機関紙 - 「総合的見直し」の矛盾と破綻は明らか 〜府人事委員会は"見送り"の英断を〜 職場からの取り組み強めよう
他府県の人事委員会の勧告がすすみ、「給与制度の総合的見直し」の矛盾と破綻がより一層明らかとなっています。京都府の人事委員会勧告をめぐる検討が重要な段階をむかえる中、10月13日には、京都自治労連が自治振興課に15秋期年末要求書を提出、翌14日には、京都総評と府職連(府職労連・京教組)が府人事委員会に緊急の申し入れを行い、「総合的見直し」見送りの英断を強く求めました。
「総合的見直し」の破綻明らか
格差あるのに解消しない
昨年の勧告で「総合的見直し」を行った自治体では、民間給与実態調査で公民較差が明確になっているにもかかわらず、これを解消せず労働基本権制約の代償機関としての役割を自ら放棄した勧告を行っている人事委員会(大分県、鹿児島県など)があります。
その一方で、公民較差を解消するために、「総合的見直し」で引き下げた以上の調整率を勧告(山形県)、給料表を平均2・1%、地域手当0・5%引き上げ(三重県)、「『総合的見直し』に伴う経過措置の取扱い見直し」として「(今年4月の『総合的見直し』による)給与改定がなかったとした場合に受けることとなる給与月額に相当する差額を支給」(宮崎県)など、国の押し付けを跳ね返し、何とか格差を解消する方策を模索している団体もあります。
これらのことは、「総合的見直し」が、早くも破綻していることを示しています。
また昨年、府人事委員会が、「『総合的見直し』は、京都の実情に添わず、官民均衡を保てない」という根本問題から「総合的見直し」の勧告を見送ったことの先見性・重要性はますます高まっています。
政府の圧力に屈し、労使の努力に水を差してはならない
今年の京都の最低賃金は、18円引き上げられ807円になりました。最賃審議会では、労働側委員、経営側委員を含め全会一致で最賃引き上げが決まりました。中小企業の経営者のみなさんも含めて、「何とか賃上げをして、地域経済の活性化を図りたい」との思いの表れでもあります。
ところが、府人事委員会が「総合的見直し」を勧告すれば、こうした労使の努力に冷や水をかけ、来春闘の影響も含め、京都の労働者の賃金全体を押し下げ、地域経済を疲弊させることは明らかです。府人事委員会、京都府が率先して賃下げの旗振り役をするなどあってはなりません。
府人事委員会が、全体の労働者の賃金を引き上げ、地域経済を守り、地域間格差の是正を求める社会的要請に応える見識ある勧告を行うよう、取り組みを強めましょう。
単組のとりくみポイント
?全組合員参加による学習活動の強化
?職場要求討議をすすめよう
?10月中に全単組で確定要求書の提出を
?統一行動、産別闘争への積極的な参加を
京都自治労連 第1858号(2015年10月20日発行)より