機関紙 - 組合活動カテゴリのエントリ
10月30日、京都府人事委員会は以下の勧告を行いました。
(月例給については、別途勧告・報告する)
一時金
0.05月期末手当を引き下げる(再任用職員引き下げなし)。本年度は12月期に0.05月引き下げる(全て期末手当から削減)。来年度以降は6月期と12月期に均等になるよう配分。
職員の勤務環境
- 総実勤務時間の短縮:時間外勤務命令の上限規制など勤務時間に係る労働法制の遵守
- 健康保持の増進:新型コロナ感染症対応に従事する職員の心身の健康管理
- 仕事と家庭の両立:職場全体としてのサポート体制の構築
- 会計年度任用職員の勤務条件:一般職の地方公務員と位置付けられたことなど、関係法令を踏まえた適正な制度運用と適切な勤務条件の確保
55歳昇給見直し
定年制の引き上げに伴い、60歳前後の給与制度は一体性・連続性のあるものとなるよう整備することを検討。
京都自治労連 第1968号(2020年11月5日発行)より
大阪市を廃止し、4つの特別区にすることが問われた住民投票が11月1日に行われ、「反対」(69万2996票)が「賛成」(67万5829票)を上回り、「反対」多数で5年前に続き再び否決され、大阪市民は大阪市の存続を選びました。
住民投票では、大阪市廃止で住民サービスが低下するかどうかが大きな争点になり、大阪自治労連も参加する共同闘争本部(大阪市をよくする会、明るい民主大阪府政をつくる会)は、「大阪市を廃止すれば、住民サービス低下につながる」「大阪市がなくなれば、二度と元には戻れない」と訴える中で、市民の反応は日を追うごとに変化し、「拮抗」「接戦」に追い込み、大阪市の存続が決定しました。
大阪自治労連は、憲法と地方自治が花開く大阪市の実現めざし、引き続き奮闘する決意を表明しています。
京都自治労連 第1968号(2020年11月5日発行)より
菅政権による学術会議会員任命拒否行為が、違法であるとともに学問の自由を脅かすとして大問題となっている。菅首相は憲法15条1項の公務員の選定罷免権が国民固有の権利であることを根拠に正当と主張しているが果たしてそうであろうか。
憲法15条1項は、戦前の官吏の任免権が天皇にあったが故に侵略戦争を招いた痛苦の反省から、国民主権に基づき国民にあることを定めたものであり、具体的には国民の代表である国会において定められた国家公務員法、地方公務員法、学術会議法等の法律に基づき行われるべきものである。その法律に反して任命を拒否した行為こそ憲法15条第1項に違反した行為である。
もし、菅首相の言う論理がまかり通るのであれば、憲法第15条第2項の公務員の「全体の奉仕者」性が否定され、時の権力者の独裁を認めることに繋がる。「住民のための仕事がしたい」との初心を貫くためにも、公務員としてこの問題について発言しなければならない。(F)
京都自治労連 第1968号(2020年11月5日発行)より
畜産センターでお話をうかがいました
京都府職労連:Aさん
JR綾部駅から北に車で20分の所に、京都府農林水産技術センター畜産センターがあります。センターでは、家畜の繁殖や育養の技術研究から経営サポートまでを行っています。
京都府は、今年4月から畜産人材育成研修制度をスタートさせました。新しい取り組みに奮闘するAさんに、仕事のやりがいや課題をお聞きしました。
府民の牛肉消費量は日本一なんです
取材の冒頭、Aさんから、牛肉の消費量や市場など国内の畜産状況と、京都の畜産に関わる歴史は古く、平安時代の書物に記録が残っていることや、明治5年に府営の牧場が創設されたことなど府内の状況を教えていただきました。
京都にも『京都肉』というブランド牛がありますが、生産量は多くありません。歴史があり、需要もある京都の畜産業ですが、府内の畜産業者は少なく、「都市化もありますし、経営者の高齢化も進んでいます」と、Aさんは京都の畜産業の課題を語ります。
また、収入が得られる規模の家畜を飼うには一定規模の施設が必要で、利益を得るまでの資金の問題から人工授精など安全に家畜を増やし育てる技術、衛生、農業機器など、初めて畜産業に参入するハードルは高いとAさんはいいます。
希望者の思いをセンターと関係機関の連携で支える
Aさんは、畜産人材育成研修制度の担当になる前は、本庁で4年間、新規就農者支援に携わってきました。「農業では、『宇治茶』や『京野菜』で就農したいという若い方々が研修に参加し無事就農してくれました」とAさん。畜産業ではもっときめ細かい支援が必要になってくると考えています。
今年4月からスタートした畜産人材育成研修制度に合格したのは1名ですが、将来の目標がはっきりしていて頼もしいとAさんは期待しています。「研修生の希望や目標にあったカリキュラムを組んでいきます。多岐にわたる課題に、センターにはそれぞれの課題のノウハウを持った研究者や技師と、隣接する農業学校や事業者の協力を得ながら研修してもらいます」と、これまで培ってきたノウハウへの自信と研修者への期待がうかがえます。新しい取り組みに「京都で安心して畜産業をスタートさせてほしい」とプレッシャーも感じているようです。
事業者に期待され府民に支持される仕事
「牛がすきで府庁に入りました」と照れるAさんは、大学の農学部を出て京都府庁に就職して34年が経ちます。勤務地は、今の畜産センターや本庁、京丹後市にある碇高原牧場など、部課の再編などで所属は変わりましたが「牛」一筋。牛の世話はもちろん、エサやり、子牛の出産、牧草づくり…。「牛は胃を4つ持っていて、食べた草を、時間をかけて消化するのですが、その時、すごく熱が発生します。牛は暑さに弱い生き物です」。夏はシャワーを浴びに喜んで寄ってくる様子を楽しそうに話すAさんですが、「個人の酪農家が、進化する畜産技術や経営や衛生のすべてを行うことは難しく、それを継承していくのも同様です」と畜産業の難しさを話します。取材した日も、牛舎では、家畜人工授精師養成の技術講習が開催されており、若い男女十人余が実践の講義に聞き入っていました。
「行政がどのように畜産業を支え、継承していくのかが難しいです」「農業従事者や畜産事業者から期待されることはもちろん、府民から『それは必要だ』と思ってもらえ、支持をえられる仕事がしたいですね」と仕事への思いを語っていただきました。
京都自治労連 第1968号(2020年11月5日発行)より
コロナ禍において日本の「医療崩壊」には二つの側面があります。第一の側面である「患者の急増に医師、看護師、病床の数が足りない」については10月号に掲載しました。今回は、医療機関の経営困難による「経済的医療崩壊」について触れます。
コロナ患者受け入れ病院平均月1億円の赤字
新型コロナを受け入れる病院は、病床を空け、医師、看護師の特別配置や病床・病棟の改造などの出費、一般病床の縮小や手術・検診の延期、防護具の調達など、膨大な財政的負担がかかります。
コロナ患者を受け入れた病院の4月利益率は、マイナス11.8%、一病院当たり平均で月1億円の赤字。全国医学部病院長会議と日本看護協会は、新型コロナ患者を受け入れている全国77の大学病院が、2020年度の一年間で5000億円の減収が生じると発表しました。
新型コロナ患者を受け入れていない病院・診療所でも、感染を恐れた受診抑制で、4月は90%の医療機関が減収。うち30%が5割以上の減収です。各医療団体からは、国に対して抜本的な財政支援を求めています。
こうした中、「コロナによる患者の減少」「感染予防対策のための経費や人件費の増加」を理由に、3割の医療機関で医療従事者がボーナスカットにあうという、異常事態が起こっています。
政府の政策で病院はギリギリ
この20年間にわたる政府の「医療費抑制政策」によって、診療報酬は、2002年度から20年度までの11回の改定で、本体・薬価合わせて12.67%ものマイナスとなり医療給付費ベースで4兆円も削減されました。01年と18年の収益率の変化を見ると、まさにギリギリの状態です。(表参照)
国の責任で、すべての医療機関に減収補填を行い、医療従事者の処遇改善、医療防具や医療用材料を国の責任で確保するなど、緊急の手立てが求められています。
京都自治労連 第1968号(2020年11月5日発行)より
コロナ禍で経済活動に大きな影響が及んでいる中、府職労連は、中小企業の実態を府政に届けようと商店街調査を行い、商店一軒一軒を訪ねました。今回は、その調査に参加してくれた新人を紹介します。
Bさんは今年4月、京都府庁に就職しました。「面接が苦手だったので、合格してよかったです」と試験の様子を振り返ります。
配属先は企画統計課。課の名前のとおり、京都府の様々な調査・統計を行っています。「今、主な担当は学校の基本調査です。学校関係の様々な調査を調査員の方々と行っています」と顔がきりっと引き締まります。調査員の方々や自治体との調整などもあり忙しそうです。課の中で担当を横断したプロジェクトにも参加しているとのことで、仕事は充実しているそうです。
組合の商店街調査について聞くと「現場の声が聞けて勉強になりました。参加してよかった」と同席してくれた先輩とニコニコ顔をあわせました。
大学では消費者契約法を卒論のテーマにしたBさん。「住民生活を支える行政に関わっていけたらいいなあと思っています」と頼もしい言葉が返ってきました。
京都自治労連 第1968号(2020年11月5日発行)より
11月1日、京都市の公衆衛生行政充実を求めるフォーラムが開催され、web参加も含め約70人の市民が参加しました。主催は、京都市職労や京都自治労連、保険医協会などでつくる「公衆衛生行政の充実を求める京都市実行委員会」。
フォーラムでは、「市民の権利としての公衆衛生の再生へ」と題して佛教大学教授の岡崎祐司さんが基調講演。続いて、京都市職労書記次長のCさんが、「保健師からの聞き取り調査」と市民を対象に行ってきた「保健所アンケート」結果を報告。Cさんは、2010年以降、組織改正と業務分担の変更が繰り返され、保健師の「家庭訪問」が減らされ、市民にサービスが行き届かず保健師が悩んでいる実態を紹介。
会場からは、現場の保健師や開業医などが発言、京都自治労連からは、大きな混乱なく対応している名古屋市保健所との違いを発言しました。
京都自治労連 第1968号(2020年11月5日発行)より
10月10日、青年部は第55回定期大会をラボール京都で開催。今大会は新型コロナ感染防止対策としてweb併用で実施し、代議員・執行部など12単組36名が参加しました。
開会挨拶で河村友裕青年部長は「新型コロナ感染症の対応に連日多くの自治体職員が奮闘している。解雇や賃下げなどコロナの影響が報道されているが、こうした状況の今こそ労働組合の役割が重要」と強調し、「多くの青年の希望となるよう、つながりを強め、職場の声を集めて要求前進に力を合わせよう」と呼びかけました。
討論では、会場・webから11単組11人が発言。コロナ禍の中、新歓スプリングフェスタの中止や「青プロ」の延期など青年の交流や学習を深める取り組みが出来ませんでしたが、「新採含めてオンライン交流会を実施。商店街調査活動にも参加」「集まって出来ることをやろうと協議中」「新採への組合説明会を複数回に分けて実施」など各単組で工夫した取り組みが行われ、「若年層に影響が大きい賃下げ提案がされた。現状を伝えて職場に組合を広げたい」「超勤実態調査に参加。対話を重ねて職場環境改善に繋げたい」など職場を基礎にした取り組みも報告されました。
京都自治労連 第1968号(2020年11月5日発行)より
たにがわ・まり=
高知県出身/京都府立医科大学卒業 医学博士/京都府立医大附属病院・京都第一日赤病院・西陣病院内科勤務/オクラホマ医学研究所 研究員/ルイ・パストゥール医学研究センター研究員/京都府立医大 客員講師/精華町立けいはんな診療所所長/精華町産業医(兼任)/百万遍クリニック院長等を経て(現)TS雪月花健康増進プロジェクト発足
安全衛生はチームワークで
産業医は健康職場づくりのお手伝い
公務職場では、人員削減が行われ、仕事が多忙を極める中で、どの自治体でも職員のメンタルヘルス問題など安全衛生が大きな課題となっています。今回の「あの人に会いたい」は、精華町の産業医として、職場の安全衛生に大きく貢献されている医師の谷川真理さんにお話を伺いました。
――なぜ産業医を引き受けられたのですか
谷川 産業医の資格を取ったのは、大学関連の研究所に勤務していた時で、当時、にわかに産業医を増やすことが求められた時代でした。その後、医局の意向もあって精華町の診療所で働くことになりました。子育てをしながらの勤務でしたが、診療以外にも何かやりたいと思っていた時に、尊敬する先輩から「産業医をやってくれないか」と頼まれ、私の思いとタイミングが一致して、引き受けることになりました。
――産業医として心がけておられること
谷川 一つは、出合ったチームを大切にすることです。
私が、精華町の産業医になった時期は、職場のメンタルヘルス問題が大きな社会問題となっていました。精華町においても例外でなく、担当管理職の皆さんも労働安全衛生の仕事に本気で取り組もうとされていた時でした。産業医の仕事は、ひとりではできません。仲間に恵まれ、ちょうど良い時期でした。
教育委員会では、職場が非常に悲惨なのになかなか関与できない当局に、「先生方がこんなに苦労されているのに放置して、命に関わることになれば責任取れません。私、幽霊部員みたいやから辞めさせて」と言ったこともあります。そのようなやり取りなど、お互いが努力して問題に関与するチームワークが生まれていきました。
二つは、「産業医の、谷川です」ということを職員の皆さんに知ってもらうこと。直接顔を見てもらい、お話できる機会には可能な限り参加しています。そのために、法令では2ケ月に1回、産業医の職場巡視など安全衛生委員会活動が義務付けられていますが、私は毎月参ります。
また、精華町には、管理職研修、中間管理職研修、新人研修など複数のメンタルヘルスの研修会を開催してもらい、そこにも参加しています。消防では惨事ストレス研修会なども持たれています。教育委員会では、精華町の小中校8校対象の研修会が毎年行われる際に、私も寄せていただき話をしています(今年は集合できないので個別学校訪問に注力しています)。
「産業医は谷川」と覚えてもらえれば、何か調子が悪い人が出た時、少しでも早く連絡が来るのではないかと思っています。
三つは、公平ということです。
具合の悪い人が出た職場では、水が低きに流れるように、その人が担当していた仕事が、仕事ができる人にドンドン流れていき、仕事をやってもやっても終わらない状態になりやすい。「産業医は、具合の悪い人の事ばかりケアして、その分、私たちに仕事がドンドン振られて超勤なのにケアしてくれない」と思う人もいるでしょう。ですので、そこの上司にお願いするのは、休む人の仕事を、全体に出来るだけ公平に配分することやほかに調子の悪い人がいないか、気をつけてほしいということです。ドミノ倒しにならないためには、不公平感が少ないことが大切です。
職場の産業医は、調子悪い人に適切に対応することも大切ですが、その人にだけ配慮すればよいということではない。職場は病院でもデイケアでもありません。仕事をするために集まった人たちが、その仕事で力を発揮してもらう場です。産業医は、働く人々が職場を健康的にするのを手伝う仕事だからです。
――産業医としてのやりがい、悩み
谷川 休職されていた方が、順調に職場復帰された時はやりがいを感じます。また、産業医の取り組みを通して、職場全体の労働安全衛生に対する認識が変化してきていると実感できるときですね。巡視の時に職場をうろうろしても「あの人だれ」という感じではなく、産業医をやらせてもらって良かったと思います。
悩みは、活動時間が決定的に足りない点です。役場と教育委員会を網羅すると、超勤100時間以上で面接が必要な方は少なくとも100人以上に。ひとり15分ずつでも、月一回の仕事で出来るわけがありません。
また、休職前後の職員とか、役場の外で面談場所を設定したり、電話で長時間の対応が必要なこともあります。法令の規定と、職場の実態とがあまりにもかけ離れており、「これで産業医が責任を取らされるのでは、引き受け手がいなくなる」と考えることもあります。
――コロナ禍、医療現場、保健所の現場が疲弊しています
谷川 もともと、日本の医療や公衆衛生の現場は人員も予算も足りていません。世界のどこにもないような安全で親切な医療を、低い医療費で提供しています。これらの分野にもっとお金をかける政策に変えるために、政治の力が必要です。
――職員に伝えたいこと
谷川 思うようにいかないのが人生です。私自身も、色々なことで困難や失敗にぶつかってきました。しかしそれらの経験が、内科医として患者さんやクライアントさんとやり取りするときに、すごく役に立っています。無駄なことは一つもないと思います。
失敗を恐れず、とりあえず踏み留まって、成長しながら元気に仕事や人生を活きてほしい。そう心から思います。
産業医の仕事とは
産業医は、労働者が安全に健康に働ける職場環境をつくるため、事業所の労働者に対して体調のヒアリングを行い、健康管理のための面接指導や助言などを行う。また、就労可否の判断・休業復職の調整なども主治医と連携して産業医の行う業務。そのため健康診断とその結果に基づく措置、ストレスチェックの実施とその結果に基づく措置、長時間労働者への面接指導、職場巡視、衛生委員会出席、治療と仕事の両立支援などを行う。
産業医は、労働者に面談や助言は行うが、労働者一人ひとりの疾病の診療はしない。診断や治療は外部医療機関の主治医が行う。
産業医は、事業主に対する勧告権を持っている。必要と判断すれば、業務内容の改善を事業主に勧告できる。
京都自治労連 第1968号(2020年11月5日発行)より
11.3憲法集会
日時:11月3日(火・祝) 13:30〜
会場:円山音楽堂(円山公園)集会後 憲法ウォーク
京都市の公衆衛生行政充実を求めるフォーラム
11月1日(日)14時〜16時30分 ウイングス京都 ホール
基調講演
「市民の権利としての公衆衛生の再生へ」
岡崎祐司氏(佛教大学教授)
主催:公衆衛生行政の充実を求める京都市実行委員会
参加費無料
京都自治労連 第1967号(2020年10月5日発行)より