機関紙 - 地域の魅力を照らす村づくりのビジョン 動き出した住民力100%地元発信:南山城村職員組合
京都府唯一の村、南山城村。今、「地方創生」「人口減少・自治体消滅」に名を借りた「選択と集中」による地域破壊、地方切り捨てが狙われています。
こうした動きがすすむ中、地域にしっかりと根を張り、住民とともに魅力ある地域をつくろうと奮闘する仲間がいます。南山城村産業生活課魅力ある村づくり推進室長のDさんをたずねました。
ネットワークの広がりが可能性を生み出す
現在の業務に就いたのは2010年。魅力ある地域をどうつくっていくのかを考えた時、衰退する農業、減少する人口などの現状に中山間地域ではどうしていけばいいのか、疑問を持ち始めます。
転機となったのはたまたま参加した総務省のセミナーとその後の全国各地で地域おこしに奮闘する人たちとの出会い。「福島県西郷村で活動されていたNPOの方が湯葉作りに関わられていて、宇治茶で紅茶をつくったら面白い、それなら同じ村同士、豆乳と紅茶でミルクティーを作ったら面白いと盛り上がりました。実現は出来なかったけどネットワークの広がりが可能性を広げると実感しました」と振り返ります。
Dさんは村のホームページに村民を紹介するサイトを掲載。イタリアンカフェ、陶芸、新規就農を行う3組が移住するきっかけになりました。村の情報を発信するブログも始め、新しい取り組みを重ねることで手触り、肌触りで地域の人たちの思いをくみ取れるようになったといいます。
国や社会現象に左右されない地域づくりを
現在、2017年春にオープン予定の「道の駅」の準備に大忙し。「物を売るだけではなく、地域で支え合う仕組みをつくりたい。産業と福祉の連携など大きな意味で、しっかりとした村づくりのビジョンを持つことが大事」とDさん。「地域のことを考えながら、地域のありたい姿を考える、小さい自治体だからこそ作れる環境なのかもしれませんけどね」と笑います。
「地元に暮らしながら、地元のまちづくりの視点から地域を見た時、国や社会現象に左右されない地域づくりが必要不可欠。国を変えるのは基礎自治体、自分たちの地域をどう作っていくか、それが出来るのは自治体職員である私たちだけ。これ以上やりがいのあることはないですよね」。
「たくさんの人に出会って考え方の引き出しが増えました。ネットワークが広がった分だけ視野も考えも可能性も広がっています。地域活性化の流れは出てきていますし、自信も手ごたえもありますよ」と力強い言葉で語るDさんの挑戦は今年も続きます。
南部自治体学校
山城のまちづくりを考える
日時:2月14日(土)
13時30分〜16時30分
会場:やまなみホール(南山城村文化会館)
京都自治労連 第1839号(2015年1月5日発行)より