機関紙 - 組合活動カテゴリのエントリ
北部自治体学校
講演
「公共サービスの産業化」で誰が幸せになるのか
岡田知弘氏(京大教授)
<とき> 3月4日(土)13:30〜16:45
<ところ> 綾部市ITビル多目的ホール
17春闘勝利 ストライキ批准投票をすべての単組で取り組もう2月1日〜17日
京都自治労連 第1888号(2017年1月20日発行)より
1月7日、ホテルビナリオ嵯峨嵐山にて京都自治労連17春闘討論集会を開催し、13単組74人が参加しました。
憲法施行70年を迎える中で、安倍政権が狙う憲法改悪を許さず、憲法が地域・暮らしに生きる自治体づくり、そして学びを力に、生計費に基づく賃金改善や組合員拡大など春闘を起点とした運動の強化へ、組合員の知恵と力をあつめた取り組みにむけて議論を深めました。
官民一体の運動で賃上げの流れを
方針提案を行った松下書記長は、16確定闘争の到達を振り返り、「制度は国、水準は地域」やラスパイレス指数による賃下げなど、総務省・京都府からの指導・介入が強まる中で、その不当性を明らかにしながら給料表・一時金をはじめ、育休代替の正規職員配置の拡充、非正規職員の処遇改善などを勝ち取ったことを報告。3年連続の賃上げ実現は官民一体の運動の反映だとし、全単組での春闘要求書の提出・交渉の徹底・強化を行い、民間賃金引き上げに向けた官民一体の運動を春闘期から強めることが重要としました。
戦争法の具体化や憲法改悪、「アベ働き方改革」、地方創生などをめぐる安倍政権の危険な動きの中で、改憲阻止や労働法制改悪阻止、賃上げと人員増・長時間労働縮減などの職場要求実現に向けた17春闘での9つの主要な課題をあげ、職場からの学習と団結を基礎にして取り組みを進めようと呼びかけました。
分散会で確定到達・春闘課題ふかめる
全体討論では、「16確定の到達と17春闘」(府職労連)、「産・育休代替の正規職員配置拡充」(京都市職労)、「学校給食民営化反対」(宮津市職)、「16確定の到達」(舞鶴市職労)、「第2保育所閉園問題」(向日市職労)について報告が行われました。
その後は分散会を行い、16確定闘争の各単組での到達を共有しながら、官民一体の賃金闘争をはじめ、公共サービスの産業化を許さず、改憲阻止・戦争法廃止の住民共同のたたかい、組合員拡大や組織強化など、17春闘での前進に向けて議論を深めました。
17春闘方針案は、2月11日に開催する第194回中央委員会で各単組での議論、討論をふまえて決定されます。
また、討論集会では、大阪経済大学の伊藤大一准教授が、自身のアメリカでの経験をふまえ、「アメリカ労働運動の新潮流とサンダース現象」と題して記念講演を行いました。
京都自治労連 第1888号(2017年1月20日発行)より
自治労連第29回組織集会が1月14日・15日、名古屋市で開催され、全国から259人、京都から10単組38人が参加しました。集会では全国のとりくみが報告され、組合員の拡大に向け議論されました。
2日目には機関紙宣伝交流集会も併催され、職場ニュース、日刊紙や都道府県の機関紙まで、機関紙活動、宣伝活動の大切さが幅広く紹介・交流されました。
同世代の言葉にグッ!ときた:綾部市職労 Aさん
組合書記局に仲間が集まるようになり、何かできないかと考えていたところ、役員からこの集会の参加を勧められました。愛知県本部青年部の特別報告で、「出会いが刺激に、学びが確信に!」という言葉にグッときました。同世代の仲間の実践から出た言葉だからですかね。自分の働く職場が良くなることは誰もが願っていることで、みんなが組合に持ち寄って話せたらいいなあと思っています。組合のとりくみを、自信を持って話すことが大事だとも感じました。
職場の仲間つなぐニュース出したい:京都市職労 Bさん
民生支部ではニュースが出ているのですが、保育協議会で定期的にニュースを出したいと機関紙宣伝交流集会に参加しました。北海道から沖縄まで参加者がいてびっくりです。全国各地の職場ニュースも参考になります。
皆さんのとりくみを聞いて、組合のとりくみを知らせる、見せることが大事だと再確認できたし、組合員同士、保育所同士の交流もできる大きなツールだと思いました。編集体制作りや配付方法の工夫なども聞けて、勉強になりました。特に若い保育士さんに発信できたらなあって思います。
京都自治労連 第1888号(2017年1月20日発行)より
大雪の中、会場いっぱいの参加者
京丹後市の米軍Xバンドレーダー基地の米軍・軍属が、昨年11月29日から福知山市内の自衛隊射撃場で実弾演習をはじめた問題で14日、「米軍くるな福知山市民集会」が開催され、大雪の中、110人以上が参加しました。主催は「米軍の実弾射撃訓練中止を求める福知山の会」と「米軍基地いらない府民の会」。
オール京都、オール日本で取り組む課題
集会では、福知山平和委員会の水谷徳夫会長と「府民の会」の片岡明事務局長がこの間の経過と課題、ミサイル防衛システムと京都のかかわりなどについて報告。米軍基地もミサイル防衛も日本を守るものではないこと、府や福知山市が政府の言いなりになっている実態が報告され、オール京都、オール日本で取り組むべき課題であることが明らかになりました。
閉会挨拶を行った梶川憲京都総評議長は、「府内の多くの自治体で日米地位協定への対応が問われる。全庁あげた対応を求めよう。住民の命を守る自治体の役割が問われている」と呼びかけました。
京都自治労連 第1888号(2017年1月20日発行)より
2017年、新しい年が幕を開け、各単組で新年のスタートを飾る旗開きが楽しく、元気に行われています。各会場では、安倍政権の暴走にストップを!大幅賃上げを!人員を増やしたい!そのためにも組合を大きく!と、決意を固めあっています。
宇治市職労
11日、宇治市職労の旗開きが開催され、来賓を含め約60人が参加。保育所分会の出し物や、テーブル対抗ゲームなどで大いに盛り上がり、楽しく交流し、新たな気持ちでこの一年間頑張る決意を固めあいました。
京丹後市職労
京丹後市職労は、1月13日に2017旗開きを行いました。
今年は、普段あまり動かさない部分をケアする体操を整体師さんから学び、講師の指導で体を動かして、多忙な業務で疲れた体をリフレッシュしました。
精華町職
18日、精華町職新春旗開きが、約80人の参加で盛大に開催されました。執行部の交渉結果の報告、春闘要求書の提案のあと、和やかに歓談、青年部が仕切ったビンゴゲームで会場は大盛り上がり!最後の最後まで笑顔あふれる旗開きとなりました。「この笑顔で1年間がんばります!」と決意が語られました。
城陽市職労
1月28日、約40人の参加で城陽市職員労働組合の旗開きが開催されました。消防互助会から参加の4人は「市職労に期待している」と連帯。青年部のCさんが、城陽市職労のうた『この場所で』をギター演奏で披露するなど交流を深め、「団結ガンバロー」の飛躍を誓いあいました。
京都自治労連 第1888号(2017年1月20日発行)より
女性部は1月14日に単組代表者会議と旗びらきを開催し、9単組30人が集まりました。
花垣ルミさんの被爆体験について紙芝居を見たあと、お話を聞きました。花垣さんは被爆者であることは知っていたけど、逃げ回った時の経験は誰も話してくれず大人になったそうです。58年後、孫がお人形で遊んでいるのを見て、突然記憶がよみがえります。大切なお人形を家に置いて逃げる途中、よく似たお人形が燃えるのをみて恐怖に襲われたこと、鶏や猫、犬が燃えてごろごろ死んでいる惨状を母親に「見ちゃだめ」と言われ、逃げたことなど。その後も2年くらいかかって断片的に思い出し、以後は2005年のニューヨークNPT会議にも参加されるなど、被爆者の語り部として幅広く活動されています。参加者から「自分ができることを考えたい」など感想が出されました。
昨年の「自治はた」に続き、2017年度も元気に活動していきます。
京都自治労連 第1888号(2017年1月20日発行)より
テーマ:食の営みが、からだをつくる心をつくる ―安全でおいしく、ふれあいのある給食を子どもたちに―
とき:2月18日(土)
全体会 10:00〜12:00
分科会 13:00〜16:00
ところ:京都テルサ
記念講演
食を通して社会と繋がる 普通に食べる幸せをみんなで
講師 枝元なほみ氏(料理研究家)
親しみやすい人柄と、美味しく作りやすいレシピが人気。テレビの料理番組や雑誌で活躍。また、農業・漁業生産者との交流や東日本大震災の被災地とつながってのもの作りなど活動は多彩。
京都自治労連 第1888号(2017年1月20日発行)より
京都自治労連
第194回中央委員会&組織集会
日時:2017年2月11日(土)10時〜17時
会場:ラボール京都 4F第8会議室
17年女性部旗びらき
日時:1月14日(土)13時15分〜15時30分
会場:ラボール京都4階
記念講演
「核兵器は一瞬ではなく、その後の人生を苦しめる」
京都原水爆被災者懇談会 花垣ルミさん
京都自治労連 第1887号(2017年1月5日発行)より
1947年11月5日に自治労連京都府連合会として誕生した京都自治労連は、今年結成70年を迎えます。同時に日本国憲法と地方自治法も施行70年。その歴史と運動を振り返りながら、憲法を生かす地域と職場づくり、そしてこれからの運動について語り合っていただきました。
- 前・京都自治労連執行委員長:山村 隆さん
- 舞鶴市職労・保育士:Aさん
- 宇治市職労・保健師:Bさん
憲法を実践する地域と職場をつくろう
B 宇治市に就職して3年目になります。「地域をつくる」という保健師の仕事に興味がわき、学べば学ぶほど地域に密着した保健師の仕事に惹かれました。現在、母子家庭を担当していますが、様々な家庭の中で「貧困」という現実を目の当たりにすることもあり、保健師という役割の難しさを感じています。
山村 私は1970年に京都市に就職しました。公務員を長く続けるつもりは無かったのですが、続けてきたその原動力は労働組合運動を通じて公務員の面白さや労働組合の可能性を感じたことでした。
B 憲法との関係でいえば、憲法25条を守ることが大切だと学んできました。保健師として住民の健康を守る、その意味を日々考えていきたいと思っています。
山村 古い話になりますが、岩手県沢内村(現・西和賀町)で、村長と保健師が中心になって全村民の健康と命を守ることを徹底する行政が進められました。自治体は住民の命を守るという原則の中で、健康予防に力を入れ、住民が病気にならないためにどうするかを追求した取り組みです。
B その取り組みは素晴らしいですね。
山村 自治体労働者が民間労働者と違う点は、自治体労働者は地域住民と一体であるということです。地域住民のために働く私たちが、どうすれば自分たちの仕事を通じて地域と住民を豊かにできるのかを考えることが大切です。憲法を実践していれば格差や貧困は生まれていなかったと思っています。
A 保育士として10年目になります。昨年「保育園落ちた」とのブログがクローズアップされ、先ほど「貧困」という言葉も出てきましたが、保育にたずさわる中で貧困世帯が増えていると感じています。
山村 子どもの貧困という点で、さきほどの憲法25条に書かれている「健康で文化的な最低限度の生活」とは何かを考えることが大切だと思います。
A 障がいを持つ子どもも含めて受け止める公的保育が必要です。しかし民営化が相次ぐように住民福祉を支えるべき自治体が公共サービスの利益を求めるようになっています。
山村 保育所民間委託の動きの中で、乙訓地協の仲間とともに子どもの実態調査に取り組んだことがあります。声をあげること、世論を広げていくことは大切ですが、その土台となる地域の実態を直視できるのは自治体労働者の活動です。それが憲法を実践していく一歩になると思います。
A 憲法が守られていれば、実践されていれば、と強く感じます。
山村 もう一つ大切なことは、地域のことはその地域に住む住民が決めるという憲法に規定された地方自治を実現していくことです。平成の市町村合併は憲法の実践と真逆のものだと思っていますし、その後地域がどうなったのか、忘れてはいけないと思います。
運動に誇りをもって仲間とともに前へ
山村 自治労連運動の原則は、地域と暮らしを守るために団結することです。賃金要求を掲げることは大切ですが、地域住民が豊かでなければ自治体労働者は豊かになれません。そのことを忘れずに取り組んでほしいと思います。
B 私は自分が役員を引き受けることで、若い職員が組合をより身近に感じてもらえるようになればと思い、一昨年から執行委員になりました。組合への信頼も厚く、組合があることで労働環境が守られていると実感しています。
A 現在は書記長として組合専従をしていますが、組合があって、先輩たちが困難な中でもたたかってきたからこそ、今の私たちの賃金や権利、労働条件があるんだということを身に染みて感じています。その一方で地域に出ること、憲法や政治課題に取り組むこと、この意味を組合員に伝えきれていない現状があるのではと思っています。
山村 乗り越える力はつながりと学習です。きちんと学び、みんなの連帯が強まれば理解してくれる、一緒に支えてくれる状況は生まれてくると思います。地域や住民生活の実態を知る活動などは自治体労働者としての質を高めてくれますから、そのことが変革する展望を見出す力になりますし、自治体労働組合運動の面白さでもあります。
B 話をする中で住民がおかれている生活実態を感じられる職場にいるんだと実感しました。ただ仕事をこなしていくだけでなく、どうすれば良くなるのかを考えながら取り組んでいければと思います。一緒に取り組む仲間を増やしながら仕事も組合も頑張ります。
A 専従として現場から離れたからこそ見える保育職場の良さや解決できる課題がわかり、良い経験になっています。子どもや保護者にとって居心地の良い保育所を、そして一人でも多くの組合員さんとともに活動する1年にしたいです。
山村 結成当初から地域と住民生活を守ることに軸足を持ち続けてきた京都自治労連の運動に誇りをもって、健康で笑顔を忘れずに頑張ってください。「思い込みを捨て、思い付きを拾う」、失敗をおそれずチャレンジしてほしいし、新しい自治労連運動をつくっていく皆さんの活躍に期待しています。
京都自治労連 第1887号(2017年1月5日発行)より
安倍政権は、アベノミクスの目標である「企業が世界で一番活躍する国づくり」をめざして、2015骨太方針に掲げた「公共サービスの産業化」を強引にすすめ、本来、自治体が責任を持つべき公共サービスを民間企業の儲けの場に変えようとしています。
京都においても、あらゆる分野での民営化が強まり、とりわけ保育や学校給食など、住民生活に密着し、安全で安定したサービスの提供のために頑張ってきた分野で、「民営化」「民間委託」などの動きが現れています。このような中で、「公立保育園を守ろう」「自校方式の学校給食を守ろう」と各地で運動が広がっています。
今回は、「保育園の民営化」が問題となっている向日市と、中学校給食の開始をきっかけに、子どもたちに愛されてきた小学校自校方式の学校給食を「民設民営」のセンター方式に変えることが問題となっている宮津市を訪ねました。
子ども犠牲は許さない第2保育所は公立のままで:向日市職労
向日市の市立第2保育所を訪ねたのは、昨年11月20日の日曜日。「『公立第2保育園を守ろう』をアピールするお散歩パレードが行われる」と聞いてかけつけました。
立ち上がった保護者・職員
パレードでは、「第2保育所を守ろう」「民営化反対」などと訴え、約1時間にわたって住宅街を歩きました。向日市保護者会連合会が作成した漫画入りの『知ってほしい向日市立保育所のいま』のチラシをポストインしたり、通行人に配布しました。
ハンドマイクでの訴えは、お父さん。「公立の第2保育所を守りましょう」「障害のある子どもも安心して預けられる市立保育所を守りましょう」と、かわるがわる訴えます。
道中では、「頑張って」などと窓を開けての激励もあり、元気が出るパレードとなりました。
バギーカーを押して0歳の子どもさんと参加した保護者のCさんは、「4歳の子も第2保育所で、この子も『2017年4月からお世話になろう』と思っています。ベテランから若手の先生もおられ、安心して預けられる保育所です。ぜひ、市立のまま建て替えてほしい」と語ります。
例年取り組んでいる「保育の充実を求める請願書名」も、「今まで以上に集めなければ」と、第2保育所独自に保護者や職員で「署名活動実行委員会」を立ち上げ大奮闘、全体で1万2347筆(一昨年は3865筆)を集めました。
疲れた先生より元気な先生に
Dさんは、4年生、2年生、4歳の3人の子どものお母さん。「私は、『民間だから悪い』とは思っていません。頑張っているところも、たくさんあると思います。しかし、民営化して今の保育をやってもらえる保障はなく、非常に不安です」「障害児を受け入れるといっても、どの程度の障害まで受け入れるのか。保育士の労働条件でも現状では、ベテラン保育士が公立よりも民間保育所は少ない。働き続けることができない労働条件の現れです。疲れた先生より、元気な先生にみてほしい」とDさん。
子どもたちが犠牲になることがあってはならない
保育士のEさんとFさんは、「4年前に、市立第3保育所が閉所になり、子どもたちは他の保育所へ散り散りになった。子どもたちがたいへん戸惑った。この時のように、子どもたちに犠牲を押し付けることがあってはならない」「非正規職員の雇用問題も考えられます」「市民の皆さんの力も借りて、第2保育所を守りたい」と言葉に力が入ります。
向日市は、「子育てするなら向日市」と言われるぐらい、保護者や保育士が様々な運動に取り組み、市民の協力も得て向日市当局を動かし、全国に誇れる保育水準をつくってきました。向日市の宝である保育が、大きな岐路に立たされています。2017年、市立第2保育所を守る保護者と市民、保育労働者の共同した取り組みが広がっています。
向日市の保育所の経過……
向日市立第2保育所は、1967年に開所された保育所で、耐震性も含め、老朽化が問題となって、保護者、労働組合などによる建て替えと存続を求める請願がたびたび提出されてきました。
2010年に作成された「向日市立公立保育所整備計画」で、現在の場所での建て替えや移転も含めて、「抜本的な施設を検討する」と示され、一昨年12月議会で「第2保育所の建て替えを願う請願(賛同署名3865筆)」が議会で採択されました。
昨年12月議会には、「公立保育園の継続を」求める請願書名を1万2347筆提出しましたが、安田市長は市民の声を聞かず、「民間活力の導入をすすめる」と不当な方針を示しています。
しかし、方針を決める過程において向日市は、保護者や市民、職員の声を一度も聞くこともせず、今回の方針提案を行っています。「子ども第一に考えているのか」「一番弱いものを犠牲にしている」と怒りの声が広がっています。
子どもたちの大好きな自校給食守ろう:宮津市職
宮津市の小学校給食は、子どもたちに大変好評で、府内でも質の高い内容です。ところが宮津市は、現在の自校方式をやめて、小・中学校すべてを民営化の「給食センター」方式に変えようとしています。そんな中で、宮津市職や与謝地方教職員組合、宮津地労協、新婦人なども参加する「宮津市のよりよい学校給食を考える会」が結成され、子どもにとってどんな給食が良いのかを、市民みんなで考える運動が始まりました。
6つの小学校の給食調理員の皆さんや「考える会」代表のGさんに集まってもらいました。
"美味しかった"の笑顔に支えられ
皆さんに「給食調理員としての働きがいや嬉しかったこと」を尋ねると、「?おばちゃん、今日の給食美味しかった?と子どもたちが笑顔で声をかけてくれる。こんなうれしいことはない。『もっと美味しいものを作ろう』と自分を向上させてきた」「?美味しい匂いがたまらない?と給食を楽しみにしてくれている」などと目を輝かせて次々と話が出てきます。
また、宮津の学校給食は、地元の野菜や魚を使用し、子どもたちが学校で栽培した野菜や果実も使用するなど、「食」に対する感謝や喜びの気持ちをはぐくんでいます。そして、各学校による食材の地元発注で、子どもたちと地域をつなぐとともに、地域経済の振興にも役立ち、農家や漁師の皆さんにも喜ばれています。毎月「みやづ食の日」として、宮津産の食材を使った統一献立を実施。説明資料を基に学習するなど、給食が故郷を知るきっかけになっています。
充実した食物アレルギー対応
アレルギーといっても様々です。お寿司の献立の時は、シイタケ、卵、雑魚がダメな子がいる。シイタケと卵、卵と雑魚、または一つの食材だけと様々。全く別の物を作るのは簡単だけれど、できるだけ同じ内容になるようアレルギー食材を抜くだけでなく、「代替え食」を用意するそうです。たとえば卵はコーンで、牛乳は豆乳で代替しており、こうした対応ができるのも「子どもたちの顔がわかる自校方式だからこそ」と強調します。
給食センター方式では、心配事がたくさん
「調理完成から食べるまでに時間がかかり、保温はできても本来の味を届けられない」「多様化、複雑化しているアレルギー除去食が本当にできるのか」「配達中の事故や交通渋滞、降雪時の遅れなど、緊急の対応ができるのか」「『食育』や地域とのつながり、地域の業者への発注ができるのか」「発注業者も決まっていない段階で、『水準の維持を確認』というが、本当か」「民営化が最もコストが低いというが、詳細の説明は何もない」など、次々と出てきます。
また、嘱託職員の調理員は小学校だけで10人が働いており、「民設民営」は雇用問題でもあります。市の計画ではセンター方式が始まるのが2018年9月から、「年度途中から次の仕事が見つかるのか」、「18年度に経験ある人員がそろうか」との心配の声も聞かれます。
こんな大事なことを、現場の職員の意見や声を全く聞かずにすすめていることも問題です。教育委員会から方式変更の決定に至るまで、給食調理員への説明は一度もされていません。保護者への説明会も全く開かれていないのです。
これほど、市民や職員を無視したすすめ方はありません。子どもたちを第一に考えているといえるのでしょうか。
「宮津市のよりよい学校給食を考える会」では、給食問題の学習会を開催し、今回の問題をチラシにして、新聞折り込みを行うなど取り組みを強めています。
大好きな仕事を取り上げられなければならないのか
「私たちは、本当に給食調理の仕事が好きです。子どもたちの成長にかかわることができ、?おばちゃん美味しかったよ?の笑顔に励まされ、『もっと美味しいものを、もっと腕を磨こう』と頑張ってきました。『調理員の仕事が天職だ』と思っています。感謝もしています。民設民営の給食センターができれば、大好きな仕事を続けることはできません。これまで培ってきたキャリアを生かすこともできません。なぜ、大好きな仕事を取り上げられなければならないのでしょうか」。
調理員の皆さんの訴えが深く心に響きました。
宮津の宝物を大切にしてこそ、宮津のまちづくりにつながります。民設民営の給食センター化は、かけがえのないものを自ら捨てる愚かな行為です。
京都自治労連 第1887号(2017年1月5日発行)より