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機関紙 - 地域・人間を破壊した原発の実態 これでも原発推進なのか 〜福島被災地視察〜

地域・人間を破壊した原発の実態 これでも原発推進なのか 〜福島被災地視察〜

カテゴリ : 
組合活動
 2014/10/10 8:10

 京都自治労連は、9月20日、21日の2日間、東日本大震災と東電福島第一原発事故から3年半が経過した福島県の現状と原発被害の実態を知り、学ぶ取り組みとして、福島被災地視察を行い、4単組と本部あわせて16人が参加しました。

今も残る当時の姿

 初日は、南相馬市から帰還困難区域である双葉町を移動。福島第一原発から20キロ圏内は立ち入りが制限されているため、現地は未だに被害にあった家屋や漁船が当時のままの状態で放置されています。3年半がたった今でもこうした状況が残っていることはテレビや新聞で報道されることはありません。また、至るところで除染作業によって出た大型の土のうが3段、4段と大量に積まれている光景も目の当たりにしました。

 2日目はいわき市から、帰還困難区域となっている富岡町まで移動。現在、楢葉町などでは、避難先から帰る(戻る)準備がすすめられていますが、帰らない選択はおかしいという状況も生まれているそうです。しかし、家畜の野生化や泥棒など、仮に帰ったとしても安心して住むことができないのは目に見えています。自治体がつくる避難計画も本当に実効性あるものになるのか疑問です。震災関連死は1750人超、うち自殺は50人を超えるなど、生きる希望を失ってしまう現実が福島にあります。

見えない線が住民・地域を分断

 「仮の町(自治体内自治体)」構想も、住民票はどこに置くのか、税金はどこに収めるのか、こうした課題が解決されないまま3年が経ち、富岡町をはじめ、帰還困難区域など被災者への賠償金は見えない線引きによって区別され住民同士のあつれき、地域と住民が見えない線で分断、対立してしまう構図が生まれています。

 「国や立地自治体は、福島のこの現状を見て、原発再稼働、そしてリスクを負えるのか、責任が持てるのか」「そして、住民たちは果たして町に戻ってくるのか、戻ろうと思うのか。こうした問題を全国の人たちが注目し、考えてほしい」との訴えに、福島の現状を正確に伝えることが大事だと感じています。

 今回、福島を視察し、政府・東電の無責任さと、地域や町そのもの、人間を破壊する原発は無くさないといけない、そして、一人でも多くの人に福島の現状を自分の目で見てほしいと思います。

9月19日
  夜行バスで福島駅へ
9月20日
  早朝福島駅着、バスで相馬市、南相馬市、浪江町、双葉町を視察
9月21日
  バスでいわき市、広野町、楢葉町、富岡町を視察、夜行バスで京都駅へ
9月22日
  早朝京都駅着、解散

京都自治労連 第1833号(2014年10月5日発行)より

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