機関紙 - 平和な空の下で自由に遊び暮らせる毎日を 〜見て見ぬふりせず目を向けて〜
昨年11月、京都自治労連青年部が実施した沖縄平和ツアーに7単組28人が参加し、沖縄戦や米軍基地などの過去と現在を学び、そして平和な未来について考える貴重な機会となりました。
ツアーに参加した城陽市職労・Aさん、向日市職労・Bさんのお二人にお話を伺いました。
身近に感じた戦争の爪あと
脅かされる命の危険
ともに採用1年目の二人は、今回が人生初の沖縄。
事前に沖縄のことをネットで調べたというAさん。「実際に現地で見聞きしたことはネット情報とは違った。自分の目で見に来て良かった」と振り返ります。印象的だったのが、名護市辺野古と轟の壕。「辺野古では基地建設が進む中、フェンスの手前と奥では砂浜に押し寄せる波の位置が異なり、地形にも影響を与えているのか、と驚きました。壕では電気を消して暗闇を体験しましたが、数センチ先さえ見えず恐怖を感じました」。
保育士として働くBさんは、一昨年12月に米軍ヘリ落下物事故があった緑ヶ丘保育園での話が印象に残ったといいます。「保護者の方が『米軍機が飛ぶのは当たり前の光景で危険を感じていなかったが、事故が起きて危険と気付いた』と話されていました。京都で飛行機が飛んでいたら子どもたちは喜ぶと思うし、まさか落ちてくる対象として見ていない。でも沖縄では当たり前のように、頭上を米軍機が飛び交う毎日。命の危険が子どもたちに強いられているのでは、と考えさせられ、悲しくもなりました」。
華やかに見える沖縄も、様々な苦労や葛藤があることを知りました。「日常の中で当たり前のように飛ぶことに慣れてしまう怖さ、危険があることを認識する難しさを知った。プライベートの旅行では見聞きしないことばかり。組合だから来られた場所。初めての沖縄が組合の企画で良かった」。
他人事ではない沖縄のいま
視野を広げ、学び深めたい
「今まで見過ごしてきたニュースにも目を向け、関心を持つようになった」と二人。沖縄戦や基地問題など、現地に行き、自分自身で見聞きしたことが財産になっています。
「悩んだけれど、参加して本当に良かった。他自治体の仲間とも知り合え、誘ってくれた先輩に感謝です。組合の良さを伝え、仲間を増やして多くの人と一緒に視野を広げたい」とAさん。「沖縄の現状を知って、他人事じゃないと分かった。『生の声』を聞けて良かった。私たちが平和と感じる日常が沖縄では当たり前ではなかった。知らないことが多く、知ることの大切さを実感した。もっと社会に目を向けようと考えるきっかけにもなった」とBさんが続けます。
「もっと知りたい、もっと視野を広げたいと思える企画だった。今回を機に今年は学びを深めたい」。今年、一回り成長した二人の姿が見られそうです。
京都自治労連 第1935号(2019年1月5日発行)より