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機関紙 - 組合活動カテゴリのエントリ

子どもたちが誇れるまちにしたい

昨年の3・11大震災と東京電力福島第一原発事故は、これまでの日本と世界のあり方を根本から問い直すものとなりました。いま各自治体には、原子力発電所に対してどのような態度を示すのか、持続可能な「再生可能エネルギー戦略」を住民参加でどう確立するのかが問われています。京都府内のいくつかの自治体でもその試みが始まっています。

宮津市では、井上正嗣市長が脱原発を表明。豊かな自然環境を生かした「再生可能エネルギー」の事業『宮津市バイオマスタウン構想』(平成21年度)が作成され、暮らしと地域の再生への意欲的な取り組みが行われています。この事業の担当者の小西正樹さんを宮津市自立循環型経済社会推進室に訪ねました。(小西さんは、宮津市職員組合の元書記次長)

チャレンジ求める宮津の現状

宮津市がなぜ『バイオマスタウン構想』に行きついたのかについて小西さんは、「一つは、地球温暖化は、他人事ではなく宮津にとって死活問題」といいます。海水面が1m上昇すれば、確実に天橋立は消滅し基幹産業である観光は大打撃を受けるからです。

もう一つの理由が、宮津の現状からです。「主な産業はサービス業で、景気に左右される。働く場所がなくまちを出る若者、人口が2万人を割る過疎化の進行、市財政の悪化、難しい企業誘致の現状、これらの可能性を追求するよりは、地元の事業者や中小企業と一緒に新しい産業起こしにチャレンジする。何もしないと、このままではじり貧になるとの危機感があった」といいます。

平成19年に『宮津市地域新エネルギービジョン』を市が作成。「自立循環型経済社会」をめざす方針を打ち出し、宮津には何が向いているのかについて「太陽光」「風力」「太陽熱」「バイオマス」を調査。豊富な森林資源をはじめ地域に眠っている資源を活用でき、新しい産業づくりや、農林水産業の活性化ができると選んだのが「バイオマス」でした。

平成21年度に『バイオマスタウン構想』を策定。具体的調査項目として「木質」「竹資源」「廃食用油」「生ゴミ・食品廃棄物」「し尿」「浄化槽汚泥」「海洋資源」が上がりました。

注目される二つの取り組み

この中で中心となっているのが、「竹資源有効活用プロジェクト」と「メタン発酵の取組」です。

「竹資源」活用では、国の交付金も活用して昨年の9月にプラント「宮津バイオマス・エネルギー製造事業所」が完成。1時間当たり1トンの竹から、最大で竹チップ850キログラム、竹粉150キログラム、メタノール7〜10リットル、電力30キロワット/hを作り出すことができ、世界初の試みとして注目されています。

材料となる竹の供給では、宮津には府内の竹の約1割があり、大半が放置竹林で土砂災害が危惧されており、鳥獣被害の温床にもなっています。小西さんら担当者が、地域を回って事業の説明をするとともに、こうした問題解決にもつながるとお願いすると歓迎され、現在では約170ヶ所160ヘクタールの竹の供給があります。


「メタン発酵の取組」は、従来からあるし尿処理施設が老朽化し更新の時期を迎えていることや、観光地で生ゴミが多く、その分処理費用が嵩んでおり、これらの廃棄物の有効活用もできないかということで始まりました。し尿や生ゴミなどをメタン発酵させ、発電や熱利用に、さらにメタン発酵消化液を有機肥料として農地へ還元し、出来た農作物を地産地商(消)で消費するスタイルを確立するというもの。

22年11月に小型のメタン発酵実証試験設備を設置し、実証試験を一年間行ってきました。(もう一年、実証試験を行って結論を出す方針)

一番の課題は「市民に受け入れられるか」と小西さん。「風評被害で農産物の値段が下がらないか、生ゴミの分別への協力、食べてもらえるか、などの問題に正面から向きあい、精力的に検討を行ってきた」といいます。

昨年秋の宮津ええもん市では、“おいしい”“大丈夫”との声が来場者から多く寄せられ好評、1時間ほどで200人ほどの方からアンケートの協力もありました。小西さんは「抵抗感があるかと思っていたが、環境、循環というところに皆さんが興味を持っていただいた」と少し安心した様子。

民間丸投げでは失敗市民参加がカギ

市役所内や市民の中に、「財政的余裕があるのか」との意見があるのも事実。また、バイオマスタウン構想に農水省はそれなりの交付金をつけていましたが、“仕分け”で「効果が無い」とされ、本年度から交付金が出なくなりました。

こうした動きに「何もしなかったら、じり貧状態の現状から抜け出せない」とキッパリ。そして、「3・11以降、空気が変わってきているのではないか、再生可能エネルギー開発にお金が動く仕組みがつくられようとしている」と情勢の変化を強調します。

自治体の果たす役割について小西さんは、「バイオマスで失敗している例は、民間に丸投げし民間任せにしているところ。なぜなら、民間は採算が取れないとわかると撤退する。行政が一定の役割を果たさないとできないのではないか」といいます。

今後の課題として「市民の方がついてきてくれるかどうかが大きなカギ」といいます。いま、宮津市内でもいくつかのNPO団体や個人などが、自然環境を守る取り組み、循環・再生可能エネルギーへの取り組みを行っています。そうした市民とのつながりも生まれ横に広がりかけています。「こうした市民とのつながりが大きくなれば、いろんな相乗効果があり、みんなが考え出すと新たな産業の呼び水となる」と小西さん。事実、いくつかの企業からの問い合わせもあったとのこと。

“宮津方式”として全国へ

“何でそこまでやれるの”と問いかけると、「今取り組んでいる仕事は、少しオーバーかもしれないが、全人類に関係する仕事、社会の仕組みを変えることだと思う。子どもたちが自分のまちを誇れるまちにしたい」「京都自治労連の“再生可能エネルギーへの転換でふるさと再生”は、私の思いとぴったり」「市民に働きかけて、理解していただき一緒に動いてもらった時に大きな喜びを感じる。私たちは、このことに労力を惜しまない。私たちの取り組みが“宮津方式”として全国に広がるようになれば素晴らしい」と小西さんの表情が輝きます。

「農業を営んでいる人が、次の代への希望を持っているかというとそうではない。今、手を打たなければ取り返しがつかなくなるのではないか」、力強く語る小西さんたちの挑戦が2012年も続きます。


京都自治労連 第1767号(2012年1月5日発行)より

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昨年3月11日の東日本大震災と原発事故は、私たち京都の自治体に働く者にとっても、多くの課題を鮮明に示しました。

平成の大合併で広域化された被災自治体は、住民と行政の距離を拡大し、地域社会の「絆」を細く弱いものにしてしまい、再建・復興をより困難なものにしていました。

しかし、その「絆」をたとえ細く一条のものとなってしまっても、確実に繋ぎ止めているのは自治体に働く私たちの仲間の存在であり、献身的な活動と住民の立場に立った仕事です。あらためて「地域住民の繁栄なくして、自治体労働者の幸せはない」という、民主的自治体労働者の原点に立ち返り、運動を進めようではありませんか。

民主党野田内閣の原発問題とエネルギー政策、復興支援策、税と社会保障の一体改革、TPP、沖縄米軍基地問題等々では、財界とアメリカへの追随ぶりを一層強めています。これらのことは、地域社会の疲弊と崩壊に一層拍車をかけ国の解体に道を開くといっても過言ではありません。


京都市では2月5日投票で市長選挙がたたかわれています。

4年前に951票という僅差の惜敗でした。その後の4年間の国の悪政と京都市政の実態、住民生活の疲弊と危機的な状況を見るならば、「善戦はもういらない、勝利あるのみ!」という合言葉で最終盤を闘いぬいた前回選挙結果に安穏とするわけにはいきません。自治体労働者として、京都から住民の立場にたった新しい自治の姿を創出する可能性を切り拓く京都市長選挙になんとしても勝利して民主的自治体建設に大きく足を踏み出しましょう。

人口で京都府の56%を占める京都市が、住民の立場からの府市連携を強め、再生可能エネルギーへの転換と雇用・産業育成に踏み出し、地域循環型の経済と地域社会をつくるならば、京都が新たな地方自治の扉を開くことになるのではないでしょうか。

「天の時は地の利に如かず。 地の利は人の和に如かず」と言います。様々な人との共同と連帯を広げ、桜咲く春爛漫を迎えようではありませんか。


京都自治労連 第1767号(2012年1月5日発行)より

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今年2月、福井県の全原発が停止 !
さあ、住民とともに 再稼働許さないたたかいを

3・11大震災・原発事故という戦後最大の未曽有の出来事は、地域住民の政治と社会に対する見方を変えるとともに、一人ひとりの生き方を問い直すことにつながっています。

京都でも、府内各地で「私にも何かできないか」と被災地への支援行動が一気に広がり、原子力発電に対する見方が大きく変化しています。府内各地で「脱原発の会」「原発ゼロの会」などが結成され、これまでこのような取り組みに参加したことがない住民が、自主的に声を上げています。

今年の2月には、福井県にある原発が定期検査のためすべて停止し、原発の再稼働をめざす勢力とのまさに歴史的なたたかいが展開されます。住民との共同をさらに広げて、原発の再稼働を許さず廃止を勝ち取る運動を府内全域から展開しましょう。


原発の危険性をあきらかにし、3・11原発ゼロ・アクション in舞鶴の大成功へ:舞鶴市職労

高浜原発に隣接する舞鶴市は、福島第一原発の事故を受け原子力防災計画の見直しを行っています。

計画は高浜原発や大飯原発で重大事故が発生した場合、市民をどの様に避難させるかが最大のテーマです。しかし高浜原発を中心とした30km圏の避難対象区域には、市域のほとんどが含まれ、避難市民は8万7千人にも達します。

昨年、福井県の防災担当者と話しをした時(この時は避難範囲は20km圏)「8万人もの市民を避難させることは想像できない」と素直に語られました。

こうした声を聞くと、原子力災害に対する現実的な対応がいかに困難なものであるかが見えてきます。

舞鶴市民の中からも、ネットワークを利用した新しいタイプの脱原発運動が進められています。12月、舞鶴ピースプロジェクトによる講演会が市内で行なわれましたが、その中で「何よりも重要なことは、普通の市民が声を出すこと、疑問や不安を伝える事だ」と指摘されていました。

舞鶴市職労は、こうした市民運動とも協力し合い、脱原発の運動をさらに進めていく考えです。


住民との共同ひろげ、宇治から大きなうねりを:宇治市職労

12月11日、宇治で“原発ゼロをめざす宇治の会”の結成総会が開催され、労組や市民らが参加しました。会の代表の一人である深尾正之氏(日本科学者会議京都支部・元静岡大学教授)を講師に“原発をなくして問題をどう解決するか”をテーマに原子力発電の仕組みと今回の事故の内容、原発に換わる自然エネルギーの活用を詳しく学びました。

参加した青年からは、「原発の問題点をあらためて学習ができ、今この自然エネルギー転換への展望を持つことができよかったです」と感想が寄せられました。

総会終了後参加者全員で原発ゼロにむけてプラスター宣伝を行いました。

安心して楽しく暮らせる未来をつくるため“原発ゼロ”を国民的な運動に広げ実現させるため力を合わせ一緒に頑張りましょう。


3・11、国道9号線で"脱・原発"のプラスター宣伝:府職労亀岡支部

12月11日、亀岡市内にて講演会が実施され、市民ら40人が参加、府職労からも参加しました。また10月30日に福島県で開かれた集会の報告等を行いました。「原発ゼロ亀岡の会」は震災から6カ月目の9月11日に発足し、毎月の11日を中心に活動してきました。今回の講演会もその一環として実施されたものです。

講演者の森住昭弘さんはNPO法人大阪ゴミを考える会の理事長であり、環境問題の専門家で、これまで各地の市民活動を支えてこられた方です。
「放射能の危険性を正しく認識し、必要な対応を行うことが大切で、必要以上に騒ぎ立てることは、これまでの公害問題で企業が利を得たようなことにならないよう監視が必要である」との言葉が印象的でした。

3月11日には、亀岡を南北に走る国道9号線の各ポイントで"脱原発”の一大プラスター宣伝を計画。2012年、福井での原発再稼働を許さないことはもとより、全国の原発ストップへの大きな転換点の年になるよう皆さんと一緒に頑張りたい。


連帯する力がある つながる力がある:府職労連

避難されている方は、どんな新年を迎えられたのだろう。私は福島出身。3月11日、娘から「福島が大変」と電話が入り、すぐに姉たちに電話したが、つながらなかった。3日目ようやく姉たちと電話がつながった。初めて原発の恐ろしさを実感した。7月には、組合からボランティアとして陸前高田市へ。10月には、組合で「原発なくせ福島集会」にも参加した。

長姉は、「京都に果物を送りたいが、逆にいらねえな」と寂しそう。次姉は「孫を外で遊ばせられぐなったど」と悲しげであった。私の「心」も今も何かが埋まらないでいる。望郷への思いにむなしさが募る。時々また涙が出る。

これからの復旧、復興に向け大切にしたいのが何か。それは、人間の「力」であり、「つながり」である。

福島を「忘れてはならない」とたくさんのカンパや支援を続けてくれる全国、世界の仲間。京都でも、若いパパママは原発いらないと子どもを抱っこしながら行動を起こしている。母親連絡会が募った2,000人アピールも短期間に協賛者が集まった。「連帯する力」がある。「つながる力」がある。避難されている人が安心して住み続けられるふるさとを思い今年もガンバルぞ!


京都自治労連 第1767号(2012年1月5日発行)より

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どんどん広がる“つながり”と“仲間”の輪

南丹市職の青年が元気です。昨年11月に行われた青年部沖縄平和ツアーに5人の青年が参加、12月にあった総評青年部クリスマスパーティーにも沖縄の“つながり”から3人が参加しました。明るい話題を振りまく5人の青年を訪ねました。

現実を目の当たりにし沖縄のイメージが変わった
「沖縄のイメージが変わった貴重な経験になった」、5人に共通した感想です。

Aさんは「観光地のイメージが強かったが、実際に基地や資料館を見て回ることで観光地ではない面も知ることが出来た。

帰ってからも沖縄のニュース報道に興味を持つようになった」と振り返り、Bさんは「リゾート、観光のイメージだったが、過去の歴史にふれ、様々な背景を学ぶなかで、沖縄では日常生活、暮らしが常に基地と隣り合わせにあることを知れた」と話します。

「実際にガマに入るなど当時の状況を体験することが出来たことでよりリアルに戦争、平和を考えられた」と話すのはCさん、Dさんは「観光地、リゾート地と思っていたが、民家の近くに基地があり、ヘリが墜落した現場にも行くことが出来た。沖縄のイメージが180度変わった」と言います。

Eさんは「人ごとだと思っていた戦争や基地が、沖縄の人からすれば身近なもの、生活の一部になっていた。そのことを真剣に考え、考えるだけではなく行動を起こしている姿に触れることが出来た」と、それぞれが観光地ではない沖縄の姿、住民生活を目の当たりにしてきました。

「あ、つながってる」と組合の良さを実感

実はそんな彼ら、組合に加入したのは沖縄前とつい最近。沖縄には加入した際に誘われたそう。

「青年部が季節ごとに若手職員の交流会を定期的に開催してきた。それがきっかけにもなって、集まりの中で広がった」と塩邊委員長。「新しく加入した4人が揃って沖縄に参加し、各単組の青年たちとも交流することで、仕事だけのつながりではない、情報交換や仲間を作れるという組合が本来持っている部分を知ってもらう機会になったのでは。行ってくれた気持ちを大事にし、次回以降につなげたい」と話します。

高屋青年部長は「青年部は若手職員の交流をメインに活動しているので、今回5人も参加してくれて言うことなしです!」と喜びを表現します。

総評青年部のクリスマスパーティーにも参加したEさんは「沖縄で会った人たちに会える楽しみ、自治労連の新しい人たちに出会える良い機会、つながっているんだなって思えた」と話し、「漠然としていた組合のことが、他の市町村の人たちと話すことでこういう活動をしていくんだと分かった。沖縄で平和以外の仕事のこと、組合のことを話せたのは良かった」とBさん、Cさんが声を揃えます。

今後どういう取り組みをしてみたい?と尋ねると、「ギネスに載るような企画!」「ビーチバレー大会!」など、アイデアがどんどん出てきます。

職場の仲間から、また府内の仲間から注目が集まる南丹の青年たちに、期待が膨らむとともに、彼らの成長と行動力にワクワクが止まりません。


京都自治労連 第1767号(2012年1月5日発行)より

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951票差で叶わなかった市政刷新。あれから4年、格差と貧困はさらに広がり、地域は疲弊、市民生活は危機的状況になっています。「放射能から子どもを守りたい」「地域経済を元気にしたい」、こうした市民の願いに応える政治への転換が求められています。

いよいよ京都市長選挙。市政刷新の会から立候補を表明している弁護士・中村和雄さんと京都自治労連・岩瀬青年部長が対談しました。 (司会進行は編集部)

―あけましておめでとうございます。昨年の東日本大震災、原発事故を受け、自治体行政、そして自治体労働者のあり方が問われました。実際に被災地に足を運んで感じたことは。

中村 最初に訪れた仙台周辺や海岸沿いの自治体は合併など自治体構造改革によって職員が減らされ、避難所の把握などが困難になっていた。一方、合併を拒否した自治体では職員体制が整い、避難所の運営や住民の状況を早期に把握できていた。

岩瀬 陸前高田でボランティアに参加。職員が足りないという話は聞いていたが、合併した自治体としなかった自治体の違いを聞き、合併の弊害を痛感した。
 ただ、自治体労働者が被災しながら休みなく住民のために働き続けているのに、情報が伝わらず不満を言われる。そうした状況に自治体労働者はどうあるべきかを強く感じた。

中村 阪神淡路大震災の教訓、派遣村にも通じるが、実際に被災した人、派遣でいえばワーキングプアの人が活動に参加する、一緒に作り出すという組織的なもの、住民と一緒になってサービスを作っていくことが行政には求められている。信頼関係やノウハウを積み重ねていくことが必要だと思う。

岩瀬 現状でいえばそうした活動は仕事に追われて出来ていない。考える余裕が無いんだと思う。「住民を第一に」が自治体労働者としての姿だが、それすら出来ていない状況にある。
 私は向日市の第3保育所で保育士をしているが、老朽化を理由に閉園すると市長が突然言い出した。子どもが安全に安心して生活できる、保護者が安心して子どもたちを預けられる、それすら出来ない状況になろうとしている。子どもや保護者が日々不安を感じながら生活することが果たして良いのか、矛盾ばかり感じる。

中村 直接の答えにはならないが、保育所の先生がどれだけ大変な思いで子どもたちのことを考えているか、それが保護者にちゃんと映っているか、すべてではないが相互理解が出来ていない状態にあるんだと思う。

―現在の労働環境、青年の働き方や正規・非正規の問題について。

中村 異常なまでに非正規化がすすみ、青年の中で非正規率が高い。正規から非正規へ、この悪循環が原因。若者が自分で生活維持できる、そういった環境にしないと将来は真っ暗になる。

岩瀬 保育所でも非正規が増え、すでに非正規がいないと仕事が回らない状態。仕事内容も変わらない。

中村 今の日本の非正規問題の最大の問題点は正規と非正規が同じ仕事をしているのに待遇がまったく違うことにある。

岩瀬 それはすごく感じている。私自身、正規になって3年目、非正規で働いていた時期があったが、同じ仕事をしてこんなにも待遇が違うのか、とても矛盾を感じた。非正規の待遇が改善されてきているが、それでも生活できるギリギリの状態。格差があまりにも大きすぎる。

中村 京都市内でも大手コンビニで時給751円と、どう考えても生活保護の基準に達しない。そういう働き方が当たり前になっている。本当に改善させなければいけないのは正規と非正規の格差をなくすこと。EU諸国は“同一労働同一賃金”が当たり前。
 “公契約条例”は賃金の底上げという点で解決の一つの方法。行政が注文した仕事に携わる労働者の労働条件は生活できるように引き上げる、そこに責任を持つことが行政の義務。これは国際的に認められている精神だが、日本では当たり前でない。まさに「世界の常識、日本の非常識」だ。

―“脱原発”の課題、これからの社会や日本のあり方とは。

中村 市民がどのように考えているか、大きな分かれ道になると思っている。原発の危険性など正確な情報を得て、学び、自分の意見を出す、行政の立場から言えば正確な情報を提供する。福島やチェルノブイリでは何が起こっているのか、正確な情報を知った時に運動になっていくと思う。福島で起きた事故と、その被害の恐ろしさから原発はすべてなくす必要があると思っている。

岩瀬 まだまだ知らないことが多いのが現実。いかに正しい知識を青年の中で広げていくかだと思う。

中村 何か面白い、青年が行きたくなる企画をして、そこに行政が力を貸せれば良いと思う。一人ひとりが自分で判断して意見を言う、そんな国や市政の形にしていきたい。

―市政刷新への決意を。

中村 若い世代は将来に対して夢が持てない、こうしたいと思ってもなかなか実現されない絶望感、閉そく感を今の社会に感じている。そうじゃなくて、青年の願いが市政に反映される、京都の未来は明るいんだと示したい。京都から新しい政治を若いみなさんとともにつくっていきたい。

―ありがとうございました。 


京都自治労連 第1767号(2012年1月5日発行)より

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職場要求実現へ仲間とともに
被災地と心ひとつに復興支援に全力

 2011年が間もなく閉じようとしています。
 京都自治労連と各単組の仲間は、3月11日に発生した東日本大震災とそれによって引き起こされた東京電力福島第一原子力発電所の事故の被災者の立場に立った復旧・復興を求めるとともに、支援活動に全力を挙げて取り組んできました。

同時に、脱原発・再生可能エネルギーヘの転換を求めて府民との共同を強めて奮闘してきました。

 また、国民の暮らしを脅かし、地域経済を破壊するTPPに反対する取り組み、違法・不当なマイナス勧告と7.8%もの賃金削減の公務員給与削減に反対するたたかい、職場の諸要求実現を求める取り組みに全力を挙げてきました。

 このような取り組みの中で、様々な住民の方との絆が深まり、新しいたくさんの仲間を組合に迎え入れることができたことは、未来を切り開く大きな力となります。

 2012年、今年以上に団結を強め力を合わせて未来を切り開きましょう。


京都自治労連 第1766号(2011年12月20日発行)より

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 来年1月22日告示、2月5日投開票でたたかわれる京都市長選挙で、市政刷新の会の中村和雄さんを何としても勝利させようと、12月12日、13日の2日間、自治労連の全国の仲間が入洛。決起集会で意思統一し、街頭宣伝、市役所早朝門前宣伝、京都市職場オルグなどへと大奮闘しました。

 決起集会で自治労連の野村幸裕委員長は、「市長選挙で勝利することは、悪政の限りを尽くす野田内閣へのこの変化を投票に結びつけ、中村さんの勝利で京都から日本を変えよう」と呼びかけました。

 京都自治労連の池田豊委員長が京都市長選の情勢を報告。京都市職労の小林竜雄委員長は、「門川市長が4年間で職員1400人以上を削減。『限界職場』が続出し、市民が犠牲になっている。ワーキングプアをなくすために、公契約条例の研究会を中村和雄さんに助言者になってもらい2年半続けてきた。市政問題を分かりやすく市民に訴えるために、劇団をつくるなど様々な工夫をし、奮闘している。これ以上、市民と職員犠牲の市政を続けることはできない。何としても勝利したい」と訴え、全国からの支援を呼びかけました。

 全国の仲間は、夕暮れの京都市内で街頭宣伝。翌日は、市役所での早朝門前に続き、職場オルグを行い、全国からの熱い思いを直接、京都市職員に届けました。全国の仲間からも、職場からも「元気が出た」と感想が出されていました。

 また、11日には近畿ブロックの仲間が地域宣伝にかけつけてくれました。


京都自治労連 第1766号(2011年12月20日発行)より

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 12月10日、京都総評青年部主催のクリスマスパーティーが京都市内で開催され、公務職場をはじめ、教育、医療、福祉、建築、金属関係など様々な職種、職場から約200人の青年が集まりました。

自治労連からは約50人が参加、11月の青年部沖縄平和ツアーで広がったつながりを生かした参加も目立ちました。


京都自治労連 第1766号(2011年12月20日発行)より

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舞鶴市では、2校の給食調理業務を民間委託するとの方針が突然出され、今の市議会に民間委託にかかる債務負担行為の予算が上程されています。この方針が実行されると、来年度から全校が民間委託となります。

現在2校では、正規の調理員2人とOBの嘱託職員5名が勤務、定年まで仕事を続ける希望を持っています。それにもかかわらず舞鶴市当局は、11月24日になって急に、「来年度から働く場はありません。1月下旬には委託業者を決めてしまいます」というのが今回の事態です。嘱託職員には、その通知さえありません。一方で、両校の保護者には、来年度から委託するとの説明会を開催しているのです。

舞鶴市職労では、「今回の問題は労働条件のなかでも最も重要な雇用にかかわる問題です。それを、労使合意なしに議会に上程するなど看過できない問題」「こんなことを許せば、どの職場でも、ある日突然職場がなくなると通告され職場を奮われることになる」として、19日には2回目の交渉を配置。早朝宣伝を行い、「何としても白紙撤回を」と奮闘しています。


京都自治労連 第1766号(2011年12月20日発行)より

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年末確定では、自治体当局が労働組合と誠意をもって交渉することが求められています。労働条件切り下げ提案の場合は、特に時間をかけて交渉をおこなうことが必要です。ところが京丹後市では、労働組合とのまともな交渉も行わず、11月25日、合意のないまま議会へ一方上程の暴挙を行いました。
京都自治労連と都市職協議会は、11月29日、京丹後市職労とともに抗議の門前宣伝を行い、当局に対して緊急の抗議申し入れを行いました。また、市議会議長へも申し入れを行いました。

一方的不利益変更は許されない

朝8時からの早朝宣伝には、田村書記長をはじめとする京都自治労連執行部とともに、北部の都市職協議会の仲間も参加。出勤してくる職員に「おはようございます」と声をかけビラを渡すとともに、宣伝カーのマイクを握って、各単組の年末確定の状況も紹介し「一方上程の暴挙を許さない職場からのたたかいを」と呼びかけました。

緊急の抗議申し入れでは、京丹後市職労が10月25日に要求書を提出し、11月8日までに回答するよう求めてきたにもかかわらず、回答交渉を延期するなど交渉応諾義務を放棄し、何ら当局の責任を果たさない姿勢に終始したことを指摘。労基法では、労働条件の一方的な切り下げを違法、無効とし、民間でも「一方的不利益変更」が許されないのは明らかだと厳しく批判。給与改定条例案を取り下げ、白紙に戻したうえで、京丹後市職労との誠実交渉を行うよう強く申し入れました。

当局は謝罪と何らかの誠意を

対応した米田副市長は、「話し合いをしなければならないことはわかっている。放置はしていない。11月17日に考え方を示したのが回答だ」「タイトな日程とは認識していた」「努力はしたが残念」などと開き直りともとれる答弁。

これに対して組合側は、「全く反省していない。10月25日の要求書に対し、回答が11月21日。交渉結果を全組合員にはからなければならないのに、これではとても時間がない」「大変なことをした認識を持っているのか。どう解決するのか」を明らかにするよう求めました。また、舞鶴市職労、宮津市職、綾部市職労からも、各単組での経験などを紹介し、誠実交渉・労使の信頼関係・労使合意の重要性について強く訴え、京丹後市当局に給与条例改正案の白紙撤回を迫りました。

副市長は「納得ないまま議会に上程したことは問題で、今後このようなことがないよう意思疎通をはかる」と回答しましたが、謝罪文の要求には「検討する」との回答にとどまりました。

11月30日の市議会定例会では、議案に賛成する議員からも「手続きに問題がある」との意見も出されましたが、賛成多数で提案どおり可決されました。

京丹後市職労は、労使の信頼関係が崩れた責任は当局にあることから、当局からの「謝罪」と「何らかの改善」を求め団結を固めてたたかいを継続しています。


京都自治労連 第1765号(2011年12月5日発行)より

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