機関紙 - 豊かな海に米軍基地はいらない 〜丹後の宝を活かしたまちづくりを〜
米軍基地で丹後の地域経済は発展しない
漁師、元・京丹後市職員 Dさん
京丹後への米軍基地建設を憂う会会員
京丹後市への米軍基地建設問題は、今年、大きな局面を迎えます。京丹後市の袖志で生まれ育ち、現在、間人の漁師である、元京丹後市職員のDさんにお話をお聞きしました。
Xバンドレーダーの漁業への影響についてDさんは、「魚は魚群探知機を当てると嫌って逃げる。数千キロ先まで届く強力な電波の影響がないとは考えられない」「建設予定地の周辺は、丹後で一番の漁場」「漁師の身体に影響はないのか、漁船の様々な計器も誤作動を起こすのでは」と心配します。建設予定地の近くの漁港である中浜の二つの漁師組合は、基地建設反対決議をあげました。
沖縄の現実を見ると信用できない
しかし防衛省や京丹後市・府は、こうした漁師の声にも「レーダーの性能については軍事機密で答えられない」というばかり。アメリカの基準では当たり前の環境調査も行いません。
防衛省や京丹後市・府は、漁業への影響、健康問題、治安問題など様々な不安の声に、「安全対策に万全を期す」と言いますが、「全く信用できない」と地元では声が上がっています。Dさんによると、説明会に来た防衛省の責任者が、丹後では「米軍にきちんと教育する」と言いながら、沖縄の高江のヘリパットを取り上げた映画『標的の村』の中では、同じ人物が詰め寄る住民に「米軍には何も言えない」と開き直っているのです。「いかに安全・安心がいい加減なものかわかる。米兵や軍属が起こした事故や事件に対する対応も不明、どこに住むのかも全く不明。これでは安心できない」とDさん。
心配、秘密保護法暗い丹後に
防衛省は、基地建設予定地の地権者に、一反あたりの賃貸の相場が8000円のものを30万円にし?同意していないのはあんたとこだけや”と威圧的に土地の賃貸契約の同意書を集めて回りました。
さらにDさんが心配するのが、特定秘密保護法との関係です。「基地に反対する会合も、住民に真実を知らせるニュースも出せなくなる」と危機感を募らせます。
「京丹後市や府は、『海の京都』とか言っているが、米軍基地で丹後の地域経済は発展しない。丹後の宝を生かすことが大切。府民のいのちと暮らし守る府政になってほしい」、Dさんの言葉に力が入ります。
京都自治労連 第1815号(2014年1月5日発行)より