機関紙 - 委員長あいさつ:私たちがたたかわずして誰がたたかうのか
京都自治体労働組合総連合
執行委員長 池田 豊
私たちはこの一年間3つの運動の柱を立てて活動してきました。1つは、脱原発と再生可能エネルギーへの転換で、立命館大学地域経済研究会、自治体問題研究所、舞鶴市職労、宮津市職、府職労連舞鶴支部の皆さんと、原発立地自治体の研究会を重ね、舞鶴集会を開催し調査研究を継続しています。2つ目は、地域の活性化と住民生活をどう守るのかで、北部自治体学校を、新加盟の与謝野町職と地域の皆さんと開催しました。3つ目は、非正規職員の組織化と均等待遇の実現で、宇治市環境嘱託職員労働組合、公務公共一般京丹後支部、宮津支部の結成があり、京都府職労や大山崎町職での賃金労働条件の改善などの成果をあげました。
そして、賃金労働条件の課題については、宇治市や向日市で6月上程を阻止し、賃金カットの問題で粘り強い交渉、学習会の開催と職場報告、そして多くの住民、団体との理解や協力をへる努力等々、実利的な成果とともに、運動の上でも新たな局面を切り開きました。しかし、これらの成果にとどまるわけにはいかない過酷な現実があります。
安倍内閣は誰のための国を作ろうとしているのでしょうか。
安倍首相は、経済界の会合で「我々の目標は、企業が最も活動しやすい国にしていくこと」と本音を話しました。これは、政府と財界が一体となって新自由主義の国家づくりを目指すものです。
そのために様々な大企業優遇をし、その一方で来年4月から消費税を上げて、財源を国民から吸い上げる、そういう国を目指しています。
そしてこのような日本を作るために安倍内閣は暴走のアクセルを踏んでいます。
機械部品を調達するように、労働者の首を自由に切れるように労働法制を改悪して、雇用の流動化を図り、同時に公務員賃金を含め人件費をコストとみなしひたすらカットを追求します。更にコスト削減のために正規職員の非正規への置き換え、未組織、未権利、低賃金労働者を民間でも、公務職場でも大量に創りだしています。
その一方で、10年間で200兆円を投資する「国土強靭化」を計画、巨大公共事業を大手ゼネコンに政治献金と引き換えに実施し、そのツケを大増税と地域破壊で国民に負わそうとしています。
更なる財政削減と国民の負担増は、社会保障分野をターゲットとし29日の社会保障制度改革国民会議では「公的制度への依存を減らす」ために「自助努力」を国民に求めました。
「地域住民の繁栄なくして、自治体労働者の幸せなし」の運動の原点を考えるならば、このアベノミクスと私たちがたたかわずして誰がたたかうのでしょうか。
来春の京都府知事選挙は住民のための地方自治確立の絶好の機会です。全力をあげて奮闘しましょう。
最後に今後の組織体制についてですが、より地域のリアルな状況を的確に反映させるよう、地域単位での非専従執行委員の選出を強化する方向に踏み出そうと思います。
京都自治労連 第1805号(2013年8月5日発行)より