機関紙 - 森英樹氏(名古屋大学名誉教授)が記念講演 〜改憲発議を断念させる運動を3000万署名の成功がカギ〜
討論集会では、森英樹・名古屋大学名誉教授が「安倍改憲・戦争する国づくりは、日本をどこに導こうとしているか」と題した記念講演を行いました。
冒頭、北朝鮮のミサイル問題等で安倍首相が「今は対話ではなく圧力を高める必要」と述べ、アメリカから戦闘機購入やミサイル迎撃などを行うと表明した姿勢を批判。憲法9条を持つ日本が「対話」のリーダーシップを発揮すべきだと指摘しました。
続けて、安倍改憲と戦争する国づくりの道のりを振り返り、「戦後レジームからの脱却」を掲げた第一次安倍政権から今日に至るまでの改憲動向を示しながら、96条改正を阻止するなど2度にわたって改憲を許してこなかった運動の到達を紹介。
「2020年を新憲法施行の年に」と改憲策動が強まる中、9条への自衛隊明記が持つ意味について、「後法は前法に優る」との近代法の原則により、自衛隊の組織・行動が憲法上の根拠を得ることで、「戦力を保持しない」とする9条2項が死文化することを指摘。通常国会での改正発議が狙われる情勢にある今、「今まさに労働組合の運動と出番」とし、全国的に取り組んでいる3000万署名を成功させることが重要かつ、3度目の改憲阻止につながると強調しました。
京都自治労連 第1912号(2018年1月20日発行)より