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機関紙 - 安倍政権の「地方創生」にNO! "住民本位"の自治体づくりを考える

安倍政権の「地方創生」にNO! "住民本位"の自治体づくりを考える

カテゴリ : 
組合活動
 2017/1/10 18:30

 安倍政権は「世界で一番企業が活動しやすい国」を掲げ、財政削減のための公共部門の合理化・効率化と大企業本位の経済成長のための「人口減少対策」強化、東京一極集中の是正などを「地方創生」戦略としてすすめています。

 この安倍政権がすすめる「地方創生」戦略とはいったい何なのでしょうか?

 京都自治労連は、「京都ですすむ『地方創生』と広域連携を考える」と題して北部地域連携都市圏、伊賀・山城南定住自立圏の2つの計画の経過と特徴を検証し、提言を加えたパンフレットを作成中です。その作成にあたっている京都自治労連・川俣勝義副委員長に語っていただきました。

大企業が利益うむ地域・自治体づくり

 自民党は2014年総選挙の政権公約で、「道州制導入までの間、地方創生の視点で自治体再編をすすめる」としています。道州制を視野に入れながら大企業が効率的に利益を上げることのできる地域への再編が狙われています。

アメとムチで自治体に「知恵出せ!」

 人口減少や地域の活性化について、「自治体の特徴を活かした対策案を出せ」といってきています。それを国が評価し交付金を出すと…。ある自治体では地域の特産品を活かした地域経済活性化案を出しましたが、「ストーリー性がない」と抽象的な理由で却下されたと聞いています。一方で、広域連携の事業には交付金が付けられるなどの選別が行なわれています。また、「集約とネットワーク化」というキーワードで、中小規模自治体の集約・切り捨てを推しすすめ、病院、教育施設などが自治体をまたがって統廃合され、自治体の自治の弱体化、独自施策の難しさを加速させています。

首長からも職員からも不安、不満の声

 京都自治労連では毎年、自治体キャラバンを実施して、各自治体と意見交換を行なっていますが、自治体首長からは、自治体の未来に対する不安や国の介入などに不満が出ています。ある自治体は、「国の言われるように合併したが、住民サービスが低下した。職員や施設を増やしたくても予算が組めない。これが更に加速するのではないか」「がんばる自治体は応援するといっているが、もう目いっぱいがんばっている。グローバル化、規制緩和などの国の施策で少子化、一極集中化などが起こっているのに、『地方で知恵を出して何とかせよ』というのは筋違い」など、厳しい意見も出されています。

住民本位の自治体づくりを住民と共に

 今回、「地方創生」にかかわって『京都ですすむ「地方創生」と広域連携を考える』のパンフレットを作成します。

 京都でも様々な広域連携の動きがおこっていますが、住民はもちろんのこと、自治体職員にも十分に知らされていません。北部の連携都市圏、南部の定住自立圏は、自治体をまたがる広域連携の手法ですが、基礎自治体の役割を後退させ、新たな合併へとすすむ恐れもあり、住民生活にも大きな影響をもたらすものです。当該自治体でも推進には温度差が大きく、不安の声が上がっています。

 人口減少、地域経済の問題自体は大変重要な課題ですが、国の誘導する「地方創生」ではなく、住民が一緒になって十分議論し、住民が安心して暮らし続けたいと思える自治体づくりをすすめていきたいと思います。

リーフレット作成中
京都ですすむ「地方創生」と広域連携を考える

 安倍政権がすすめる「地方創生」が、全国で具体化されてきました。京都では北部地域連携都市圏、伊賀・山城南定住自立圏が動きだしています。この計画の特徴と問題点を明らかにし、多くの住民・自治体職員が知り、学び、議論することが大切です。


京都自治労連 第1887号(2017年1月5日発行)より

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