもらいました。『自分の手で食事をするようになれば落ち着きますよ』とアドバイスしていただいた」と安心した様子。また別のお母さんは、「心配なことがあれば、いつでも相談に乗ってもらえる所があることは心強い」と保健センターの必要性を話してくれました。

人を支え、役立つ仕事

 舞鶴市役所には26人の保健師がおり、健康増進課には現在9人の保健師と栄養士3人、歯科衛生士1人が働いています。

 みなさんが保健師になろうと思ったきっかけは、「看護学校の実習で、舞鶴市の保健師さんが子どもの育児相談やお母さんの相談に対して、自信を持って接している姿を見て自分もそうなりたいと思って」「地域に出かけて病気を予防する仕事もあることを知って」「実は、血が苦手なんです」など様々ですが、人を支え、役に立つ仕事に魅力を感じたことが大きなきっかけとなっています。

仕事の変化の中で求められる連携

 今から25年程前には、保健師は舞鶴市全体で10人弱。そのころから見れば介護保険制度が発足するなど、保健師の仕事も増え、変化し、保健師の人数も増えました。

 現状について、「昔は健診でもっと公民館に行っていたし、自分の担当地区に誰が住んでいるか把握できていた。しかし、地方分権で市にたくさん仕事がおりてきて、身近なところでサービスが提供できるメリットがある一方で、業務量が増えて、訪問が減った。また、分散配置でひとつのことを深く考えることができる一方で、市全体が見えにくくなっているところがある。そのため関係各課と連携を深めて、健康づくりについて考えていく必要を感じている」とベテラン保健師は指摘します。

 こうした話を興味深く聞いていた若い保健師からは、「今の仕事が普通と思っていたが、地域に出かけることがもっとできた時代があったんですね。私は椅子に座っているよりも、そんなことができたらもっと楽しいと思う」と声が出ます。別の保健師からは、「健康づくりの拠点となる建物があることも必要だが、地域に出かけて分かることもある」「時代によって求められるもの、役割が変わっていく。感染症が重要だった時代もあった。いま何をしなければならないか、次のことを考えていくことが求められている」と仕事に対する話に熱が入ります。

大震災で体験した公衆衛生の原点と住民自治

 東日本大震災の支援に行った保健師からは、「避難所には高齢者・障害者・子どもなど、色々な人が避難所での生活を余儀なくされていた。その中で、人々のいのちを守るために何が必要か考えたが、食べること、眠れることなど生活が整うことだった。これは、公衆衛生の基本部分と同じだと痛感した」。

 「また、最初は行政主導で支援していたことも、住民さんが自分たちでできることは、住民同士協力し合ってやりだされた姿をみることができたことが大きな経験となった」と貴重な経験が語られました。

忙しさの中で、健康が後回し

 保健師の仕事を通じて感じる市民生活の変化について「みんなが忙しくなっている。忙しくなればなるほど、健康づくりは後回しになっている」「昔とは違って、健康についての情報がたくさんあり、みんなよく知っている。だからといって、みんな健康かと言えばそうではない」「共働き家庭が増え、夜帰ってきてご飯を作って、食べさせて…多忙な中で育児をされている。大人のペースに、子どもが巻き込まれていることもある」。

もっと地域に出ていきたい

 今後の改善点について、「昔だったら、一人暮らしの人がおられるという情報があれば、様子を伺いに訪問していた」「健診に来てくれない人の中には、健康問題が隠れていたりする。細かく公民館を回って、そういう人の家を訪問して声をかけるなどの仕事が出来れば、変わるのではないかと思う」「今やっていることが本当に求められていることなのか、しっかり把握する時間がほしい。もっと地域に出ていきたい」。

 「家庭訪問が出来るのは、保健師の強み。訪問して、『保健師です』と言えば、ドアを開けてもらえる。こんな風に住民のみなさんに接してもらえるのは、大変ありがたいことであり、住民のみなさんに信頼していただいているという責任も感じる。その信頼にこたえられる保健師でありたい」。

 2013年、住民を守る保健師の姿が、舞鶴でも他の自治体でも輝く年であってほしいと願います。


京都自治労連 第1791号(2013年1月5日発行)より

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