機関紙 - 旧大飯町で生まれ育ったからこそ思う原発に頼らないまちづくり
安倍政権による原発の再稼働の動きに、「おかしいぞ」「国民は納得していない」と批判の声が上がっています。京都自治労連などが呼びかけた「原発立地自治体財政分析と地域再生研究会(仮称)」の調査に参加した、おおい町在住の府職労舞鶴支部書記長・中西健二さんにお話を聞きました。
福井県旧大飯町で生まれ育った中西さんにとって原発は地元の基幹産業で?あってあたり前”の存在でした。3・11以降、「このままではいけない」と考え方が大きく変わったといいます。7月1日の大飯原発再稼働を前に、地元おおい町で開催された抗議反対集会とデモには夫婦で参加しました。
現在の町内では、以前のような原発の定期検査がないため、メンテナンス関連企業の労働者は仕事がなく、それだけに、「安全確認ができれば早く稼働しろとの声が出ている。一方で、いつまでも原発に頼るのではなく、新産業を望む声も出ている」と中西さん。
12月23日の現地調査では、この間新しくできたハコモノや建設予定地等を調査。旧大飯町では、これまでも原発交付金や寄付金で様々なハコモノを建設してきましたが、現在でも「賑わい創出整備事業」として農林水産物直売所建設に6億2千万円。現在の総合運動公園を拡充し人工芝のサッカー場・グランドゴルフ場等の整備に2か年計画で10億円などの事業を次々とすすめようとしています。
中西さんは「建設されていることは知っていたが、現地に足を運んで莫大なお金の使い方にびっくりした」と言います。
また、平成18年に合併した旧名田庄村(人口約3000人)に建設された「おおい町里山文化交流センター」(13億2千万円)の施設を目の当りにし、「合併の目的がこれだったのか」と指摘します。
中西さんは、「いつまでも原発マネーをあてにするのではなく、原発に頼らないまちづくりが必要」と強調し、「原発を稼働すれば生まれる核のゴミには誰も責任を持って対応していない。安倍首相が責任を持つといっても持てるはずがない」と安倍政権の原発再稼働の動きを厳しく批判。今後の調査・研究活動に期待を膨らませ決意を新たにしています。
京都自治労連 第1792号(2013年1月20日発行)より