機関紙 - 京 深層水
▼私は信心深い者ではないし、逆に現実の社会の様々な課題に宗教者はもっと向き合うべきではないかとさえ思っていた一人だ。しかし、フランシスコ・ローマ法王の11月26日の使徒的勧告という文書は、社会的貧困の鋭い告発と、激しい資本主義批判に満ちていた。
▼「どうして高齢のホームレスが野ざらしにされ死亡することがニュースにならず、株式市場が2ポイント下がっただけでニュースになるのか」。こうした「排除と不平等」の経済は「人を殺す」。
▼「少数の所得が急上昇する一方で、多数を繁栄から切り離す格差も広がっている」。それをもたらしているのが「市場と金融投機の絶対的な自立を守ろうというイデオロギー」で国家による支配をも拒絶する「新たな専制支配」を生み出している。
▼貧しさなら私の子ども時代からもあるが、今は超えることを許さない社会的な排除と自己責任へと追い込む孤立が加わる。
▼変えるのは地域から。来年はそんな年にしよう。
(I)
京都自治労連 第1813号(2013年12月5日発行)より