機関紙 - 大型補正で職場も地域も悲鳴! 守るのは労働組合 地元支援につながる事業を 〜京都自治労連第182回中央委員会〜
2013年春闘方針を決定する京都自治労連第182回中央委員会が、2月7日開催されました。討論では、安倍政権の「緊急経済対策」による大型補正予算で、府内各自治体の最前線で?何が起こっているのか?のリアルな発言が相次ぎました。
いま、暮らしと地域経済を豊かにする経済対策が重要です。自治体労働組合の出番です。
「この際、一気に」知事号令
「山田府知事は、『この際、一気に懸案解決を』と、山陰自動車道をはじめ高速道路のミッシングリンクの解消、舞鶴港、新名神の前倒し、亀岡サッカースタジアムなどこの機会に一気にやり上げようとしている。この間、行われた庁内の協議では、『予算規模は最大値で計上を』『補正でできなければ繰り越せばいい』『執行体制は通常の150%体制で』と知事が号令をかけた。補正予算も土木予算が、今年度当初予算に匹敵する200億円。全体では例年の4倍の400億円の規模」「一方、予算がついても執行体制がない。土木技師の確保が緊急課題で一部、『ゼネコンだけが栄えて、残ったのは莫大な借金だけの悪夢の再現を許してはならない』との思いでは一致するが、『今、手を上げなくて、いつ挙げる』という自治体の思いは加速するばかりだ」(府職労)
■新たな地域破壊の進行
支える職場の疲弊
自治体の職場では、事業を支える人員体制をこの間削りに削ってきたために、予算がついても仕事をこなす土木技師が足りず、技師の確保が緊急課題になっています。京都府の職場では、来年度の前倒し採用が具体化されていますがまだまだ足りません。
地域産業の崩壊
この10年間ほどで、地域の建設業者が倒産や閉店したために、地元で事業を請け負う業者が激減。それと共に、建設労働者の数も激減しています。結局、東京や大阪資本の大手企業にお金を吸い上げられ、地元にお金が落ちない、循環しないことになってしまいます。
地元に新たな負担
「とにかく出せるものは全て出せ」と大号令がかかっていますが、100%国が負担するわけではありません。地元負担もあります。かつて国の号令で無駄な公共事業を推進し、膨大な財政赤字が地域住民と自治体労働者を襲い、今も苦しめ続けています。さらに、多額の負債を抱え込むことは、致命的と言えます。
そして、計画性のない地域づくりがされようとしています。なんの事前の調査もなく、なんの事前の準備も、地元の調整も行わず、ただ事業だけが行われることが予測されます。
増税と社会保障抑制
今回の補正予算と来年度予算だけではありません。安倍政権は、今後5年間で200兆円の「国土強靭化計画」を実施すると言っています。これまで経験したことがない新しい地域破壊が、新自由主義のもとで展開されようとしているといえます。
■地域の雇用と需要の拡大のために
人員増のとりくみ
労働組合として、しっかり春闘要求、緊急要求として人員問題をたたかう。
公契約条例運動
地域の業者や労働者を守り地域経済を発展させるためにも、公契約条例がますます重要となっています。
自治研活動
地元経済が発展する事業にするためにも、各単組・地域での自治研活動を旺盛に展開し、住民のみなさんと一緒になって「地域循環型」の政策提言を行いましょう。
京都自治労連 第1794号(2013年2月20日発行)より