機関紙 - 台風18号災害 住民の暮らし・生業の復興を! 〜篠塚和則府職労連副執行委員長が語る〜
府職労連が災害対応の検証運動
9月15日から16日に府内に大雨を降らせた台風18号は、甚大な被害を各地に及ぼしました。復旧に向けた作業が、懸命に行われているところです。こうした中で、府職労連では、今回の災害対応の検証運動と、必要な執行体制確立にむけたとりくみを強めています。
篠塚副執行委員長にとりくみについてのお話を伺いました。
氾濫危険水位を13時間
今回の災害の特徴は、経験したことのない大雨です。府災害対策本部資料によると累加雨量は松尾(舞鶴市)で489?、古和木(綾部市)で436?、知見(南丹市)で427?を記録しており、由良川(福知山)の観測所では8・28mの最大水位となり、氾濫危険水位(5・90m)を13時間(16日4:00〜17:00)にわたって超過しました。
2004年の台風23号では、死者15人を数える惨事となりましたが、今回は重傷者1人、軽傷者4人の人的被害に止まりました。しかし、住戸の床上・床下浸水は5379戸(9月30日までの判明分)にのぼっています。
様々な角度から検証を
近隣市町をはじめとする業務派遣や延べ8160人(9月30日現在)の災害ボランティアが活動し、住居の清掃などは一定進んでいます。府は、開会中の9月府議会に農業関係の緊急対策を含む補正予算(10月3日可決)を組みましたが、被災者の要望に応えた暮らしと生業の復興が必要です。
災害に強い、安心して暮らせる地域づくりにとっても、今回の災害についての様々な角度からの検証が必要と考えています。
たとえば、ある地域で指定されている避難場所に行ったが、すでに避難者でいっぱいで避難できなかった。元々、住民の1割から2割程度の受け入れのスペースしかなかったと聞いています。
職場から悲鳴
緊急の対応だけでなく、仮復旧や災害査定、本復旧と仕事は続きます。府の土木事務所では、「14ヶ月予算」で「1・5倍働け」と言われている中での災害でした。現場からは悲鳴に近い声が聞こえてきます。府職労土木建築部会としても執行体制の強化や業務の無理のない計画的執行などを緊急に申し入れました。
広域振興局・広域行政で対応できるのか
また、「台風23号の時の教訓が生かされたのか」の点からの検証も必要です。23号の時は、振興局の広域化が大きな問題となりました。今回も、同様の問題があったのではないかと思います。府の管理道路の通行止めだけでも118箇所に及びましたが、連休中であり、また深夜からの対応が必要となりました。広域振興局への統合の中で、事務所と現場の距離が大きくなっています。連続30時間の拘束となった職員や通行止め箇所を自己責任で通行し、事務所に辿り着いたという話も聞きます。危機管理の点での検証も申し入れています。
平成の大合併で広域化した市も多い中で、府と市町村の連携も含め検証が必要と考えています。
「住民からの『ありがとう』という言葉が、自治体労働者に元気と力を与えるんだなぁ」と京都自治労連の中央委員会での発言を聞きながらあらためて感じました。常にそういう役割を発揮したいものです。
京都自治労連 第1810号(2013年10月20日発行)より