機関紙 - 主役は地元 宝物がいっぱい 〜丹後の地域づくりを考える集い〜
地域経済の疲弊や人口減少など深刻さが増す丹後で安心して住み続けられる地域づくりをめざそうと、11月24日、京丹後市の弥栄町地域公民館で、「丹後の地域づくりを考えるつどい」が開催され、京都自治労連の各単組をはじめ34団体・地域から100人以上が参加しました。主催は、京都自治労連、京都自治体問題研究所、農業・農協問題研究所京都府支部が呼びかけた実行委員会。地域経済学会会長の岡田知弘京都大学大学院教授が「丹後の現状と地域経済再生の展望」について講演、4人の方から実践報告が行われました。
有効・役立つ 中小企業振興条例
岡田教授は、丹後地域の現状について、経済のグローバル化のもとで、生産拠点の海外移転や農産物輸入が促進され、基幹産業の「米と機」の衰退を招いたこと、市町村合併や構造改革の影響で、行政サービスが低下したことが定住条件を悪化させ、人口減少や高齢化の加速につながったと指摘しました。
その上で、地域経済の活性化に向けて、ハコもの行政や企業誘致政策を見直し、地域経済の主役である中小企業や農家、協同組合などを中心に、地域内経済循環を作り出す自治体の産業政策の重要性を強調しました。
具体的には、自らオブザーバーとして関わった与謝野町の「中小企業振興基本条例」づくりを紹介し、基本条例制定が全国25道府県・128自治体に広がっていること、6自治体で「公契約条例」が作られ、地域経済の活性化や住民の暮らしの向上に役立っていると紹介しました。
感銘と共感 地域循環への取り組み
実践報告では、Iターンの新規就農者や若者が関わり成功している伊根町の京野菜ハウス生産組合、電気業者や金属加工業者による京丹後市での小水力発電機の製作と地域づくり、深刻な過疎・高齢化が進む弥栄町野間地区での住民参加の交流会や救急体制づくりを通じた地域づくり、与謝野町の中小企業振興基本条例づくりと住民が主体となった条例を生かしたまちづくりなどが紹介されました。
参加者からは、「地域内で経済循環させる事が地域活性につながることが良くわかった」「それぞれが試行錯誤をされながら独自の取り組みをされ進まれていることを学んだ」などの感銘や共感が寄せられました。
新しい出会いと発見 〜「ふるさと再生京都懇談会」in伊根・野間〜
「つどい」に先立ち、23日〜24日午前には、京都自治労連が事務局を担う「ふるさと再生京都懇談会」による伊根町・京丹後市の視察が行われました。伊根町の薦池(こもいけ)地域に固有の小豆生産と独自の販路拡大による過疎地域活性化の取り組みなどの視察や、伊根町役場の地域振興策の説明、地元住民の方々との交流などを通じて、「地域の宝物の再発見」「担い手づくり」「行政の役割」など大いに学んだ2日間でした。
京都自治労連 第1813号(2013年12月5日発行)より