機関紙 - 始まった変化さらに前へ 真鍋さんと力あわせて 暮らしをささえるやさしい大山崎を
「公立保育所を守りたい」「財政赤字のツケを住民に押し付けるな」「府内で一番高い水道料金何とかして」などの切実な要求の中から、真鍋民主町政が誕生して4年。真鍋町政は、住民負担なしの財政再建や公立保育所を守るなど大きな成果を上げてきました。いよいよ10月には町長選挙がたたかわれます。「はじまった変化を、さらに前進させよう」と真鍋町長に期待がひろがっています。6月に真鍋町長に出馬要請を行い、推薦決議をあげた大山崎町職員組合と真鍋町長の懇談が9月8日に行われました。
赤字から黒字へ転換
〜最大の課題は財政再建〜
町長:真鍋町政4年間の最大の課題は、きわめて深刻な状態だった財政の建て直しでした。一時25億円あった財政調整基金が13万円ほどしかない状態で、「いつ夕張のようになってもおかしくない」といわれるほどでした。一年目に赤字幅を三分の一に、次の年には黒字にし、今年の決算で財政調整基金は7000万円近くになり、「可能な限り住民負担を回避しながら」という前提を原則的に貫きほぼ達成しました。
二つ目は、保育所の問題。みなさんとも相当論争しましたが、基本的には民営化をなくして公立保育所を残し、当面民営化をしなくてもやっていけるあり方を示せたと思っています。
三つ目は、中学校の再建問題です。前町政の計画通りであれば7億円程度の町の出費となっていたものを町の負担ゼロにしました。
そして四つ目は、水の問題です。実使用の3倍もの府営水道からの受水を減量することなくして「府下一高い水道料金の値下げ」の道がない状況でした。「負けた」と一般的に言われていますが、一審判決では、1989年の前町長が行った協定が、事実上町水道事業の破綻を「予約」した契約だったことが明らかになりました。こんなことを町民は容認しません。「条例」による水量減申し込みの道を求め、その正当性を主張して控訴しています。
これらの到達点を作り出した原動力は、自らの給与削減を受け入れ、困難が増す現場で奮闘していただいた職員の努力と、住民のみなさんの運動と応援の力でした。
大山崎を良くしたい
真剣にぶつかり合った
組合:真鍋町長とは、賃金カットや保育士の本庁での勤務など、おだやかなことだけではなく相当論争もやり、厳しいやり取りもありました。お互い町民に喜ばれる大山崎にしたいという思いのぶつかり合いでした。三つの保育所を公立で残すために大切なものが削られているのではないかと悩んだこともありましたが、公立を維持できたことはすごいことだと思います。
臨時職員と町長の対話や労働条件の改善は「町長が私たちのことを考えてくれている」と大きな励みになっています。
真鍋町政になって、職員も住民の目線で対応しています。町政がどちらを向いているかは大きな違いがあると思います。
しかし一方で、公立を守ってもらったが若い人の採用は無く、臨時・嘱託職員でカバーしているギリギリの状態で、妊娠しても喜べないのが現状。また、臨時・嘱託職員が低賃金で何年も働いている現状の改善を考えて欲しいです。
賃金カットなどもあったが、最終的には回復、この4年間の町政の前進から粘り強く積み上げることの大切さを学ぶことができました。後退させることはできません。
バランスが大切
住民負担増は回避し合理的に
町長:町政運営にとってバランスが大切と思っています。与党だけの意見を聞くのではなく、あらゆる人の声や要求を一旦自分の中に入れて町政をすすめなければなりません。だから議会では、与党の議員と対立することがよくあります。組合との関係も同じです。
大山崎町の財政を崩した原因は、インタージャンクションだ、新庁舎だなどと上から色々持ってきた「政治介入」にありました。だから私は、「合理的に考え、理不尽なことはやめたらいい。住民負担は回避し、後は合理的に」と言っています。役場の職員は、この二つの組み合わせで財政を再建しました。たえずバランスを考えて仕事をしているのです。
新しいチャレンジ
グローバル化時代の小自治体の役割
町長:次の四年間には、第一に、財政の健全化を可能な限り住民負担なくしっかりすすめます。第二に、水問題、これは引き続きたたかいます。そして第三に、始まった変化をさらに前へすすめるとともに、新しいチャレンジとして、グローバル化時代に末端の小自治体の役割として住民の暮らしを支える施策をすすめます。
グローバル化の中で、みんなが疲れていて、住民の多くが犠牲者です。役場には暮らしを支える「やさしさ」が求められているのではないでしょうか。お年寄りを支えるネットワーク、保育や子育て支援、福祉・教育のまちづくり、青年への支援などです。
みんなで力を合わせてこの町を守る自治意識をしっかり育てないと、グローバル時代の矛盾に耐えられません。事態はギリギリのところに来ていると思っています。自分たちだけの要求だけを考えているときではありません。それは生き方の問題でもあると思います。
職員のみなさんと力合わせて
町長:こうした取り組みを職員のみなさんとすすめたい。大山崎町の職員は、いい意味で素朴でまじめな人が多い。住民のために役に立ちたいという初心、新鮮な感覚があり、それを残しています。仕事に対して頑張っています。大いに期待しています。労働組合とも、もっともっと話し合っていきたいと思います。
組合:本当にそうですね。町長が言われたように、町民の多くが疲れていると思います。暮らしを支え、安心して住み続けられる町、我が家のような安心できる大山崎町を真鍋町長と創っていくために大山崎町職も頑張ります。今日はありがとうございました。
大山崎町長
真鍋 宗平さん
プロフィール
1991年 地域デザイン・プロデューサー
1992年 地域デザイン研究所設立。
2006年まで大山崎町明るい民主町政の会代表。
大山崎町の水を考える会代表など
2006年 大山崎町長に当選
京都自治労連 第1736号(2010年9月20日発行)より