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機関紙 - 病院:京丹後市立弥栄病院 女性病棟を訪問…"ここで産んでよかった"と思ってもらえる病院に…市民に役立つ仕事に誇り

病院:京丹後市立弥栄病院 女性病棟を訪問…"ここで産んでよかった"と思ってもらえる病院に…市民に役立つ仕事に誇り

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組合活動
 2020/3/9 10:40

京丹後市の弥栄病院は、同市でお産が出来る唯一の病院。しかし、2019年3月、産婦人科部長が急逝され、安全なお産が出来ない事態に至っていました。昨年6月から体制が整い出産が再開され、市民から歓迎されています。女性病棟に助産師のAさんと、看護師のBさんを訪ねてお話を伺いました。

新しい命の誕生は、何度経験しても感動

弥栄病院の女性病棟を訪ねると、元気な赤ちゃんが迎えてくれました。生後3日目の女の子です。表情からは、これから生きていこうとする力強さと希望を感じます。
助産師の仕事のやりがいについてAさんは、「多くの助産師は、妊婦さんに寄り添い、新しい命が生まれるお手伝いがしたいと思って助産師になっています。お母さんの命を生み出そうとする力と、赤ちゃんの生まれようとする力が一緒になって新しい命が誕生した瞬間は、何度経験しても感動します」とはにかみながら語ってくれます。

医師体制も強化され分娩再開

弥栄病院の産婦人科では、常勤医2人、非常勤医2人の体制で24時間出産に対応し、年間約250件の出産を行ってきました。ところが、体制が取れなくなって、妊婦は、遠く離れた北部医療センターや舞鶴共済病院、兵庫県の豊岡病院などで出産せざるを得ず、妊婦や家族には大きな負担で、分娩の再開を望む市民の声は切実でした。

しかし、産科医は全国的にも不足、後任の医師は中々見つかりません。市民や京丹後市職労の取り組み、京都府や病院当局・市の懸命な努力もあって、兵庫医科大学ささやま医療センターを退職された池田義和先生に昨年6月に来ていただけることになりました。また、京大病院から医師の派遣もあって、常勤医3人、非常勤医3人体制で分娩が再開し、分娩の数も徐々に増えてきています。

さらに、同病院の念願だった小児科の常勤医も京大病院から派遣されることになり「安心して仕事ができる」と、助産師も歓迎しています。

みんなで励まし合って

女性病棟・外来には、助産師13人、看護師10人が勤務。分娩が出来ない時期は、「いつ再開できるか希望が持てず、"助産師の仕事がしたい"と退職していった仲間のことがつらかった」とAさん。

女性病棟は、内科(女性専用)との混合病棟で、妊婦を受け入れられなければ、内科の患者さんが占める割合が増えていきます。助産師は看護師の資格も持っていますから、内科の看護師の仕事に従事しました。資格を持っていても、すぐに看護師の仕事がこなせるわけではありません。Bさんは「勉強しながら、大変努力されていた」と振り返ります。

また、助産師の学習会や、助産師としての職能を生かす機会として産後の方の自宅訪問などに取り組み、分娩が再開したら「ここで産んでよかった」と思ってもらえるよう、みんなで力量アップの努力を積み重ねてきました。

医療の充実こそ必要

Aさんに、さらに良い産科への課題を聞くと「医師の体制の充実、同じ医師に続けて勤務してもらえる体制。もう一つが、若い助産師の定着。」と返ってきました。

Bさんは、「政府の公的・公立病院縮小・廃止の方針は問題です。丹後の現実は、地域医療の充実こそ求めています」ときっぱり。

「時々まちで声を掛けられ、『取り上げてもらった子どもが、大きくなりました』と言ってもらえることがあります。そんな時、私たち助産師も"市民の役に立っている"と思える瞬間です」とAさん。様々な困難を、市民に支えられ、仲間と一緒に乗越えてきた自治体労働者の確かな誇りを感じます。

地域医療の拡充求める署名を広げよう

厚生労働省は昨年9月、京都府内の京丹波町病院、福知山市民病院大江分院、宇多野病院、舞鶴赤十字病院を含む、全国424(1月に440に拡大)の公立・公的病院に「再検証」の必要があるとして、2020年9月までに統廃合・再編・ベッド縮小などの計画を具体化することを要求。地域の実情を無視した一方的な地域医療削減攻撃に、怒りの声が広がっています。

とりわけ、新型コロナ感染症が全国に広がる事態を前に、公立・公的病院の統廃合など許されません。地域医療の充実・発展こそ求められています。
政府・厚生労働省に、公立・公的病院の「再検証」要請の撤回を求める「地域医療の拡充を求める署名」を広げましょう。


京都自治労連 第1960号(2020年3月5日発行)より

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