機関紙 - 組合活動カテゴリのエントリ
新型コロナ感染症が拡大するもとで、PCR検査が受けられない事態が起こり、多くの国民が普段その存在をあまり意識してこなかった保健所の体制が非常に脆弱であることが明らかとなりました。
連日、過酷な難務に従事
コロナ対策の最前線に立つこととなった全国の保健所職員は、PCR検査の相談、入院のあっせん、検体搬送、感染者の追跡(サーベイランス)など、国民の命を守るために連日、過酷な難務に従事しています。しかし、その不眠不休の奮闘にもかかわらず、「保健所にかけても電話がつながらない」「PCR検査が受けられない」など文字通り現場はパンク状態に陥り、保健師をはじめとする職員の懸命の奮闘が続いています。
半減された保健所
地域の感染症対策の拠点である保健所は、1990年代の地域保健法による「業務効率化」と、2000年代の「地方分権改革」による国の責任後退のなかで、保健所数は850カ所から469カ所にほぼ半減、職員数も7000人減らされてきました。(グラフ参照)
政府がこの30年間、保健所と職員を減らし過ぎたことが、今日の事態の最大の要因であることは明らかです。また、各都道府県の衛生研究所の予算・人員も抑制されてきました。
こうした公衆衛生行政の削減は、国民のいのちと健康をないがしろにしていたことを、コロナ危機は明らかにしました。
京都自治労連 第1971号(2021年2月5日発行)より
新型コロナ感染拡大が続く中、職場閉鎖や時短営業などで解雇やアルバイト先が見つからず生活に困窮する労働者や学生が急増しています。
このような事態に、なんでも相談会や食料品提供の取り組みが京都市内の各地で行われ、どの会場も多くの方が訪れ連帯の輪が広がっています。
生活相談には、「コロナ禍でシフトが減って月収2万円減で苦しい。子どもが熱の時は代わりの人を自分で探さなければならない」(38歳シングルマザー)、「ホテルで働いていたが閉鎖され失業。スーパーでバイトしているが、月収は5万円ほど親の年金も月10万円」(54歳女性)、「夫婦ともに飲食店で勤務。コロナで給与が減額され生活が苦しい。会社が雇用調整助成金の手続きをしてくれない」(37歳女性)、「バイトが減り、貯金もなし。着ている服はもらいもの」(大学中退 男性)など、深刻な実態の声と相談がいっぱい寄せられています。
上京区で行われた「食料支援プロジェクト」には、府職労連の青年部も参加しました。
青年の悲壮な実態に驚き…改善策を住民と一緒に:京都府職労連 青年部 Fさん
食料支援プロジェクトに初めて参加。学生など、たくさんの方が来られて驚きました。
学生から話を聞かせていただくと、「授業がオンラインで、学生同士の交流もない。この先もどうなるのか不安」、「欧州への留学と航空関係への就職を考えていたが、コロナで人生設計が白紙になってしまった」など将来を描けず、悲壮な状態を感じとれました。具体的に話を聞く中で、コロナ禍の実相を知ることができました。
今後は自治体の労組としても、もっと学生含めた住民の声を聞き、できることを住民と一緒に考えていく機会を設けていければよいと思います。
京都自治労連 第1971号(2021年2月5日発行)より
京都市の門川大作市長は、コロナ禍で市民の生活と営業が本当に大変な時に、市民サービスを削減し、市民に財政負担をさらに押し付けようとしています。
門川市長は、「国基準以上」「他都市並以上」の市民生活にかかわる事業を全般的に見直そうとしています。
狙われているのは、「くらしを支えるもの」ばかり。敬老乗車証見直し、国民健康保険料の値上げ、小学生の虫歯治療費無料の有料化、保育料の値上げなどで、市民にとって大問題です。
そもそも、当初の計画の倍以上かかった地下鉄建設(8500億円)をはじめとした大規模公共工事が財政圧迫の原因です。ところが門川市長は、今後も北陸新幹線やリニア、堀川地下鉄バイパスなど、大型投資はそのまま進めようとしています。
大型投資を見直すとともに、財政難を口実に市民に犠牲を押し付けるのではなく、国に地方交付税の増額を求めるべきです。「コロナ禍、暮らしを支える施策こそ充実して」の怒りの声が広がっています。
京都自治労連 第1971号(2021年2月5日発行)より
1月22日、核兵器禁止条約が発効しました。この条約では、核兵器を使うことや持つことだけでなく、作るための実験や製造、核兵器の使用を盾に脅すことなどが国際ルールに反する「違法行為」になります。
これは、最も残虐な殺戮兵器である核兵器が国際法によって禁止される歴史的な一歩であり、核兵器のない世界の実現に向けた大きな前進です。
「ヒバクシャ署名京都の会」は同日、円山公園で発効を祝うアピール集会を行いました。
『京都自治労連』の新年号に登場していただいた花垣ルミさん(京都原水爆被災者懇談会世話人代表)が「核兵器廃絶の入り口まできた。日本のドアも何としても開けたい」と決意を述べました。
また、清水寺での「6・9行動」を50年以上続けている京都教職員組合の役員で被爆二世でもある堀輝美さんらが、決意を述べました。
京都自治労連は、「日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名」に取り組んでいます。組合員の皆さんの積極的なご協力を呼びかけます。
京都自治労連 第1971号(2021年2月5日発行)より
大河ドラマで話題の亀岡市。亀岡城跡を中心に広がる住宅街には、昔の城下町にあった町屋が残っています。
この地域の町屋は京都で一般的な平入町屋と、農業や作業場、倉庫などで使われる妻入町屋が混在しているのが特徴だそうです。建物の出入り口の向き(配置)の違いだそうですが、城下に多くの農家があったことがうかがえます。
京都のベッドタウンとして新しい家々が増えていますが、今でも亀岡市は京野菜の一大産地です。府内だけでなく大阪や兵庫のスーパーでは京野菜コーナーが常設されているほど人気です。
訪れたときは、聖護院だいこんとかぶ、花菜が店先に並んでいました。聖護院かぶは、千枚漬けなど漬物にかかせません。大きいのを選んでかぶら蒸しもいいですね。
京都自治労連 第1971号(2021年2月5日発行)より
きょうざき・みさお=
2011年 総務部長
2013年 理事・人事部長
2017年 常務理事
2018年 専務理事
京都地方最低賃金審議会委員
丹後地域戦略会議委員
与謝野町行政改革推進委員会委員
公益財団法人 京都府丹後文化事業団理事
近畿しんきん健康保険組合監事
コロナ禍"今頑張らなければ"と奮闘する地元密着の金融機関
新型コロナウイルス感染拡大が京都府北部にも広がり、地域経済が大打撃を受けています。経済と暮らしを守る懸命の取り組みが行われています。「あの人に会いたい」今回は、苦境にある地域の中小企業・業者に寄り添い奮闘されている京都北都信用金庫の専務理事、京崎 操さんを訪ねてお話を伺いました。
――新型コロナ感染拡大は、京都府北部の地域経済にどのような影響を与えていますか
京崎 京都府北部の経済は大変深刻です。丹後ちりめんの生産は、最盛期の100分の1以下ですが、昨年の4月以降は、展示会も出来ずなかなか売れない事態に。また自動車部品を中心とする機械金属は、自動車販売の減少で受注が減っています。
観光業は、たくさんのインバウンドで、地域経済をけん引していましたが、コロナ感染拡大でストップ。昨年7月のGoToキャンペーン開始以降、観光客が押し寄せて、京丹後市では10月は203%(昨年同月比)の宿泊数が、11月にカニがスタートするとさらに伸びて「1月には、300%に」と期待が膨らみましたが、12月27日でGoToキャンペーンが中止、いま大変な事態になっています。
京丹後市内の37軒の旅館やホテルに問い合わせたところ、今年4月までの予約のうち、2万1千件、7万人のキャンセルがあり、何と17億円の損失とお聞きしました。
旅館やホテルでは、カニシーズン(11月〜3月)の売り上げが一年の収入の大半を占めており、廃業が出るのではないか心配です。
また、丹海バスは、北部地域の路線バスだけではなくカニシーズンの高速バス、天橋立の周遊船やケーブルカー、レストランなど北部観光を支える大きな企業ですが、路線バスと一部の高速バスを除いて、現在はみんな止まっています。
さらに舞鶴では、JMU(旧日立造船)の撤退問題があり、下請け関連への大きな影響が心配です。漁業もコロナ禍で大きな影響を受けています。
これらの状況は、地域の雇用にも深刻な影響を及ぼし始めており、解雇の拡大が心配されます。
――北都信金は、地元経済を支えるためにどのような対策をとっておられますか
京崎 この間一番力を入れてきたのが、昨年5月1日から開始された実質無利子・無保証料型の「京都府新型コロナウイルス感染症対応資金」の取り扱いです。いち早く利用していただくために職員は休日出勤し、ゴールデンウィーク中の5月2日、4日および9日に店舗を開けて、市町村の担当者にも来ていただいて相談会を実施しました。
また、コロナ感染対策を行い「何か困っておられませんか」とお取引先を訪問し、経営相談や融資相談に取り組んできました。
当金庫の営業地域は、亀岡以北の地域です。北部では当金庫が、"ナンバーワン金融機関"との自負もあり、「困難な今こそ、頑張らなければ」と職員はよく頑張ってくれたと思います。そのかいあって、12月末時点で、1796件、287億円の利用となっています。
しかし、実質無利子でも融資は返済しなければなりません。コロナ感染がいつまで続くか先が見えない中で、融資を受けることをためらっておられる事業者さんもおられます。休業を補償する支援金の充実こそ求められています。
当金庫では、緊急事態宣言の影響が大きかった飲食店を支援し、職員の労をねぎらうために、全職員を対象に5月にはテイクアウト手当を1万円支給しました。これは、飲食店や職員からも好評で、第2弾を2月の給料日に出すことを理事会で決定したところです。
――日銀のマイナス金利政策や地方銀行削減、中小企業削減の動きなどについてどのようにお思いですか
京崎 私の立場から、日銀の政策などについて申し上げることはできません。ただ、金利が低ければ本当にそれでいいのか、それで地域で資金が循環し、地域経済が発展し暮らしが豊かになるかといえば、現実はなっていないのではないでしょうか。私が就職したときは、金利が4%台でしたが、今以上に地域で資金が循環し、暮らしや営業のために使われていたと思います。
中小企業についても、競争力が弱いところを潰して北部の地域経済・暮らしが成り立つのでしょうか。
――国や自治体への要望をお聞かせください
京崎 現在、私たちの相談会に京都府の政策で、中小企業診断協会から中小企業診断士の方に無償で来ていただいています。訪問した先々で「無料で相談会をやっています」と声をかけ、いっぱい予約が入っています。無料の相談会を頼りにしている人がたくさんいます。引き続き、この制度を続けていただきたい。
国のコロナ対策の様々な補償制度は、申請しにくく、内容も実態に合わず、安心して休業できるものではありません。実態に合った制度となるよう、国に対してしっかり現場の意見を伝えてほしいです。
自治体は、人員削減され大変とは思いますが、地域の中小企業や事業所に足を運んで実態を把握し、有効な対策が行える人員配置をお願いしたいですね。
私たち金庫職員は、「あのとき相談に乗ってもらって、本当に良かった」と声をかけていただいたときが、この仕事を続けてきて本当に良かったと思える瞬間です。これは、自治体の職員の皆さんにも通じる思いではないでしょうか。新型コロナ感染症から地域経済と暮らしを守るためには、地元企業(住民)と金庫と自治体が力を合わせ、信頼ときずなをより強くすることが必要と考えます。その力が、コロナ後のまちづくりの確かな力となるのではないでしょうか。
京都自治労連 第1971号(2021年2月5日発行)より
京都自治労連 第204回中央委員会・組織集会
日時:2月17日(水)10:00〜
会場:ラボール京都ホール
すべての単組から参加しましょう
京都自治労連 第1970号(2021年1月5日発行)より
宇治市職労の20〜30歳の組合員が中心に、勤労者通信大学の「憲法コース」を受講し学習を進めています。
組合員の年齢構成が若くなる中で組合員の要求も変化してきています。組合役員の世代交代もすすんでいます。そんな中、学習が大事!と、月2回、昼休みにお弁当を食べながら、テキストの章ごとにチューター(助言者)を持ち回りで担当し、学習を進めています。参加は毎回十人程度ですが、様々な意見や感想が出されます。
昼休み学習会におじゃまして、参加者にお話を伺いました。
チューターは大変だがまとめることでより深まる
「今日は朝5時に起きてまとめてきました」とAさん。コロナ対策の勤務時間変更で参加できなくなった受講者の代りに急きょチューターを務めることになりました。今回のテーマはアジア諸国の平和と連帯。内容は、歴史から経済、国際問題に及びます。箇条書きにまとめたレジュメを作成し講義します。理系の学校だったAさんは、憲法のことや近代史のことは、中学で学んだ以来なく、「レジュメにまとめ人に話すことで、ニュースでボヤっと耳に入っていた言葉やことがらが正確に理解できました」とチューターという大役を終えホッとした様子です。
歴史、経済、憲法の課題が学習でつながる、広がる
講義の後、出されたキーワードや課題に、参加者から意見や感想が出されます。その中で、より詳しい解説や補足を話すBさんは、社会科の教員資格を持ち、この学習会の中心的存在です。Bさんの発言に、皆がなるほど!とうなずきます。「私たちは、学校で近代史をほとんど学ばずにきています。このテキストは、憲法だけでなく、経済学、近代史、国際情勢まで幅広く網羅した優れものです」と様々な課題がどんどんつながっていく学習が楽しいと言います。
何が正しいのか?判断する力をつける
議論の中では、様々な意見が出されます。スマホの時代、今回の学習会でも「WEBでこんなこと書いてある」と紹介されたのをきっかけに、話が盛り上がりました。気に入った情報しか得られず誘導される場合もあると話すCさんは、組合で自治研を担当する一人。ひとつのテーマに対してみんなが気軽に意見を出し合え、様々な意見を吸収していくことができるグループでの討論が大切だと考えています。「そうゆう意見もあるんやな!と受け入れ、考えていくことが大事だと思っています。そのなかで、『正しい』『正しくない』を判断するには、やはり学習が大切ですね」とCさんは話します。
仕事も生活も豊かに皆で卒業したい
「今回は予習が足りなかった」と照れ笑いするDさんは、組合の書記次長を担っています。今回学習会に参加できなかった仲間も合わせて全員で卒業したいと決意を話します。「学校卒業後は、仕事や生活に追われて、機会がないと憲法のことやそれに関わる経済や歴史について学ぶことはほとんどありません。組合ではよく『情勢』という言葉が出ますが、実はちゃんと理解していない。今回の学習会で知識を得ることはもちろんですが、学ぶことの大切さと、みんなで議論することの大切さを感じてもらいたいです」と抱負を語ってくれました。
京都自治労連 第1970号(2021年1月5日発行)より
労働者教育協会が主催する通信制の労働学校。専用のテキストで学び、数章ごとのテスト提出とコメントの入った添削指導を受けることができます。
コースごとに、「物事の見方・考え方」「社会や経済のしくみ」「労働組合運動」などを学ぶことができ、全国の多くの組合で、学習に利用されています。
2021年度は、労働組合コース、基礎理論コース、入門コースが予定され、募集がスタートしています。
京都自治労連は受講料補助の支援制度を設け、学習の取り組みを応援しています。
京都自治労連 第1970号(2021年1月5日発行)より
看護師はやりがいある仕事
新型コロナ感染拡大第3波が深刻な事態です。昨年12月、京都では、コロナ患者を受け入れている14病院長が連名で緊急訴えを出すなど、緊迫した状況が続いています。"今、京都の医療現場で何が起こっているのか""何が必要か"を、府職労連医大支部のE支部長、京都市職労病院支部のF書記長、京都医労連のG委員長に話し合っていただきました。
―コロナ感染症病棟の現状と、そこで働く看護師の状況はどのようになっていますか。
E:医大では、コロナ専用の重症者を受け入れる病院として、中心となる5床の病棟をはじめ、全体15床の病床があります。第3波の感染拡大で重症者病棟は満床の状態です。
重症者病棟の看護師は、医療がひっ迫し、12人から18人体制へ。今は、他病棟からICU経験者を集め体制を組んでいます。勤務体制は、医大では初めての2交替制で、夜勤は12時間の長時間の激務。常に感染の危機にさらされ、家族に感染させるのではないかとの不安を抱えながら極度の緊張感の中で勤務しています。看護師は、使命感と責任感で頑張っているのが現状です。
11月の一般病棟看護師のコロナ発症は、幸いクラスターに至らず終結したものの、第3波の影響で外来・救急でもコロナ対応が増えてきています。
F:市立病院では、コロナ感染者は軽症〜重症(酸素吸入・人工呼吸器まで)を受け入れています。急変して、人工呼吸器を使用する場合は、ICU病棟にある陰圧室(1床)で対応しています。
結核患者などを受け入れていた感染症病棟を、コロナ病棟として20床で使い、看護師は8人体制で、夜勤は通常は1人(重症者が出ると2人夜勤)で行っています。
患者さんには高齢者も多く、介護が必要な方や認知症の方など、看護以外の事で大変注意が必要になる方も増えています。
コロナ病棟では、病棟で発生するほとんどの業務を看護師だけで行わなければなりません。病室の床掃除から給食の食べ残し処理、食器消毒、エレベーター消毒など、一般病棟では、看護師以外の職員が担当している仕事もすべて看護師が行います。
一般病棟では、PCR検査結果待ちの患者を受け入れており、その患者の対応も陽性者同様です。
G:民間病院では、病院に行くとコロナの感染リスクが高くなるという理由から、外来受診や入院を取りやめる患者さんが多く出て、ほとんどの医療機関が深刻な赤字になっています。看護師を増やすべきですが、逆に、賃下げや一時金の削減が行われています。
高齢者の患者さんは、急に一人で閉じ込められる等の環境の変化によって、認知症が進行し症状が悪化するなどを聞いています。
看護師へも心無い言葉が
G:クラスターが発生した時に、「親が病院に勤務している子どもは保育所に来るな」、ご主人は「会社に来るな」といわれたとの話もあります。
F:「子どものSNSで"〇〇のお母さんが市立病院の看護師やから、あんまり遊ばないように"と書き込まれているのをみて、涙が出た」という話を聞きました。
E:医大でも「(他からの子どもへの影響を避けるために)子どもには、感染病棟で勤務していることを伝えていない」など同様の話を聞きます。
通常の医療・看護にも大きな影響が出ています
E:そもそも、看護師が足りずギリギリの人員体制で病棟が運営されています。コロナ病棟を立ち上げるために、様々な病棟から人が集められました。人工呼吸器の取扱に慣れている循環器病棟からも多く出しており、病棟からは、「心停止など突発的な急変がある職場なので、安全面で危険を感じる。本当に看護師を返してほしい」と、切実な声が寄せられています。
そのような中で、医大では、「病院を維持するために」と二交代制勤務の提案が当局よりありました。12時間以上にも及ぶ長時間夜勤労働を、看護師に強いる働き方が、患者サービスを向上させ、看護師を大切にする働き方でしょうか。大幅人員増で夜勤回数を減らし、労働時間を減らすことこそ求められています。時間を区切った拙速な提案ではなく、メリット・デメリットを示し、徹底した職場議論と労使合意を前提に組合との話し合いを尽くすべきです。
F:コロナ第1波・第2波に関係なく、普通どおりに外来診療を行っていましたが、院内でクラスターが発生し、その時期に一旦、外来と救急・健診センターをストップしました。落ち着いてから、再開しましたが、患者さんが来ない状況があり、かなりの赤字になっています。病院は、経営を立て直したいからドンドン救急患者を受け入れています。病床稼働率は平時より減っていますが、忙しさ、煩雑さは増えています。
G:クラスターが発生したある病院では、患者の受診控えもあり大幅な赤字で、一時金が大幅にカットされ、病床も4分の1ほど削減されると聞いています。
政府は、もともと、全国で30万床ほどの削減計画を立てていましたが、このまま、医療機関に対して緊急の財政支援策を行わなければ、何もしなくても病院が潰れる事態になるのではないでしょうか。
医療を、看護を守るために
E:組合で「意見箱」を置いているのですが、先日、「医療従事者には、ありがとう!っていいながら、病院職員のボーナスを減らすのはおかしい。私たちは、命がけで働いています。」と書いてありました。その言葉にみんなの共通の思いを感じるとともに、励まされました。看護師の仕事がニュースに出ない日はありません。看護師の仕事に対する評価が、コロナ前とは違って、大きく変化していると実感します。
F:病院への、患者さんや市民からのメッセージには、「これからも頑張ってください」「親切にしていただいた」等の声が増えてきているそうです。私たちは、もっともっと、市民にアピールすることが必要だと思います。
G:看護師は激務だけれど、素晴らしい仕事です。だから皆頑張れるのではないでしょうか。コロナに打ち勝つためにも、全ての医療労働者が力を合わせ、市民と連帯し、政府に必要な緊急の財政支援、看護師の大幅増員と労働条件改善を実現させましょう。アフターコロナには、看護労働が光り輝くそんな将来にしたいですね。
京都自治労連 第1970号(2021年1月5日発行)より