機関紙 - 「子どもの笑顔がなによりうれしい」 子どもが安心してこの町で暮らし続けるまちづくりめざして
京丹波町職:Iさん
作業療法士の資格を持つIさんが子育て支援課で働いて6年。どの子どもも健やかに成長できるまちづくりに向けて奮闘中です。
子どもの発達をサポートしたい
Iさんは高校時代、人に直接かかわれる仕事がしたいと考えていたときに「作業療法士」という仕事を知り、専門学科がある大学に進みました。大学で学ぶなかで子どもの発達に興味が芽生え、子どもを主な対象とする分野で勤めることを決めました。
ここ数年、保育所や学校などでは、集団生活や対人関係、学習面などで何らかの難しさをもつ子どもへの対応が求められており作業療法士への期待が高まっていますが、京丹波町のように自治体で作業療法士を配置しているケースは決して多くありません。京丹波町では子育て支援課に作業療法士のIさんを配置して、町内の保健師、保育士、学校の先生たちと連携して地域全体で支援できるネットワークを構築しようとしています。
笑顔が最大のご褒美です
「作業療法士は医療機関に勤めることが多く、子どもが病院に来て医師の診察を受けて、初めてかかわることができます。自治体に勤めることで、こちらから保育所や学校など地域へ出て行くことができます」と、すべての子どもを対象に、乳幼児期から大人になるまでその人が生活する地域で見守り、サポートし続けることができる自治体職員としてのやりがいをIさんは熱く語ってくれました。
「さまざまな作業や遊びを通して、子どもが真剣な顔でチャレンジし、達成したときの笑顔は、最高のご褒美です」とIさん。「子どもが見せる行動やその原因はさまざまで、子ども自身が困っているとは気づかれにくいこともあります。でも、乳幼児期からのすばやい対応には大きな意味があります。保健師や保育所・幼稚園、学校と連携し、私たちの方からアプローチして、早期から個々の特性を捉え、それにあった対応をしていくことで、生きにくさの原因を軽減できたり、得意なことが発揮しやすくなったり、主体的に生きる応援ができます」
子どもが子どもらしく過ごす地域づくり
「テレビゲームや車の普及などで、子どもたちが思いっきり体を動かし、想像し、子どもらしく遊ぶ機会が減っていると言われます。健康な体を育て、社会性の基礎を育むはずの遊びを十分にできないまま大きくなってしまわないように、子ども時代を子どもらしく過ごす環境作りが必要と感じます。保護者の方と共に歩むことはもちろん、お互いの違いを受け入れ、自然と助け合えるような理解が地域に広まるよう貢献できるといいなあと考えています」
地域で安心して子育てができる、どの子どもも健やかに成長できるまちづくりに向けて、Iさんの奮闘が続きます。
京都自治労連 第1815号(2014年1月5日発行)より