機関紙 - アメリカの大きな変化を実感 アメリカの労働組合と交流
米反戦労働者連盟
USLAWとの交流
これまでアメリカの労働組合の主流は、歴史的に政府の戦争を支持・協力してきましたが、2003年イラク戦争のときにUSLAWを結成し、イラク戦争に反対を表明。ベトナム反戦運動以来となる大規模な反戦運動を行いました。
報告された全国委員のマイケル・ズウェイグ氏が所属する教員組合も参加。USLAWへの加入に当たっては、「労働組合は賃金や福利厚生の問題に取り組むべきで、戦争にかかわるのはあくまで個人で行うべき」との意見が強く、このような意見を打ち破るうえで、次の3点について議論。?我々の教え子も、戦争へ駆り出され、殺し・殺されている。戦争反対でたたかうことは教職員組合の義務である。?戦費がかかりすぎる。もっと国内・国民のために使うべき。?国がどうあるべきかは、一部のエリートだけで決めるのではなく、労働者も含めて議論しなければならない。というものでした。
また5月1日には、激しい議論を行い、アフガニスタンでの軍事行動停止・撤退決議をNY州60万人の組合が行ったことも報告され、今後は、南米諸国、核問題、沖縄問題にも取り組んでいくと決意を語っていました。
戦争に反対する議論は、日本と同じような議論が展開されていること。日本国内では分からないアメリカ国内での大きな流れの変化を知ることが出来ました。
ニューヨーク市の職員労働組合との交流
財政危機や経済危機を理由に、公立病院などの民営化がすすめられているが、結果的に公的サービスの低下、高コスト化を引き起こしている問題などが述べられました。また、賃金カットも行われており、NY市の正規職員の平均年収は3万ドル(約300万円)、非正規職員は2万ドル(約200万円)。短期間のNY滞在でしたが、NYの物価は決して低くなく、公務労働者の暮らしの厳しさを知る事が出来ました。
オバマ政権への評価では、「組合としてオバマを支持している。経済危機など困難ななかで、大きな成果をあげており、まず満足している。しかし、まだまだ不満がある」(マイケル氏)。
NY市労働組合の安全衛生担当者は、オバマ政権を「組合員の健康を守るために規制強化をすすめる政権であり、やりがいのある時期に来ている」と語っていたのが印象的でした。
京都自治労連 第1728号(2010年5月20日発行)より