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機関紙 - 生存権を脅かし、人間の尊厳奪う 生活保護法改悪は許さない 〜府職労連、京都市職労、京都自治労連が各声明発表〜

生存権を脅かし、人間の尊厳奪う 生活保護法改悪は許さない 〜府職労連、京都市職労、京都自治労連が各声明発表〜

カテゴリ : 
組合活動
 2013/6/29 8:50

 生活保護の申請をはねつけ、利用者を追い出す「生活保護改正案」と「生活困窮者自立支援法」が、6月4日の衆議院本会議で採決され、自民、公明、民主、維新、みんな、生活各党の賛成多数で参議院に送られました。
 この暴挙に、京都自治労連と府職労連、京都市職労は18日、「抗議声明」を発表し、記者会見を行いました。

水際作戦が「合法」化される危険

 改悪案は、生活保護申請時に名前や住所、資産、収入状況を記載した「申請書」と「保護の要否、種類、程度及び方法を決定するための必要な書類」を提出することを義務付けています。また、保護開始時の扶養義務者への通知を義務化し、福祉事務所の調査権を拡大して扶養義務者に報告を求め、扶養義務者の収入・資産に関わる調査も行うことができるとしています。

 申請書の提出と申請時の関連書類の添付の義務付けは、生活に困った人を「書類がそろっていない」などと追い返す水際作戦が「合法」化されてしまいます。親族に知られたくないために、申請をすることをためらってしまい、さらなる餓死・孤立死・自殺を生み出すことは明らかです。まさに、生存権を脅かし、人間の尊厳を侵害するものです。

 今回、京都自治労連、府職労連、京都市職労がそろって声明を発表したことは、広く市民に今回の改悪案の問題点をアピールするとともに、生活保護行政の最前線の自治体職場でこそ、憲法にもとづく本来の生活保護行政の在り方を追求し、その実践のための取り組みの出発点にするためです。

 「生活保護法改悪法案」の廃案と生活保護行政の充実めざし、職場の実態把握と要求議論を深め、地域の諸団体や住民とともに共同した取り組みをすすめましょう。

日本の生活保護利用率は極めて低い

 日本では人口の1.6%程度しか利用しておらず、先進諸外国と比較してもかなり低い利用率。しかも、保護資格のある人のうち利用している人の割合(捕捉率)は、2割程度にしかすぎません。残りの8割、数百万人もの人が漏れているのです。ここにこそ、日本の生活保護行政の最大の問題点があります。

利用率・捕捉率の比較(2010年)

  日本 ドイツ フランス イギリス スウェーデン
人口 1億2700万人 8177万人 6503万人 6200万人 941万5570人
生活保護
利用者数
199万8957人 793万5000人 372万人 574万4640人 42万2320人
利用率 1.6% 9.7% 5.7% 9.27% 4.5%
捕捉率 15.3〜18% 64.6% 91.6% 47〜90% 82%

(【あけび書房】「生活保護『改革』ここが焦点だ!」(生活保護問題対策全国会議【編】)より)


京都自治労連 第1802号(2013年6月20日発行)より

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