機関紙 - 組合活動カテゴリのエントリ
この10年間、構造改革の下での労働組合運動でしたが、10年の長さは一方で新しい流れもしっかりとつくってきました。構造改革とのたたかい、市町村合併や人員削減等、屈することなくとりくみ、たたかいを継続してきたことが、新しい時代を切りひらいていく出発点になっています。
東日本大震災、福島原発の状況の中で、民医連の寄せ書きに書かれた「力になりたい」という言葉に心を動かされました。あらためて大震災、福島原発の状況を見て、継続的にどれだけ支援していくのか、同時に身近にある福井の原発、京都での脱原発の動き、再生可能エネルギーへの転換と、新しい日本を切りひらいていく運動を自治体労働者こそがその責務を果たさなければなりません。
国家公務員賃金削減が簡単に政局がらみで見送られたが、自治労連に結集する公務労働者の運動と多くの住民が連帯してきたからこそではなかったか。高浜原発4号機がプルサーマルでの発電を見送るとした理由は「地元の状況から無理をしない」。京都自治労連の申し入れや舞鶴での原発学習会、こうした1人1人の力をしっかりと積み上げることが世の中を動かしていく、国の有り様を変えていく力になると実感できる時代に入ってきました。
長岡京市職労の機関紙「はじめの一歩」の名の通り、全力をあげ新しい時代を切りひらいていく先覚者に、一つひとつの取り組みが実現可能にしてきたことが私たちの確信になっている。力を合わせ皆さんの先頭に立って奮闘する決意を述べ、委員長就任の挨拶とします。今後ともよろしくお願いします。
京都自治労連 第1756号(2011年7月20日発行)より
長い間本当にありがとうございました。
1970年に就職し、最初労働組合はあまり好きでなかったが、市電撤去の問題で個人として「市電を守る会」に入り、その中で京都市を変えなければいけないと気づき、本格的に労働組合の活動を始めました。地区労の役員もし、右京での大争議の中で公務員と民間の違い、もっと公務員組合がしっかりしなければと思いを強くしました。
京都市職労本部役員時代は全戸配布や市民アンケートを始めた時期でした。なんとしても市長選挙に勝ちたいと、市電を守る運動の原点もあり、一生懸命やったことを覚えています。
労戦問題では分裂という厳しい状況を経験し、悔しい思い、情けない思いをしたが、正しい労働組合運動を京都市に残したいと奮闘しました。
長いたたかいの経過の中であらためて今の社会に労働組合は絶対に必要である、必然性があると確固とした確信として持っています。資本家の権力と財力は労働組合を変質させる可能性があるが、絶えず仲間を信頼し、議論し、学んでいけば問題を克服できると長い役員経験でつかむことができました。スクラムを強めていけば困難な状況も打開でき、よりよい職場や地域をつくれると思います。
新たな組織的前進、運動の前進を勝ち取り、自治体労働組合の新しい展望を見出す、生み出す力は皆さんの力だと思います。そうした前進に心から期待を込め、御礼の退任の挨拶とします。ありがとうございました。
京都自治労連 第1756号(2011年7月20日発行)より
京都自治労連 執行委員長
山村 隆
3月11日に発生した東日本大震災で被災された住民の方々や自治体関係者の方々に、心からお見舞い申し上げます。また、復興・復旧のために奮闘されている現地の自治体労働者に連帯の思いを強くするものであります。
京都自治労連は、いち早く東日本大震災の支援体制を確立し具体的な支援行動を展開しました。自治体からの行政支援に多くの職員が参加するとともに、京都自治労連の要請ボランティアには、6単組200人、支援カンパは1000万円を超えるものとなりました。改めて大きなご協力に感謝申し上げます。
今回の震災は、構造改革により過疎化と高齢化が進行し、買い物難民、医療難民などがすでに問題化していた農山漁村地域を直撃しました。「平成の大合併」で自治体が広域化し、職員が減少した被災地では、被害の掌握や支援物資の配給にも困難をきたし、阪神大震災と比べても、復興のテンポの遅さが多くの支援者から指摘されています。まさに、構造改革に重大な警告をもたらす大震災となりました。
原発の安全神話を信じ、電源立地交付金や電力会社の寄付金などに依存した地方財政、地域経済構造をつくっていた原発立地自治体は、大量の放射能漏れ事故による強制撤去という最悪の事態に見舞われました。こうした震災の教訓は、これまでのやり方や考え方を見直し、新たな一歩を日本は踏み出す必要があることを示しています。
しかし民主党政権は、震災前からの懸案であった、消費税率の引き上げを基調にした「税と社会保障の一体改革」、TPPへの参加、道州制をにらんだ「地域主権改革」を、大震災を機に、自民党との大連立も視野にいれ推進する構えであり、強い怒りを覚えます。
私たちは、この十数年「構造改革」による地域の疲弊、公務公共分野の破壊とたたかってきました。この一年のたたかいにおいても、国保実態調査や最賃・公契約運動で地域経済の活性化などをめざすたたかいを強め、ふるさと再生京都懇談会などたたかう自治研活動に取り組みました。また確定闘争や春闘で、非正規職員の待遇改善、マイナス人勧とのたたかい、不当な手当削減攻撃への反撃などで単組の交渉力を強め、自治体構造改革を跳ね返す力を強めてきました。青年部の力が強化され、組織拡大で新しい前進が始まっています。
激しい公務員バッシングの中、ここ数年われわれのたたかいは歴史的にも重要な段階に来ていると言えます。たたかいの中で、京都自治労連の団結と組織をいっそう強める方針を意思統一していただきますようお願いして、執行部を代表してのあいさつとさせていただきます。
京都自治労連 第1756号(2011年7月20日発行)より
今こそ京都自治労連の出番、 新たな挑戦で労働者の多数派を
方針提案を受けた全体討論では、15単組22人が発言。
東日本大震災の復興支援への積極的なとりくみ、組織拡大での成果と前進、非正規職員の処遇改善、地域経済・ふるさと再生、職場、地域からの共同、そして自治体労働者としての奮闘が大いに語られました。
脱原発・再生可能エネルギーへの転換を
未だ問題山積みも組織拡大で前進:京丹後市職労
合併後8年目だが人員削減による異常超勤、職員の3割超える管理職、派遣会社設立による給食の偽装請負、用務員の違法派遣など問題は何も解決していない。目標管理導入や節電名目のエアコン29℃設定などがトップダウンで行われている。
昨年から協約締結権回復を視野に組織拡大に努力。今年は新採41人中34人が組合加入。教訓は(1)丹念に職場を回ったこと、(2)3年目になったソフトバレーが、臨職も含め声をかけ職場で組合理解の良い機会になっていること。この成果を力に引き続き頑張りたい。
節電課題から働き方見直しへつなげる:府職労連
国公賃下げ反対の闘いでは、この間緊急署名や申し入れ等取り組み、未加入者含め1300超える署名に。
原発問題に関わっての節電課題について、昼休み時間変更の提起があり、4回の交渉を実施。その中で原発にたよらない社会づくりや、関電への対応を求めるとともにパフォーマンスでなく職場での議論が必要であると指摘。それによって職場独自の取り組みも行われている。超勤縮減・働き方の見直しにもつなげたい。
組織拡大も若干ではあるが昨年より前進。組織強化に奮闘したい。
本庁職場での組織拡大の必要性:福知山市職
1市3町の合併から5年が経過し、本庁職場の組織拡大の必要性を中心に執行部で再三議論した。全員加入めざし、新採職員の研修時に何度も顔を出し、くり返し組合の説明をし、今年16人中9人が加入した。採用3年目の職員も加入する経験も。
非正規職員の処遇改善も前進。通勤手当、一時金の本給化、長期休暇、育児休暇等の改善を勝ち取り、更に経験加算についても検討課題にすることができた。同時に嘱託職員5人の組合加入にもつながった。
公契約運動すすめ地域経済復興へ:京都市職労
公契約研究会を立ち上げ運動すすめてきた。到達点の1つは、3年前の市長選での時給1000円条例の反響から要求と運動をすすめたこと。2つは、カウンターを越えての運動から関連労働者の賃金にも目を向けたこと。調査活動や討議資料作成、中小企業同友会とのシンポジウム、建設関係者との懇談、アンケートにも取り組んだ。
市職労モデル案を作成、地域循環型経済めざす。市が労働者の賃金・労働条件確保する責務あり、民間・住民との共同に自治体労働組合が果たす役割は大きい。地域経済復興へ被災地でこそ公契約が必要だ。
自治労連結成宣言でも謳われている労働者と国民の利益を求め、反動勢力とたたかう運動をすすめよう。
非正規賃金改善勝ち取る:城陽市職労
昨年は「わたり」攻撃の中で賃下げ受ける結果に。一方でマイナス遡及阻止、住居手当廃止阻止など粘り強く闘った。嘱託職員協議会の運動で非正規賃金を0・5%改善させる成果に喜びあった。
1000時間超える超勤あり、健康・メンタル問題が深刻に。労安委員会の定期開催を約束させ、対策を前進させる。役員改選で20代の副委員長など執行部の3割以上が20代に。若い力で組合活動をすすめる。
青年部先頭に働きやすい職場づくりへ奮闘:精華町職
単組青年部のとりくみについて。今年の新採は19人とここ数年で最多。研修会場で加入を呼びかけ全員加入勝ち取り、組合全体の4分の1が20代に。
青年部では春夏秋冬の年4回大きな取り組みを企画。「組合とは何か」の学習会など多くの青年部員が参加してくれている。このことを確信に青年部独自の要求書作り、働きやすい職場作りへと青年部が先頭に立って奮闘したい。
被災地支援の経験生かす:宮津市職
復興支援のボランティアに参加。平成16年の台風23号災害で甚大な被害を受け、全国から多くの支援もらったこともあり6月7日〜11日まで陸前高田市へ支援に。水路泥上げ、個人宅の片付け、広報配布など活動した。被災地復興の兆しは見えるが、まだまだ支援が必要。今回の経験生かし、自治体労働者、自治体労働組合として住民のいのち暮らし守るため頑張る。
女性部のとりくみは元気いっぱい:京都市職労
女性部のとりくみ中心に発言。女性は集まれば元気。職場で増える非正規職員は大半が女性、改善にむけ取り組む。レクレーション、組織拡大として近江八幡水郷めぐり、浴衣着付けに取り組んだ。原発学習会では自治体職員として住民の安全安心守る役割の重要性感じた。女性保護アンケートは要求書づくりの参考に。
日本母親大会や平和・脱原発の取り組みを多くの女性と連帯してすすめたい。
一人一人の要求大切に男女とも働きやすい、イキイキと働ける職場めざし、市長選では住民のいのち、暮らし守るため頑張る。
「脱原発」へ大きな運動を:京丹波町職
組織拡大では合併以降、新採の8割を組合に迎えている。加入の理由は「夏休み増えて嬉しい」「スキル向上させたい」など様々だが頼もしい。オール京丹波めざし仕事と課題を分かり合うリレー講座を計画。
福島原発被害の双葉町と40年来の友好都市。不眠不休で働く職員思うと居ても立っても居られず現地に。住民からの感謝に逆に勇気づけられた。住民は国の原子力政策の犠牲者。戦後66年、原爆で苦しんできた放射能で今後さらに苦しむ。核廃絶をめざす中で原発なくせの声、今訴えずにいつ訴えるのか。大きな運動を。
市民要求に根ざした運動の重要性:舞鶴市職労
市民要求がどこにあるのか、地域ふるさとを守るために何をすべきか、考えていく必要があると市民アンケートを実施。1095通の回答を得た。市民の中に医療の充実や子育て支援、企業誘致などの要求があると分かった。
焦点になっている地域医療では、61%が医療体制が不足と感じ、43%が自治体病院は必要としていることが分かった。2月の市長選では子ども医療費助成の拡大や中学校給食の検討など市民要求の前進を実現。
与謝野では住民懇談会が開かれている。安心して暮らせる自治体行政がどうあるべきか考えていく。
賃金削減反対 民主的公務員制度の確立を
消防職員の「団結」の力は重要:宇治市職労
震災支援では4月22日から5月26日まで延べ127人がボランティアに参加。消防職員協議会の力大きく、114人の参加とともに現地への送迎など尽力いただいた。団結の力は重要。ボランティア参加者同士の懇談会も実施。
労働安全衛生活動の取り組みでは異常超勤への対応として委員会での当該管理職への意見聴取なども昨年行った。人間らしく働き続けられる職場作りへ重要な活動であり、今後も重視していく。
賃金リンク評価制度への方針補強を:綾部市職労
雇用と年金の継続図る制度づくりに向け、「定年延長」の議論がされている。綾部では再任用はいち早く条例化させたが希望者がいない。一般職、管理職の業務の問題や50代の給与水準保障、希望に応じた選択制、市民の理解などふまえた方針を具体化することが必要。
早くから賃金リンクの成果主義制度が導入されている。A〜Eの5段階でCが中央値で4号昇給、Bは6号昇給、最近A評価はなく、BCDの比率固定。人件費抑制には使わせていないが、一般職より管理職から廃止求める声多い。すでに導入されている単組についての方針補強を。
「はじめの一歩」の立場で頑張る:長岡京市職労
51人の小さな組合で、保育士と調理師が中心の組合。30代後半から40代の保育士が極端に少なく、世代間をつなぐことが大変。
組合加入者の多くが、「良い保育をしたい」「保育の勉強をしたい」という要求で加入している。また、組合で学習計画を立て、新システムの学習など保護者との共同した取り組みもすすめている。
OBの若草会のメンバーも元気いっぱい。結成の原点に戻り、機関紙「はじめの一歩」の立場で頑張る。
メンタルヘルス問題が大きな課題:向日市職労
市長選での支援に感謝。学校給食の民間委託では新たに一校を委託。正規・再任用の給食調理師は保育所へ、嘱託職員は雇い止めに。第3保育所は老朽化に伴い廃園、新たに民間保育所を開園と公的保育守る姿勢ない。
本庁の課題はメンタルヘルス。長時間労働・業務多忙化で展望見出せない職場環境で健康問題が深刻だ。管理職に職場状況を把握し、対処する力量がない。集団で仕事すすめる環境づくりすすめ、要求あげていく。
要求しつづけることが大切:大山崎町職
昨年10月の町長選は残念な結果に。新町長と交渉し、組合員の声を届けているが、人員削減が底をついており、物言えない職場になっている。
非正規の割合多く、保育所でも正規職員が一人もいないクラスも出てきている。非正規の処遇改善訴えてきたが、今年4月からクラス担任もつ臨時保育士の時給が組合と交渉せず上がったが、フリー保育士の時給上がらず、みんなで喜べない状況になっている。
採用の年齢制限が40歳までになり、長年常勤嘱託で働いてきた人が正採用になり喜んでいる。言い続けていくことが必要だ。
主体性発揮し成長促す青年部へ:府職労連
青年部として発言する。親組合と連携図りながら、主体性もって活動している。引き続いて指導と援助をお願いする。
沖縄平和ツアーは平和、基地問題だけでなく、地方自治についても深めた。スプリングフェスタには14単組から56人が参加。地元京丹波からは大勢の参加、伊根からも初めての参加があった。1人でも多くの青年部員に参加してもらうよう工夫していく。
東日本大震災への支援活動通じて自治体職員として力つけたい。組織全体について将来を見据えた活動をしてほしい。成長を促せる青年部活動を展開する。
賃金カットさせない 運動していく決意:宮津市職
ICP事業での虚偽報告で騒がせたが、人員不足とトップダウンが原因。組合活動では、春闘や夏季闘争など十分にはできず反省。秋闘は頑張る決意。賃金カット中で率の見直しを労使合意でと交渉し続けているが、一方上程されてきた。人件費8億削減を、根拠示さずに提案してきている。検証を求めていきたい。国公の賃金削減を持ち込ませないように、この大会で提案されたことを基に運動していきたい。
自治体病院・公的医療の役割果たす:京都市職労
4月1日から市立病院、京北病院が独法化。3万4千筆を超える反対署名の運動等の中で、自治体病院の役割明らかにさせ、京都市が財政措置に責任をもつ、賃金労働条件は京都市基準と大量に退職者出すことなく円滑に移行させた。
5万超える医療要求アンケートの8割が平等な医療を求めており、公的医療担う病院として役割果たしたい。看護師不足は深刻、多くが疲弊している。患者満足度も下がり悪循環。労働条件改善のとりくみを大きくしていく。市長選ではお金の有無で病院にかかれない状況なくし、市民の医療、命守る施策が充実するよう頑張る。
保育所の実態示し、昼休み確保・人員要求を:亀岡市職
亀岡の保育所では昼休みが30分しか取れない実態が30年以上放置されてきた。その代償として4千円の手当が出ていたが、年末の“ヤミ手当”に脅えた当局は廃止を提案。組合として昼休み1時間確保と人員増を要求。保育所の実態を把握しない当局に実態伝え改善迫っている。
正規職員への6時間分の超勤手当支給まで実現したが、引き続き非正規、臨時職員への適用や人員増めざして頑張る。各単組の協力をお願いする。
息の長い支援活動が必要:府職労連
府職労連の東日本大震災支援の取り組みを報告する。6月11日に集いを開催し、被災地で放射線の測定をした技師から発言があった。放射線の影響がどれくらい出るのか、いつになったら帰ることが出来るのかという質問に何も言えなかった悔しさを語っていた。
関西広域連合の動きでは、京都府は市町村との相談なしに滋賀と福島支援を勝手に決定した。
府職労連としてカンパ、バザーなどにも取り組んできており、今後も息の長い支援活動を続けていく。
市長選勝利へ政策づくりと運動すすめる:京都市職労
震災支援、原発問題を通じ、あらためて住民の命、暮らしを守る自治体の役割、公務労働者の役割が問われている。とりくみの一層の強化が必要だ。
市職労では公契約や連帯ひろばの運動に取り組み、京都駅周辺開発の研究会も立ち上げた。京都市内でも買い物難民が増えており、フィールドワークで実態調査。市長選に向けた政策づくりと運動に生かす。
市長は原発問題でも京都市には影響ない、原発廃止に反対、温暖化に有効など発言。住民の安心安全の視点から首長が反原発の声をあげるなか正反対の動き。施策点検では「市民の暮らし」の一言もない。市長選勝利、働きがいある市政づくりへ全力を尽くしたい。
京都自治労連 第1756号(2011年7月20日発行)より
本日、私たちは、第79回定期大会を開催し、東日本大震災からの激動の情勢のもと、代議員の活発な討論により、この一年間の活動を振り返り、新たなたたかいの方針を決定した。
今年3月に起きた東北太平洋沖の大地震、大津波、そして福島原発事故は、未曾有の被害をもたらし、日本社会のあり方を根底から私たちに問い直している。構造改革路線は、効率のみを追求し、市町村合併を推し進め、弱者を無慈悲に切り捨て、格差社会を拡大してきた。被災地の状況や全国からの震災支援の取り組みは、命のかけがえのなさと助け合いの大切さを私たちに教えてくれた。
民主党政権への国民のかすかな期待は、今や怒りへと変わっている。「国民生活第一」の看板は完全にはがれ、「大企業や財界のいいなり」「アメリカ追随で外交での存在感なし」に加え、与党内の政争や政権の頼りなさは、自公政権以上である。今や、「大連立」による消費税増税やTPPの推進も含めた悪政の強行も想定されている。これは、さらに国民要求との矛盾を拡大せざるを得ない。
本大会では、震災支援やボランティアの取り組み、国保実態調査や市民アンケート、「対話と提言」、「カウンターを越えて」等の取り組み、地域医療や公的保育を守る取り組み、非正規雇用職員の処遇改善も含め、賃金労働条件改善を前進させた闘い、核兵器廃絶、米軍基地問題などの平和運動、職場の安全衛生活動やレクレーション活動、青年部や女性部の活動の広がり、組合の信頼を高め組合活動と組合員拡大の前進、など、運動と組織の発展の展望が語られた。
悪政を食い止め、はね返す力は、国民の中に存在する。震災復興のあり方や「税と社会保障の一体改革」をめぐって、公務員制度改革や公務員賃金削減、地域主権改革や道州制をめぐって、憲法と米軍基地問題、「日の丸」「君が代」押し付け、原発とエネルギー政策をめぐって、民主党や自民党を操る大企業・財界の狙いを打ち破る国民的運動が求められている。脱原発へ国民の意識は大きく変化している。原発に頼らないエネルギー政策、地域再生にむけ、私たち自治体労働者の役割は大きい。住民の中に入り、住民と共に、財界や政権与党のまやかしの言論を打ち破る粘り強い取り組みと、地域から「ふるさと再生」「住民生活と地方自治の擁護」めざす流れを創り出し、誰もが誇りをもって働き続けられる条件をつくるために、全力を尽くす。
公務員の労働基本権、消防職員の団結権の回復、「公務員制度改革」、人勧制度廃止が政治日程にのぼる中で、組合の交渉力と団結力を強めると同時に、産別の力を強めることが、かつてなく切実に求められている。
私たちは、東日本大震災後、日本社会のあり方が問われている今、「住民の繁栄なくして自治体労働者の幸福はない」「すべての自治体公務公共労働者の要求実現と団結の母体」という立場をあらためて確認し、本大会での確信を全組合員に広げ、団結を強め、仲間を増やし、安心して働き続けられる職場、住民福祉の向上と住民生活擁護のため全力をあげる。
以上、宣言する。
2011年7月14日
京都自治体労働組合総連合 第79回定期大会
京都自治労連 第1756号(2011年7月20日発行)より
震災復興支援の継続・強化を
15単組22人の発言があった。
成果主義賃金導入単組への方針強化について、まずは賃金リンクを直ちに止めさせることを一番に、成果主義賃金は仕事を進める上で望ましくないという庁内世論づくりを。職場の実態をつかむ、アンケートなど職員の意見を聞くことが大切。成果主義を導入させていない単組との交流も大いに図っていくことが必要。
青年からの発言が多くあった。これからの明るい展望を示しているのではないか。
震災支援について、行政支援やボランティアに行った人たちが支援先で自治体とは何か、自治体労働者とは何かを考えさせられたと話している。京都に戻り、自らの自治体で何ができるのかを考えていくことが必要。宇治や京都市、府などで業務やボランティアで派遣された方々の報告会や懇談会が開かれているが、自分たちの自治体でどう生かしていくのかを考えるためにも重要なこと。すべての単組で報告会、懇談会を行う機会をつくってほしい。京都自治労連として被災地支援を継続していくので協力をお願いする。
賃金権利について、今年は人勧が遅れる。労働基本権の回復の課題もあり、今年の賃金闘争はいつもと違う闘争になる。定年制延長について、今年の人勧で意見具申されるため、京都自治労連としての方針の具体化が迫られている。内容に関すること等、情報が入れば素早くお知らせし、学習資料も作成・提供していく。各単組でも議論をお願いする。
メンタルヘルス、労働安全衛生については方針強化していきたい。組合から職員の健康守ることは当局責任であることを強く要求していく、正していくことが大切。労働安全衛生委員会で組合側の意見をきっちりと言い、それを全体に反映させる取り組みが必要。職場からの運動が大事だが、NPO法人のEAPを活用し、組合としてどうしていくかという相談に応えていきたい。
京都市長選挙は、京都市だけの課題とせず、全府下、日本に影響を与える大切な選挙と位置づけ、住民の暮らしを守る自治体をつくることは住民の幸せを守ることにつながるという視点で、力を合わせ市長選勝利めざして奮闘したい。
組合があることの意義仲間増やし協力を
「自治体労働者の権利宣言」には自治労連運動の先駆性が示されている。第8条は意見表明権。組合があって、職場で意見が言える。おかしいことはおかしいと言えるのは組合があってこそ。そのことが住民の権利や生活を守るためにも重要になる。人数が少なくても組合がある、もの言う組合があることは決定的に重要なこと。
組合員が減って元気をなくす時もあるが、組合があることでものが言えることを大切にし、少しずつでも仲間を増やして協力し合い元気を出して頑張ること。交渉力の強化が組合の力をつけるが、その前に数の力がある。横の連携を生かし、青年部の力を借りる、地域の中で一緒に取り組むなど、連携強め仲間を増やすという点を強調したい。
新たなスタートとして力を合わせ頑張っていこう。
京都自治労連 第1756号(2011年7月20日発行)より
京都自治労連が毎年行っている“祇園祭うちわ宣伝”を定期大会の前日となった7月13日に実施。
今年は、「なくそう原発」のスローガンも入れました。東日本大震災の影響でボール紙のうちわになり、受け取りを心配していましたが、例年通りの抜群の受け取りで四条烏丸交差点に憲法うちわがあふれました。
京都自治労連 第1756号(2011年7月20日発行)より
福島原発事故の出口が見えず、ますます混迷を深める中、世界一原発が集中する福井県若狭地域に隣接する京都北部地域では、原発問題と安全対策は住民のいのちに関わる重大な問題となっています。こうした中、6月25日、京都自治労連は北部原発学習会「原発問題と自治体の役割」を開催しました。
当日は、地元紙への案内ビラの折込みで「学習会」を知った市民も多く、全体で83人が参加。熱心に講師の話に聞き入りました。
巨大な原発を前に恐怖を実感
午前中は、午後からの学習会に先立って、「大飯原発・高浜原発現地見学会」が行われ14人が参加。現地見学会には、午後の学習会の講師をお願いしている山本雅彦さん(原発問題住民運動全国センター代表委員)も同行。大飯原発の隣接する「エル・パークおおい」(大飯原発のPR館)で実際の原子炉格納容器を3分の1スケールで再現した模型を使っての、原子力発電の仕組みについて説明を受けました。
原発の外観を見る事が出来る高浜原発に移動。山本さんから、高浜原発の特徴や、福島原発事故と比較して、地震・津波対策、外部電源問題などの問題点などを分かりやすく説明を受け、改めて、まともな地震・津波対策がほとんどなされていない事がよく分かり、参加者は、巨大な原発を前にその危険性を再認識しました。
ガン死亡者の予測数にどよめき
午後の学習会では、日本科学者会議京都支部事務局長の宗川吉汪氏(京都工芸繊維大学名誉教授)が講演。若狭湾の原発群の現状や、これまでの度重なる事故の中には、あと一歩で重大事態になっていた事故もあることを明らかにしました。
また、福島原発事故による集団被曝線量リスクについて、米国の科学者の追跡調査に基づく試算から、福島市全体で被曝によるガン死亡者は1160人、小学生以下では650人になる試算が示され、会場からどよめきが起こりました。
宗川さんは、たまり続ける使用積み燃料の処理方法が確立されていない問題などを明らかにし、“許容量はゼロ”だと厳しく批判しました。
自治体の役割については、エネルギーの民主化、送電と発電の分離、自然エネルギーの活用、原発の監視とともに、自治体におけるしっかりした防災計画の確立と、住民への周知、訓練、学習の重要性を強調しました。
原発交付金がまちを歪める
続いて、原発銀座といわれる福井県の現状について、山本雅彦氏が報告。山本氏は、かつて自身が原発労働者であった事にも触れながら、莫大な原発交付金で産業構造が歪み、ものづくりが衰退している実態や、自治体財政が歪んでいる実態を、原発を誘致している高浜町や大飯町と原発を誘致していない小浜市との財政指標の比較を行いながら明らかにしました。
また、小浜市議会で、「原発からの撤退を求める」意見書が全会一致で採択された変化にも触れながら、原発に変わるエネルギー獲得へ、産業・まちをいかにつくるかを真剣に模索する時代がきていると自治体の役割を強調しました。
参加者からは、「聞けば聞くほど危険な事がよくわかった」「もっと学習が必要、もっと市民に知らせてほしい」などたくさんの声が寄せられました。
京都自治労連 第1755号(2011年7月5日発行)より
年収200万円以下の労働者が4人に1人と広がり、平均賃金は10年間で55万円も減少しています。
京都府の最低賃金は時間額749円で、年間2000時間働いたとしても、年収にして約150万円にしかならず、憲法25条に保障された生活を送ることは困難です。
3月11日の東日本大震災以降、福島第一原発事故も重なり、景気や消費の落ち込みが懸念される一方で、公務員賃金削減や消費税増税など内需拡大を一層困難にする動きが出ています。こうした動きではなく、産業・雇用対策の中に最低賃金改善を据え、最低賃金を中心とした賃金底上げを図ることが経済を建て直し、復興・生活再建へとつながると声をあげていきましょう。
当面の行動
7/12(火) 京都労働局要請行動
7/27(水) 京都労働局要請行動・デモ
7/28(木) 全国最賃デー中央行動
最賃署名にとりくもう
京都自治労連 第1755号(2011年7月5日発行)より
福島から全国から2万人
7月2日、東京・明治公園が人、人、人でうめつくされました。
「『原発ゼロ』をめざす7・2緊急行動集会」には、2万人を超える人々が全国から参加。「今日を契機に、『原発ゼロ』をめざす大運動を開始しましょう」とするアピールを採択。
終了後、プラカードやグッズをもってパレードしました。京都自治労連からは山村委員長と尾崎副委員長、府職労連から増田書記次長が参加しました。
京都自治労連 第1755号(2011年7月5日発行)より