機関紙 - 歴史的な国連事務総長とNPT議長の発言と行動
NPT再検討会議は、現在も行われており、最終どのような結果になるかは現在分りません。しかし、京都自治労連代表団が滞在した期間の出来事をみても、国際政治の劇的変化、私たちの運動が国際政治を動かしていることに大きな確信を持つことができました。
2日、国連でNPT再検討会議議長のカバクチュラン議長とドゥアルテ国連上級代表は、休日を返上して署名を受け取るためにパレードの到着を待ち受けていました。予定よりも一時間以上遅れ、他の用務を返上し、「わたしは署名を受け取るためにここに来ている。デモの到着を待ちます」と異例のコメント。各国メディアが取り囲む中、二箱の署名を受け取った二人は、「直接700万の署名をこの目で見たい」と署名が積んであるハマーショルド広場へ突然歩き出し、爆弾騒ぎで道路封鎖を行っている警察を直接説得し、署名の場所まで来たのです。
さらに、翌日から始まったNPT会議の冒頭カバクチュランNPT議長は、「昨日、私は市民社会が集めた署名を受け取りました。私たちはこの大きな熱意に応えなければなりません」と述べたのです。
また、30日・1日と開催された国際会議の席でパン・ギムン国連事務総長は、市民運動の役割を熱く語り、「核兵器廃絶は私の最優先課題。『核兵器のない世界』は達成できないゴールではない」「私は核兵器禁止条約を各国に迫ります」「各国のリーダーには個人責任が問われる」「政府を動かすためには、皆さんの力が必要です」と呼びかけ、今年8月に広島を訪問することを明らかとしました。
まさに二人の行動は、歴史的ともいえるものです。この劇的な展開は、私たちの運動と国際政治の声が一致したことの現われです。私たちが署名で要求したことは、「核兵器禁止・廃絶条約の交渉を開始し、締結すること」でした。一方、カバクチュランNPT議長は、「NPT再検討会議の成功の基準」として、「核兵器全面廃絶のための確固たる基盤の確立」を第一に挙げました。
京都自治労連 第1728号(2010年5月20日発行)より