機関紙 - フクシマを忘れたのか 住民の生活・安全置き去りの原発再稼働申請に怒りの抗議
7月8日、原子力規制委員会が決定した原子力発電所の「新規制基準」の施行にあわせ、関西電力高浜3・4号機、大飯3・4号機をはじめとした4電力会社5原発10基、12日には1電力会社2原発の再稼働審査が申請されました。
京都自治労連は、住民の安全を置き去りにした再稼働申請に対して直ちに抗議文を関西電力本社と安倍首相に即日送付しました。(抗議文全文はホームページをご覧ください)
利益優先 新たな安全神話
東京電力福島第一原発の事故収束、原因究明は終わっておらず、それどころか、原子炉建屋内は高線量のため現場調査にも入れない状況です。福島では未だに15万人を超える住民が避難生活を強いられ、故郷に帰る見通しが立っていません。
その一方で、安倍首相は、新規制基準を「世界最高水準」とし、「福島の過酷事故の経験を世界と共有しながら日本の技術を生かし、世界の原子力の安全性向上のために貢献していくことが日本の責任」と、原発再稼働や原発輸出をすすめようとしています。
再稼働申請の撤回もとめる
抗議文では、「『新規制基準』が審議過程で出された疑問や多くの国民から寄せられた意味を全く無視し、財界・電力会社の意向を受け、原発輸出と再稼働を掲げる安倍政権の原発の活用方針に沿って拙速に決定され、住民の安全を保障するものとは程遠い内容」と指摘し、大飯原発3・4号機について規制委員会が9月の定期点検まで運転継続を容認したこと認められないと批判しました。
また、「京都府では、高浜・大飯原発から30キロ圏内に8市町が入り、住民避難計画が策定されているが、全市民約8万9000人が避難対象となる舞鶴市では実施不可能な計画にならざるを得ない」とし、「多くの住民が危険にさらされる事は明らかであり、最も現実的な安全確保策は『原発をなくすこと』である」と指摘、「再稼働を申請した関西電力をはじめ電力会社に厳しく抗議するとともに、再稼働申請の撤回を求める」と強く抗議しました。
今求められているのは、再稼働でも原発輸出でもありません。「即時原発ゼロ」「再稼働ゆるさない」声をさらに大きく示しましょう。
京都自治労連 第1804号(2013年7月20日発行)より