機関紙 - ここが問題 給与制度の総合的見直し 最賃改善と公務の賃金改善署名を急ごう
8月の人事院勧告に向けて、「給与制度の総合的見直し」作業がすすめられています。これは、現在の地域間、世代間、現業と非現業、正規と非正規にある賃金の差を利用して、とりわけ地方に働く公務員に、将来にわたる大幅な賃下げを押し付けようとするものです。
「給与制度の総合的見直し」は、地域経済にも大打撃、「見直し」をやめさせるために、地域から職場からみんなの力を合わせましょう。
?公務員に月額平均8,435円の賃下げ
人事院は、民間賃金が低い12県で公務と民間の差が2%台半ばあるとして、いったん国家公務員俸給表を引き下げるとしています。仮に2・5%の賃下げとして計算すると、月額平均8、435円の賃下げになります。
これが実施されると、多くの地方自治体の賃下げに直結し、退職手当や年金にも影響します。また、地域手当も見直すとしており、大幅な賃下げが狙われています。これは、学校や福祉・医療など公共サービスや民間職場にも影響を与え、地域経済にも大きなマイナスとなります。
?同じ仕事でも、『霞が関』と地方の差は2割を大きく超える
今でも0〜18%の格差がある地域手当。「霞が関」に勤務していれば、18%の地域手当と本府省手当まで加算されています。現在検討されている見直しでは、基本賃金引き下げ分を超える地域手当の加算が見込まれ、その差は広がる一方です。
?若者の将来を奪う昇給カーブ切り下げ
50歳代後半で5%超の官民較差があるとして、月2万円を超える賃下げとそれに見合う昇給カーブの切り下げが狙われています。住宅ローンや教育費などを抱える中高年世代の影響は深刻です。さらに、若い世代がいずれたどる昇給の道が閉ざされ、若者の希望と未来を奪うもので決して許すことはできません。
?住民の暮らし守る現業職を否定する採用抑制・賃金削減
現業職場の賃金は、民間委託がすすめられる中で切り下げられてきました。今回の見直しで狙われているのが、「採用もせず、賃金も引き下げる」というものです。東日本大震災の経験からも、最前線で住民の暮らしを守る現業職の重要性は明らかです。今やるべきことは、現業職員の賃金改善と、委託職場の労働者の生活が成り立たないほどの低賃を改善することです。
?置き去りの青年、臨時・非常勤職員の改善を
「霞が関」の賃金だけが引き上げられる一方で、置き去りにされているのが、民間に比べて低い初任給改善と臨時・非常勤職員の賃金引上げです。この夏、地方の最低賃金を引き上げて、公務も民間も全ての労働者の賃上げを勝ち取り、地域経済を再生しましょう。
京都自治労連 第1825号(2014年6月5日発行)より