機関紙 - 若い新しい"力"に確信 〜京都自治労連 2013春闘討論集会〜
みんなで学習・議論 全単組で要求書づくり
1月11日、12日、京都自治労連は、13春闘での方針討議を深める春闘討論集会をメルパルク京都にて開催し、17単組81人が参加しました。神戸大学・二宮厚美名誉教授が「春闘をめぐる政治・経済情勢と自治体労働組合の役割」と題して講演を行いました。
1日目終了後、旗びらきを開催。一年の飛躍を誓い、団結を固めあいました。
住民との共同で運動の前進を
開会あいさつで池田委員長は、「この間の運動は、地域経済の活性化、脱原発と再生可能エネルギーの推進、非正規雇用職員の均等待遇と組織化の3つの柱と、その土台としての私たちの賃金・権利、労働条件を守ろうとすすめてきた。公務労働組合に求められている地域での住民との共同した運動を大いに広げよう」と呼びかけました。
方針案を提案した新田書記次長は、12確定闘争の中間総括、昨年末の総選挙結果と春闘情勢の特徴について述べながら、春闘課題の前進に向け、組合員に依拠した職場からの学習と要求議論を重視し、全単組で要求書の作成・提出などを提起しました。
情勢きり拓くたたかいの到達
全体討論では、「退職手当削減の年度内実施が全国的に広がる中で、『苦渋の決断』として当局は3月1日実施を強行したが、再任用など不安なく働ける環境整備を約束。非正規の処遇改善など要求前進させ、臨時・非常勤の組合加入が相次いでいる」(府職労)、「非常勤嘱託員の交流集会を開き、実態や意見を聞きながら基礎賃金や経験加算の引き上げ・新設、一時金支給など処遇改善を勝ち取った。しかし、成果と組織化が結びついていない課題を見直し、非正規組織化を進める」(京都市職労)、「市長選では『労働組合が首長選挙に取り組む』そもそも論を重視した学習を重ね、若い組合員が確信を持ち、行動したことが財産に。清掃嘱託職員労組の結成では、さっそく改善を勝ち取り、団結は力と確信が広がっている」(宇治市職労)、「おおい町の財政・地域調査を進める中で、施設維持だけで莫大な財源が必要である事がわかり、原発マネーから抜け出せないところまできたと感じる。脱原発の裏付けとして、調査・研究を重ね、原発不安から抜け出せる運動をしていく」(舞鶴市職労)など、この間のたたかいを示す発言がありました。
分科会:改憲の危険が目の前に
賃金分科会では、各単組の確定闘争の到達と今後の課題を報告しながら、退職手当や人事評価制度の問題など討論を行いました。「退手組合との交渉と同時に、各単組で退手問題での交渉のイメージと準備を」とし、春闘での要求前進に向け、要求書作成と議論を組合員、職場に依拠して取り組もうとしました。
憲法分科会では、塩見卓也弁護士を講師に、改憲勢力が衆議院で3分の2を占める危険性、自民党改憲草案が9条に限らず「根本的にすべてを変える」中身である点を学習。
「職場で積極的に議論を広げていきたい」「職場に限らず家族や友人にも話していく必要がある」「“憲法と自分たちの仕事”の視点を持ち、学習していくことが重要」など交流を深め、参院選で憲法を大きな争点に、それまでに地域での共同や学習をすすめ、広く知らせていこうと意思統一を図りました。
一点共闘での課題を結び付ける春闘に
二宮 厚美氏(神戸大学名誉教授)
新自由主義的構造改革の下、格差・貧困社会が生まれたが、政権交代による政治の転換が期待された。しかし、民主党政権の新自由主義への回帰によって、自民・民主の二大政党は構造改革で足並みを揃え、維新・みんなも加わり、政治的な地場は右傾化している。
脱原発や消費税増税反対、TPP参加反対など国民的世論と運動が高まる一方で、昨年末の総選挙では各論である政策と総論である体制・政党選択が矛盾する結果となった。各論での選択が総論に結びついていない表れであり、「政治の貧困」といえる状況にある。
今春闘で各論での国民的運動、政治的優位性を広げながら、総論に結びつけるたたかいの展開を期待する。(大要)
京都自治労連 第1792号(2013年1月20日発行)より