機関紙 - 京深層水
▼台風18号の被害は京都に深い傷跡をのこした。とりわけ京都市では頻繁に映像で流された嵐山をはじめ各地で人的被害こそ少なかったが、家屋への浸水は伏見、醍醐を中心に全市で1000件を大きく上回った。
▼現場での消防職員の奮闘ぶりが伝わってきた。未明から水圧でドアを開けることが出来なくなったマンション住人に、必死に2階への非難を呼びかける姿は実に頼もしかったという。京都市の消防は、通常は指令センターから発信される指示によるが、緊急時にはそれぞれの現場の判断で即応するとのこと。
▼一方、門川京都市長は、政府調査団の谷垣法相の調査に同行し、被災状況の説明を、と思いきや何と嵐山ではお土産屋さんに案内し、ここのお店は元気にやってますと谷垣氏に説明、周囲をあきれさせたという。風評被害を防ぐために元気な京都を宣伝することに専念する市長だった。
▼被害状況の正確な把握と、迅速な対応、住民への情報提供こそが最大の行政の危機対応なのだが。そこが後手になっている。
(I)
京都自治労連 第1809号(2013年10月5日発行)より