機関紙 - 組合活動カテゴリのエントリ
大学で映像関係を専攻し映画やイメージ映像などを撮っていたDさん。「好きなことにのめりこんでしまう性格で、撮影や編集で昼も夜もない生活でした」と当時を振り返ります。これが原因で体調を崩してしまった時期もあり反省してると照れ笑い。
コロナの影響もあり、就職活動は苦労しました。そんな中、両親や親戚から「公務員の仕事は住民に役立つこと」と聞き興味を持ちました。「南山城村が職員募集していることをネットで見つけピーンときました。
子どものころ両親と一緒にお祭りを見に来たり、お茶を買いに来たりしていたので村を身近に感じ、慌てて公務員試験の勉強をしました」と就職までの経緯を話します。
現在、税住民福祉課で法人税などを担当。「税金のことは何も知らなかったので、必死で勉強しています」とDさん。先輩のアドバイスがうれしいと話し、「先輩は優しくて、職場も和気あいあいとしています。ここに就職してよかった」と充実している様子です。また、役場に訪れた住民から声を掛けられる先輩の姿をみて住民との距離の近さを感じています。
「早く顔を覚えてもらい、住民に信頼される仕事がしたいです」と頑張っています。
京都自治労連 第1989号(2022年8月5日発行)より
憲法をめぐる情勢が緊迫
7月10日に行われた参議院選挙では、自民、公明、維新、国民民主の改憲勢力の議席が3分の2を超え衆参両院ともに3分の2を超える事態となり、憲法を守るたたかいがますます重要となっています。岸田首相は、選挙後の記者会見で、「出来るだけ早く改憲発議をしたい」と公言しました。
しかし、選挙後の世論調査でも明らかなように、国民は改憲を望んで投票したのではありません。
時事通信社が投票日10日に出口調査で行ったアンケートでは、有権者が最も重視した政策は「景気・雇用対策」30.2%、「年金・医療・介護」15.7%で、「憲法改正」は4.7%しかなく、国民は、改憲への"信任"を与えたわけではありません。
また、亡くなった安倍元首相の「国葬」を9月27日に行うと閣議決定し、国民に弔意を押し付け内心の自由を踏みにじるやり方に疑問や反対の声が広がっています。
さらに、「霊感商法」など反社会的な活動で被害を広げてきた旧統一協会(現世界平和統一家庭連合)と自民党との密接な結びつきが次々と明らかになっています。警察行政を所管する二之湯国家公安委員長や自衛隊を束ねる岸防衛相など現職閣僚が相次いで旧統一協会や関連団体との関係を認めています。
ところが自民党の茂木幹事長は、「党としてはいっさい関係ない」と開き直り調査すら拒否。国民からは、「自民党は旧統一協会との関係を全て明らかにせよ」「議会制民主主義の根幹にかかわる問題だ」と怒りが広がっています。
京都自治労連 第1989号(2022年8月5日発行)より
「核兵器廃絶を願う職場の声を被爆地に届けよう」の京都自治労連の訴えには、今年も、「職場の昼休みに職場の仲間と」「家族で子どもたちの協力も得て」などたくさんの組合員が参加。
広島・長崎の被爆地へは、合わせて1万5千羽の折り鶴を送ることが出来ました。
京都自治労連 第1989号(2022年8月5日発行)より
かわむら・まなぶ=
1969年生まれ。吹田市役所勤務を経て、1999年から弁護士登録(大阪弁護士会)。主に、非正規労働者の問題や保育問題に取り組む。
2009年から自治労連全国弁護団事務局として活動。
日本労働法学会会員、関西学院大学非常勤講師
"誇りと怒り"を集めて
会計年度任用職員の処遇改善を
会計年度任用職員制度が始まって2年が経過しました。しかし、賃金・労働条件の抜本的改善とはほど遠く、雇用不安から解消されることはありません。自治労連は今、「誇りと怒りの"3Tアクション"」運動に取り組んでいます。自治労連弁護団で会計年度任用職員制度の問題を主に担当してる河村学弁護士にお話を伺い、制度の現状や今後の取り組みについて語っていただきました。
――会計年度任用職員制度が始まって2年が経過しました。この制度の下で、当該職員の置かれている現状はどの様になっているのでしょうか
会計年度任用職員制度導入によって、非常勤職員の手当や処遇の改善につながると宣伝されていましたが、現状としては、一定の処遇改善がされたというところもありますが、状況は変わらない、又は逆に賃金が下がったというところも出ているのが実態です。
2020年12月に総務省が実態調査を行っていますがその中でも、フルタイムだった人がパートに置きかえられている、期末手当が支給されるようになったが、その分時給が減らされているなどの実態が報告されています。
こうした実態を受けて総務省は、「会計年度任用職員制度の適正な運用等について」との通知を何度か出していますが、なかなか改善されていません。
また、公務非正規女性全国ネットワーク「はむねっと」という団体がアンケートに取り組んでいますが、その中では、「三人に一人が主たる生計者」「年収200万未満の人が全体の5割弱」との結果が報告され、将来の不安では、「更新時に雇止めされるかもしれない不安から、メンタルの不調がある」「長期に働いていた人も更新されない」など会計年度任用職員の悲痛な声が紹介されています。
さらに、この制度は、今年度末で導入から3年になります。多くの自治体が、3年経つと公募による採用を実施するとしているため、非常勤職員を含め長期間就労してきた人も雇止めに遭うのではないか危惧されます。
――民間の非正規労働者に設けられている制度が、公務には適用されないと聞きますが、どのようなことでしょうか
いわゆる正社員と、有期・パート、派遣で働く非正規労働者との処遇格差については、それがワーキングプアや子どもの貧困などにもつながっているとして社会問題化し、労働組合も含め社会運動が高揚する中で新しい制度を勝ち取りました。
その一つが、2012年の労働契約法18条により創設された有期雇用から無期雇用への契約転換制度です。有期労働契約が通算5年を超えて更新された場合、その労働者から申し込みがあれば、期間の定めのない無期雇用契約に転換するルールを企業に義務付けました。5年という期間は長いですが、雇止めの危険から解放され、雇用の安定を図ることができるので一歩前進と言えます。以前から存在していた雇止めを制限する規制(同法19条)とあいまって雇用の安定が図られるようになっています。
もう一つは、労働契約法20条(現在はパート・有期法8条、9条で規制されています)で、正社員と有期契約社員の労働条件を比較して、不合理な格差を設けてはならないという規制です。この規制に違反しているとして、いくつもの裁判が提起され、例えば、日本郵便の契約社員らが争った裁判では、最高裁で扶養手当や年末年始手当、夏期冬期休暇、住居手当などを支給しないことは不合理だとする画期的判決が勝ち取られました。最高裁が、非正規労働者に公正な処遇が行われていないことを正面から認め、損害賠償という形ではあるにせよ、その救済を図ったというのは戦後初めてのことです。
しかし、これらの法規制は、公務員には適用除外とされています。国・自治体はこのような制度がなくても適切な運用がなされるものと考えられているようですが、実態としては先ほどのとおり、「規制がないから行わなくていい」という姿勢でひどい運用を続けているのです。その結果、会計年度任用職員は、何年たっても有期雇用のままだし、いつでも雇止めされる不安を抱えながら就労しなければなりません。また、正職員との処遇格差を埋める法的規制がないので、自治体は会計年度任用職員の処遇を不公正なままにしておくことができてしまっています。しかも、会計年度任用職員は一般職公務員と位置づけられたため、従前の特別職非常勤職員のように労働委員会を活用して争うこともできなくなりました。
会計年度任用職員は、法的に言えば、日本で最も権利が剥奪され、虐げられた労働者と言えるのではないでしょうか。
――会計年度任用職員の処遇改善をすすめる労働組合の役割について
今、国が進めているのは、自治体のDX化であり、公務の民営化、公務の切り捨てです。その過渡期的存在として会計年度任用職員制度を導入して、首を切りやすく、問題があっても裁判に訴えられにくい、争えない制度を導入したと言えます。
政府・財界の攻撃は、一番弱いところに攻撃を仕掛けて、分断を図り、切り捨てるのが特徴です。ですから今求められているのは、正規職員も含めて労働組合として会計年度任用職員の雇用継続や処遇改善を組合の重点課題として取り組むことです。
紹介しましたように、裁判でたたかいにくい制度になっていますから、労働組合を大きくし職場でたたかう力を強くして、最終的には政治的に決着をつけることで解決を図ることが必要ではないでしょうか。
私は、弁護士として公務や民間の非正規労働者の裁判にもいくつか関わってきました。そのたびに「消えることのない雇用不安、同じ仕事をしても3分の1の賃金」「虐げられた労働者の声を聞こうとしない裁判所」こんな理不尽を許すことはできないという怒りがわいてきます。それこそ、"誇りと怒り"です。
会計年度任用職員の皆さん、労働組合の皆さんと力を合わせて、会計年度任用職員の雇用を守り処遇改善をすすめたいと思います。ご一緒に頑張りましょう。
京都自治労連 第1989号(2022年8月5日発行)より
●日時:9月4日(日)10時30分開会
●会場:朽木こがわ渓流センター(滋賀県高島市)
●参加費
大人(中学生以上)3,000円
小学生1,000円
小学生未満無料
●定員:250名 ※申込超過の場合は抽選となります。
●申込/企画詳細
各組合役員または各組合書記局までお問い合わせください。
新型コロナ感染状況によって中止となる場合があります。
京都自治労連 第1989号(2022年8月5日発行)より
京都最賃署名提出行動
7月20日(水)12:20 御射山公園集合
烏丸御池までデモ
京都労働局へ
請願署名提出
最賃1500円署名を急ごう
京都自治労連 第1988号(2022年7月5日発行)より
7月10日投開票で参議院選挙が行われます。今度の選挙は、暮らしと平和がかかった選挙です。賃金引き上げ・消費税減税で国民生活を守るのか、大企業・富裕層優遇を続けるのか。「憲法を生かし、平和を広げる国」を歩むのか、「改憲して戦争する国」になるのかが問われる選挙です。必ず投票に行って政治を変えましょう。
暮らし(経済・賃金)
賃金が上がる普通の国へ
最賃1500円実現を
日本では、この25年間に年間賃金が61万円も下がりました。日本は、OECD諸国が賃上げを行う中で、唯一賃金が上がらない異常な国になっています。
これでは、消費が冷え込み地域経済はますます深刻になります。今こそ政治の力で、賃金が上がる国、8時間働けば、普通に生活できる国に変えることが必要です。
その要は、政府が中小企業・小規模事業者への直接支援とセットで、最低賃金を1500円以上に引き上げることです。一時間あたりの最低賃金では、日本が930円、イギリス1520円、ドイツ1680円、フランス1521円。アメリカでは1950円に引き上げる法案が提出されています。今度の選挙で、賃金が上がる、最低賃金を1500円以上に引き上げる政治に変えましょう。
消費税5%への減税公務公共の充実を
異常円安と物価高騰を招いた大きな原因が、アベノミクスによる異次元の金融緩和です。輸入品や生活必需品の高騰を招き、国民生活を苦しめています。これから秋にかけて、さらに物価の高騰が続くと言われています。今こそ、アベノミクスの継続ではなく、消費税を5%に減税し暮らしを応援する政治が必要です。
新自由主義に基づく「構造改革」で、暮らしを支える社会保障や公務公共の役割が後退させられてきました。医療、社会保障の削減は、コロナ禍で救えるいのちが救えない事態を招き、保健所をはじめ多くの公務労働者に過労死ラインを超える過酷な労働を強いています。
公務公共の役割を充実させ、暮らしにやさしい政治に今度の参議院選挙で変えましょう。
平和
日本を戦争に導く
憲法9条改憲反対
ロシアによるウクライナ侵略は絶対に許せません。京都自治労連の仲間は、ロシアは「直ちに撤退を」「国連憲章を守れ」と府内各地で訴えてきました。ロシアの侵略を口実に、自民党や維新の会などは「敵基地への先制攻撃」「軍事費を5兆円増やせ」と軍備の増強を主張し、その障害となる憲法9条の改悪をすすめようとしています。5兆円の半分で大学の授業料無償化と小中学校の給食費無償化が実現できます。
さらに、安倍元首相や維新の会は核共有まで言い出しています。日本が軍拡をすすめれば、相手も軍拡を加速し「力対力」の悪循環に至り戦争につながります。
第2次世界大戦で当時の自治体労働者は、住民を戦場に駆り出すための「赤紙」(召集令状)の配達や召集のための住民情報の提供をはじめ、住民を戦争にかりたてる役割を担わされました。そのような歴史を二度と繰り返してはなりません。
今、日本の政治に求められているのは、憲法9条に基づいて戦争を防ぐための外交に知恵と力を尽くすこと、核兵器禁止条約に参加することです。
自治体労働者の願い実現へ 投票に行こう
「住民のために役に立ちたい」という私たち自治体労働者の願いを実現する大前提は平和です。選挙は暮らしをよくしたり、賃金を上げて安心して働ける職場にしていく私たちの願いを実現していく機会です。
みんなで政治と仕事を語り合い、大切な一票で政治を変えるためにも、必ず投票に行きましょう。
京都自治労連 第1988号(2022年7月5日発行)より
8月4日から9日まで、原水爆禁止2022年世界大会が3年ぶりにリアルで開催されます。
京都自治労連の仲間は、平和行進や京都原水協の全自治体への申し入れ行動、学習会や街頭宣伝行動など、梅雨の雨や暑さのなか奮闘しています。
6月21日には、全国からの平和行進が滋賀県から京都府に入り、各地を「核兵器廃絶」「日本政府は核禁止条約を批准せよ」と訴えて行進し、26日には奈良県へ引継ぎました。
26日の精華町役場を出発して奈良県までの平和行進には、精華町職の柴田一平書記長が小学生の2人のお子さんと参加。「ウクライナの報道に、子どもたちに戦争をどのように理解させたらいいのか悩みます。平和な世界にしたいですね」と話してくれました。
原水爆禁止世界大会へ単組からの代表派遣、願いを託す折り鶴運動に参加しましょう。
京都自治労連 第1988号(2022年7月5日発行)より
今月10日投開票で参議院選挙が行われている。参院選は政権選択選挙ではないが、衆院選が昨秋に行われたことを考えれば、参議院でどの様な政党間状況が作られるかによるが、岸田総理が衆議院を解散しない限り今後3年間は安定した政権運営が可能な期間を迎えることになる。その意味で今回の参院選は2020年代前半の日本の今後を左右する大事な選挙となる。
改憲勢力が3分の2以上を占めることになれば、憲法改正に向けた議論が加速するだろう。また、憲法9条を持つ国の安全保障政策はどうあるべきなのか。さらに、コロナ禍でその矛盾が露呈した新自由主義的施策と決別することが出来るのか、などのことが私たち主権者に鋭く問われている。
憲法は12条で「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」としている。まさに、主権者として「投票に行こう」「投票に行って政治を変えよう」ということではないのだろうか。(F)
京都自治労連 第1988号(2022年7月5日発行)より
自治労連本部が提起した会計年度任用職員へのアンケートの取り組みは、「かわいいアンケート用紙でとっつきやすい」「これだったら話がしやすい」と好評です。会計年度任用職員のみなさんとのつながりをつくり、賃金労働条件を抜本的に改善しましょう。
一般行政の4割が会計年度任用職員の自治体も
新自由主義にもとづいた、自治体アウトソーシングがすすめられ、職場では正規が減り非正規が増える状況が作られてきました。現在、正規公務員約314万人に対して会計年度任用職員は約62万人。女性が約8割を占め、一般行政部門の4割が会計年度任用職員という自治体もあります。いまや、会計年度任用職員の人たちの力がなければ仕事は回りません。
実態は大変厳しい状況
会計年度任用職員の人たちの雇用や賃金労働条件は、住民生活の守り手である自治体労働者にふさわしいものでなければなりませんが、その実態は大変厳しい状況にあります。
京都自治労連2022春闘アンケートでは、ダブルワークを考えていない人はわずか27.2%。賃金の引上げを求める声は71.1%に上っています。3人に1人が「雇用契約が更新されないのではないか」と不安に感じ、17.5%の人が不払い残業まで強いられる一方、77.8%の人が「仕事のやりがい」を感じています。「ボーナスを支給されたが代わりに月2万円給与を減らされた」「残業代がないから勤務した時間を休みとして消化するように促される」「正規職員にある休暇が少ない・全くない」など、切実な声が寄せられています。
各地で取り組みはじまる
会計年度任用職員制度は、自治体で働く非正規公務員の「処遇改善」を目的に2年前に導入されましたが、自治体間での格差は解消されず、逆に労働条件が悪くなったケースも生まれています。
自治労連は会計年度任用職員の雇用の安定と処遇の改善を全国で取り組んで実現しようと、『誇りと怒りの"3T"アクション』を提起しました。まずは、会計年度任用職員の声を集め実態を明らかにしようと、「いまだから聴きたい!"誇りと怒り"の2022アンケート」が始まっています。こうむ公共舞鶴支部では舞鶴市職労の力も借りて取り組むことを決定、伊根町職では町職の役員が配布し、さっそく回答が寄せられました。
この運動は、地方自治を守って住民本位の行政を実現するための運動そのものです。正規も非正規もつながって組合の仲間を増やして立ち上がりましょう。
京都自治労連 第1988号(2022年7月5日発行)より