機関紙 - 組合活動カテゴリのエントリ
昨年は、全国で台風や大雨での災害が数多く発生しました。京都北部の各自治体も例外ではありません。
今回取材した宮津市は、台風21号・24号の通過で、各地で土砂崩れ、浸水が発生しました。今回、災害復旧を担当する土木課で働くFさん(宮津市職委員長)の一日を追い、お話を伺いました。
やってもやっても終わらない
宮津市を訪ねたのは、12月も後半。「これから10月の台風24号での被害現場に行きます」というFさんの後をついて、現場に向かいます。道路はところどころ工事中。現場に着くと、府道沿いのがけ崩れで木が大きく傾き、川の流れを塞ぎそうです。早々に測量資材を持って、川に下りて現場検証。3人で手際よく、作業を進めます。「こういった箇所がまだまだたくさんあります」とFさん。現場の数十メートル下流には地域住民の取水場があり、その数メートルそばには一昨年の台風被害を修復した跡がありました。
住民が普段どおり利用する光景がうれしい
Fさんは、宮津市役所に就職して20年。「宮津市は広い。最初は地名を言われてもわからなくて大変でした」とFさん。地図を片手に現場を歩いて必死で覚えたそうです。最初に土木課に配属されたときも災害が多かったといい、現場をまわって検証し、戻ってきては書類作り。「今も変わりません」。「災害復旧で国に補助金申請するには規模や緊急性など、様々な規定があります。期日もあり、必死です」。台風21号被害で直せなかった箇所が、台風24号で被害が拡大した箇所もあるなど、「やってもやっても終わらない」とため息が出ます。Fさんを含めてわずか4人で宮津市の被災検証を行っているそうで、「この間ずっと月100時間超えの残業です。組合としても人員要求し、当局も理解し、募集をしてくれていますが…」。人員増とノウハウの継承は急務です。
「工事の音や道路閉鎖で、住民から怒られることもある」というFさんですが、「直った道路や施設を住民の皆さんがいつもどおりに使ってくれている光景がうれしい。地域価値、住民生活を影で支えていると思っています」とちょっと照れながら話してくれました。
京都自治労連 第1935号(2019年1月5日発行)より
昨年11月9日、宇治自治体問題研究所が設立され、総会と記念講演会が開催されました。講演会には50人近くの市民、議員、研究者、組合員などが参加。京都大学大学院の岡田知弘教授が記念講演を行い、現在の自治体にかかわる課題や問題点を、全国の自治体問題研究所のとりくみを紹介しながら明らかにしました。
事務局として設立をサポート
宇治自治体問題研究所の設立にあたっては、宇治市職労の仲間が事務局の一員として尽力しました。
「十数年来の想いがようやく…」と話すのは研究所事務局長の谷上晴彦さん。「当時、全国各地で『まち研』をつくろうと自治体問題研究所の提起があり、自分たちが宇治市のことを知らないといけないと思いました。職員はそれぞれの部署で仕事として係わって知っていますが、断片的です。市民目線で宇治のことをみることが大事だと考えていました」と研究所への期待を語ります。
同じく事務局を担っているGさんは「早速、第1回の『財政学習会』を開催しました。決算カードの見方からスタートです。市の財政を学ぶことで市の状況が見えてくる。簡単ではないですが、時間をかけて…」「見えていなかったことが見えるのが楽しい。市民とディスカッションしたいですね」と学習会での手ごたえを感じたとのこと。
自治体労働者として市のあり方を考える場に
「市民目線で財政・政策を検証することが必要」とH書記長。「組合の交渉でも当局は、『財政が厳しい』と言います。その原因が何なのか、市民の目で市の財政運営や国の財政方針の問題を明らかにしたい」「自治体労働者として自治体のあり方を考える点で、宇治市職労のかかわりは重要だと思います」。
3人とも、市の職員として市民本意の行政にしたいとの思いは一緒です。谷上さんは、「一人の職員、一人の市民として、この自治体問題研究所のとりくみに参加して、若い職員へと繋いでいってほしい」とGさん、Hさんを楽しそうに見ながら話してくれました。
京都自治労連 第1935号(2019年1月5日発行)より
京都自治労連執行委員長
福島 功
「災」の最たるもの、安倍政権
みなさん、あけましておめでとうございます。
昨年12月、「今年(2018年)の漢字」に「災」が選ばれました。昨年は、大阪北部地震、西日本豪雨、台風21号災害、北海道胆振東部地震などが連続し、京都においても多くの尊い人命や人間らしい暮らしが失われた災害の年でした。「気候のフェーズが変わった」と言われる中で、人命と財産をどう守るのか、地方自治体にもその役割が問われています。
このことにも関連し、「赤坂自民亭」でその本質があらわれたように、国民の信託を受けて政権を担っている人々が、平気で嘘をつき、情報を隠蔽し、ルールをねじ曲げ、民意を無視する、権力を振りかざし、気に入らない人を陥れる等々。まさに安倍政権は、国民にとって「災」以外の何物でもありません。今、その「災」が、自ら守るべき約束である憲法を変えようと執念を燃やしています。
忘れず、諦めず、勝利するまで
「いい加減にしろ」と想いながらも、「またか」とため息をつき、諦めモードになるのではなく、忘れず、諦めず、勝つまでたたかい続けるために、今ほど主権者として不断の努力が求められているときは、ないのではないでしょうか。「Show must go on」に込められたQueenの想いのように。
今年は、幸いにも統一地方選挙と参議院選挙があり、悪政を断ち切る絶好のチャンスです。歴史の逆戻りを許さず、歴史を前に進める、そんな年にしたいと思います。みなさん、そのためにともに知恵を尽くし、力を合わせようではありませんか。
京都自治労連 第1935号(2019年1月5日発行)より
声をあげ、あきらめずに一歩ずつ前へ
社会貢献と「ありがとう」を力に
2017年12月に消費生活相談員3人が立ち上げた宇治CCユニオン(宇治市消費生活相談員労働組合)が、結成から1周年を迎えました。「ありがとうございます」と元気いっぱいに出迎えてくれた3人。とにかくパワフルです。
誇りとやりがいある私たちの天職
消費生活相談員の業務は、契約・解約に関するトラブルの相談をはじめ、被害を防ぐための啓発活動など、多岐にわたります。相談といっても、金融、マルチ商法、架空請求、ネット被害など幅広く、問題解決に向けた助言や救済なども含めて、知識と経験が求められる仕事です。
「安心して暮らしてほしい」との思いから、相談内容や情報からどのようなトラブルが発生しているのかを分析し、どのような啓発を行えば未然防止につながるのか、日々研究する毎日。この間、こうした取り組みが消費者契約法や特定商取引法など、法改正につながる成果も生まれました。「法改正後に多重債務の相談が大幅に減るなど、間接的であっても、目に見える形で社会を変えることにつながる仕事をしている、このことに誇りを持っています。やりがいがあるからこそ続けられている。私たちの天職です」と胸をはります。
「『相談に来て良かった。税金を納めていた甲斐があった』と言われた時は、すごく嬉しかった。もちろん辛いこともありますが、目の前で困っている市民を救い、社会貢献につながること、『ありがとう』と感謝の言葉をかけてもらえることが乗り越える力になり、私たちのやりがい、生きがいにつながっています」。
組合で3人の気持ちが一つに
やりがいある仕事に向き合う中、自分たち嘱託職員の賃金が何年たっても変わらない現実が重くのしかかります。「正直いって生活できる賃金じゃない。経験の積み重ねが生かされる職種なのに、経験加算制度もない。このままでいいの?いま声を上げなければ」。2020年4月から施行される会計年度任用職員制度の問題も、立ち上がるきっかけになりました。
宇治市職労の支援の下、一昨年12月に組合を結成。すべてが初めて尽くしの中、要求や文書作成の仕方、ハンコの押し方まで、手取り足取り丁寧に教えてもらいました。
「立ち上げるまで組合に加入できると思っていなくて、ましてや結成できるなんて」と感慨深く当時を振り返ります。「組合をつくって本当に良かった。要求を伝える場、対等に話し合える場ができたことは、私たちにとって大きな一歩」と笑顔に。さらに、当局と話し合う場ができたことで、仕事への理解を深めてもらう機会にもなっているといいます。
結成から1年が経ちました。「組合で3人の気持ちが一つになれ、同じ目標に向かって団結してこられた1年でした」と振り返り、「今後は労働の分野にもウイングを広げ、皆さんと切磋琢磨していきたい」と前を見据えます。
「消費生活相談員の仕事は、誰にでもすぐ出来る仕事ではなく、5年で一人前ともいわれます。だからこそ、資格や経験に対する正当な評価を求めて声を上げ続けたい。活動を継続させ、団結して諦めずに経験加算など、要求を勝ち取りたい」。その力強い決意と眼差しに迷いはありません。
京都自治労連 第1935号(2019年1月5日発行)より
たたかってこそ要求は前進する
長く働けたのも組合があったから
精華町の嘱託職員・臨時職員の仲間で組織されている精華町臨時職員労働組合(以降、精華臨職)が、昨年10月で結成20周年を迎えました。精華臨職の役員を長年されてきたIさん、Jさん、Kさんを訪ねました。
いつも雇用不安を抱え、働いていた
組合結成当時について、Iさんは「当時の雇用は1年契約。いつも雇用不安を抱えて働き、何年働いても給料は上がらず、年休は繰り越しができなかった」、保育所では「子どもの年度途中退所が出て、保育士の配置が基準を超えると、嘱託職員が退職させられていた」と当時を振り返ります。
働く者の権利や労働組合のことについて、精華町職の役員や弁護士、すでに組合を立ち上げていた三和町臨職組にも来てもらって、学習会に取り組みました。学習する中で、私たちにない権利が、実は当然認められるべき権利であることを知り、組合結成への決意を固めました。
精華臨職は6人で出発し、20人になった時に結成総会(1997年11月)を開催、公然化しました。
勉強しないと権利や労働条件守れない
ドキドキしながら初めて臨んだ要求書の提出には、町長も出席。町の担当者の対応は「上から目線で、こちらが何も知らないと思って、行政用語や法律用語を多用し、丁寧に説明しようという態度には思えなかった」とJさんは言います。腹立たしく思うと同時に、「しっかり勉強しないと、権利や労働条件を守れない」ことを痛感しました。
それから要求書討議には、要求の一つひとつがいかに正当で、道理ある内容なのかの学習に力を入れ、交渉に臨みました。
そのかいもあり、20年間で、嘱託職員の連続雇用や経験年数加算、年次有給休暇の繰り越し、さらに病気休暇、結婚休暇、特別休暇も、正規職員と同等に前進。また、産休・育休、介護休暇も取得しています。
要求前進の中で次々と新しい仲間
現在、組合員は60人。しかし、はじめから新しい仲間がどんどん増えたわけではありません。組合に入ると、「所長ににらまれる」など、組合加入に尻込みがありました。
しかし、要求が次々前進すると組合加入もすすみ、保育所の嘱託職員は全員加入にまでなりました。「臨時職員の仲間にも、もっともっと広げていきたい」とKさんは言います。
これまで気がかりだった次の世代への役員のバトンタッチも、「やってもいい」という仲間が出てきて、すすんでいます。「本当にうれしい」と3人の笑顔がこぼれました。
「20年前、こんなに長く働けるとは思ってもいなかった。組合をつくってみんなで頑張ってきたからや」―3人の言葉に実感がこもります。
「今年は会計年度任用職員制度の問題もあり、私たちの力量も問われる。働きがいある職場へ、みんなで力合わせさらに頑張りたい」。20年の運動を確信に、精華臨職の新しい年が始まります。
京都自治労連 第1935号(2019年1月5日発行)より
京都自治労連
第200回中央委員会・組織集会・旗びらき
日時:2019年1月26日(土) 10:00〜
会場:ホテルビナリオ嵯峨嵐山
あなたの要求を
2019要求アンケートにお寄せください
集約 1月11日(金)、2月20日(水)
京都自治労連 第1934号(2018年12月20日発行)より
今年の確定闘争の給料表改定では、月例給据え置き勧告の京都市を除いて国、または府勧告に基づき2018年4月に遡及して改定する回答となりました(綾部市は19年1月実施)。一時金(勤勉手当)は、0・05月の増。また宿日直手当、初任給調整手当も4月に遡及して改定との回答を引き出しました。(なお12月19日現在、一部の単組で交渉を継続しています)
財政難・災害理由に給与抑制
18確定交渉で、いくつかの問題が表面化しました。
第一は、財政難や災害復旧予算捻出を理由に、職員給与の抑制にかじを切る当局が出てきていることです。
綾部市では、災害による財政悪化を理由に、給与改定の2019年1月実施を提案。市職労は、「災害復旧業務に不眠不休であたってきた職員に冷水をあびせるもの」と抗議し、3回交渉を行いましたが、当局の姿勢が固く、2019年1月実施となりました。
大山崎町では、12月5日就任の新町長が「人勧は実施しない」と表明するなか、町職は「人勧不実施は全国的にも前代未聞であり、職員の勤労意欲の減退にもつながる重大問題」と追及し、京都府人事委員会勧告に基づく給与改定を求め、12月19日第1回交渉を行いました。
ラス指数口実に引下げ「提案」
第二は、総務省・京都府からのラスパイレス指数を口実にした賃下げ「指導」強化と、指導を「悪用」してさらなる改悪提案を行ってきていることです。
向日市では、18年4月からラス指数102・2(2016年4月現在)を理由に、府給料表から国家公務員行?俸給表への切替を強行しました。18確定交渉では、ラス指数100・4(2017年4月現在)を賃金水準が高いとして、4級昇格の廃止・3級止まり、号給継ぎ足し全廃、55歳超職員の昇給停止という大合理化案を提案。これに対して市職労は、改悪提案の撤回を求めて3回の交渉を行い、当局提案を継続扱いとし、押し戻しました。
舞鶴市でもラス指数が高く、全国順位で50位以内であることを理由に18年4月に管理職の3%賃金カットを強行。18確定では55歳超職員の昇給停止が提案されましたが、粘り強い交渉で撤回させました。
両市とも、府自治振興課がラス問題だけで訪問していることが明らかになっています。
以上の特徴以外にも、?制度は国、水準は地域民間の押し付け、人事評価結果の給与反映の指導の強まり、?長時間労働の深刻化、?「会計年度任用職員制度」については、府職労、京都市職労以外の単組は、交渉がこれからという状況であること、一部の町村では制度導入に向けた業務を民間委託していること―が明らかになっています。
官民一体の19春闘さらに大きく
5年連続の賃上げを勝ち取ったことは、春闘期からの官民一体のたたかいの反映です。しかし、要求書提出、交渉の遅れも一部の単組にあり、改善が必要です。また、春闘を起点とする通年サイクルの賃金闘争を確立することが必要です。
京都自治労連 第1934号(2018年12月20日発行)より
宇治市で働く非常勤職員の皆さんが12月18日、組合を結成しました。
「私が組合なんて無理と思っていました」と話してくれたのは、組合の委員長を引き受けてくれたAさん。宇治市で働くようになって9年目。『市民に役立つ仕事』にやりがいを感じているとのこと。しかし常につきまとうのが、「雇用不安」でした。「会計年度任用職員制度で非正規雇用の賃金や待遇が変わると聞き、同じ非正規の仲間に声を掛けました」と、組合結成の経過を話してくれました。
結成大会に集まった仲間からも、「明るい職場にしたい」「雇用不安なく、安心して働くことができればうれしい」など、仕事へのやりがいと組合への期待が話されました。
京都自治労連 第1934号(2018年12月20日発行)より
10月24日に開会された臨時国会の冒頭、安倍首相は所信表明演説で改憲への執念をむき出しにして、「憲法審査会で改正案を議論し、国会議員の責任を果たそう」と、三権分立を蹂躙する発言を行いました。
しかし3000万人署名をはじめ、「安倍改憲を許さない」国民的なたたかいと野党の共闘の前に、改憲案を提示することができませんでした。安倍政権にとって大きな打撃です。
しかし安倍政権が、これで改憲をあきらめたわけではありません。反対世論の力を確信に、引き続き、安倍改憲NO!3000万人署名を急いで集めましょう。
京都自治労連 第1934号(2018年12月20日発行)より
12月6日〜8日に福井市で開催された自治労連全国バレーボール大会に、京都代表で出場した京都市職労が2連覇を果たしました。喜びの声です。
「2年連続優勝を」と意気込んで参加しました。予選の抽選会で昨年決勝の相手、東京代表・特区連と同じリーグとなり、複雑な思いで交流会を過ごしました。
初戦が特区連。常に1点を取り合う気の抜けない試合展開が続きましたが、何とか1セット目を取り、2セット目も終盤にリードを許すも最後の粘りで逆転。特区連に勝利したことで勢いがつき、全試合1セットも落とすことなく、2連覇を達成できました。
送り出してくれた職場の皆さんに感謝するとともに、次回も参加できるよう、京都代表をめざします。
京都自治労連 第1934号(2018年12月20日発行)より