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機関紙 - つながり支えあう心と絆 全国の仲間と力あわせ支援の輪を 〜東日本大震災 近畿ブロック先遣隊現地レポート〜

つながり支えあう心と絆 全国の仲間と力あわせ支援の輪を 〜東日本大震災 近畿ブロック先遣隊現地レポート〜

カテゴリ : 
組合活動
 2011/4/13 21:40

命つなぐ最前線に自治体労働者の姿

 1ヶ月が経とうとする現在でも、被害状況の全容が未だに把握しきれないなど、未曾有の大災害へと広がっている東日本大震災。

 こうしたなか、3月29日から4月1日の4日間、岩手自治労連や沿岸部の各単組へ、職員用下着や作業着、救援物資を届けるとともに、被災地の現状と課題、今後の支援のあり方などを視察する行動が取り組まれ、近畿ブロックの先遣隊として京都自治労連から岡部執行委員と大西書記が派遣された。

不眠不休で奮闘する職員を激励

 今回の行動には近畿ブロックから計4人が派遣され、自治労連本部、千葉県本部(4?トラック含む)の部隊とともに、30日早朝に自治労連本部を出発。高速道路のSAでは支援に駆けつける消防職員や救援物資輸送車が多く見られ、ガソリンの給油は長蛇の列に。盛岡市内に入るとGSは開業しているものの給油制限や整理券配布などの措置が取られていた。

 盛岡市内の岩手自治労連対策本部および自治労連現地対策本部に到着後、県本部の仲間の奮闘を激励し、翌31日の行動の打合せ、情報交換など意思統一を行った。打合せではこの間の状況について、「職員は救援物資にも手をつけられず、災害以降も着の身着のままで風呂にも入れていない。着替えや下着を届けてほしい。ライフラインの復旧は進みつつあるが、ガソリンが無く支援に向かうのも困難。ガソリンの提供は助かる。家族が被災、家が流される等の状況下であっても不眠不休で職員は奮闘している。支える側としての負担も増えており、激励してあげてほしい」などが報告された。

 翌31日は、近ブロ・千葉組は釜石市、大槌町、山田町の3自治体を訪問。救援物資を届け、現地の職員を激励すると同時に、各単組役員などと懇談、刻々と変化する現状や要求について報告を受けた。

呆然と見つめるしかない変わり果てた町並み

釜石市
 災害対策本部のあるシープラザ釜石を訪れ、職員用の作業服や下着などの救援物資、避難所への食糧などを搬入。副市長と面会後、市役所へ移動。市役所に近付くにつれ、津波と水没、火事によって町が破壊された状況に言葉を失う。瓦礫と化した家屋や建物、車が散乱、電気などライフラインも復旧していない。1階にあった組合書記局は完全に水没しており、浸水の跡(2?以上)が生々しく残っていた。

大槌町
 高台の中央公民館に設置された災害対策本部を訪れ、千葉からの救援物資を届けるとともに町職の小笠原委員長と現状と対策等について情報交換。役場が90度向きを変えるなど、壊滅的状況は釜石市と同様。町長が亡くなったため、副町長が陣頭指揮。対策本部内は町職員、自衛隊、消防などでごった返していた。

 小笠原委員長は「職員は不眠不休で頑張っている。休みが取れても移動手段がなく、自分の家を見に行くこと、家族や親せきに会いに行くこともできない状況。目の前で津波にのみ込まれていく仲間を見るなど職員のメンタルが心配」など現状が話された。

 避難所である大槌高校に寄り、書記さんの車に近ブロから持参したガソリンを給油。体育館と教室が開放され、当初1000人、現在600人が避難、5日目くらいから物資が届き始め高校生が炊き出しや物資仕分けなどを献身的にしてくれたそう。書記さんが大変な状況の中にも関わらず、明るい様子でふるまってくれたのがせめてもの救い。「魚が食べたい」と話されていた。

山田町
 役場は無事だったが、町並みは釜石、大槌と同様に津波と火災により壊滅的。役場では避難住民が配給を受ける列をつくっていた。近ブロからの職員用下着や衣類、食料などの救援物資を臨時に確保した組合書記局へ搬入。元委員長とも面会。「町役場は地下まで津波で浸水。誰も見たことがない想像を超えた大津波だった。加えて火事による被害も大きい。ボランティアは社協などを通じて集まっており現時点では足りている。しかし、学校が始まれば今後5月頃になると人手が足りなくなるか
もしれない。その時はぜひ力を貸してほしい」など話された。

 山手にある約100人が避難するふるさとセンターで町職の伊藤委員長を訪問。「19日にようやくこの辺りにも電気が通った。それまではロウソクだった。水道や電気などのライフラインの復旧が必要。避難所は24時間体制で職員は休めない状況。県などからも応援が入るため、職員配置が変わるが、町職員は一杯一杯でこのままでは潰れてしまう」と現状を話され、近ブロ持参のガソリンを公用車へ給油し、盛岡市への帰路についた。

住民とともに希望もって
今後の支援態勢のあり方

 現地ではこの困難、危機的状況を乗り越えるために自らも被災にあいながら住民の命と安全を守ろうと多くの自治体職員が懸命に奮闘している。24時間不眠不休で働き続ける自治体職員の奮闘を激励しながら、引き続く惜しみない支援が必要。現場の当局からも組合への協力の要請や助けを求める声も聞かれた。

 復興に向けては長期的なスパンでの支援が必要となる。現時点ではボランティアは足りているという話であるが、刻一刻と変化する状況に迅速に対応できる準備は必要。被災した各単組では組合活動の拠点となる書記局の確保が進められている。

 急がれる課題として、職員の休暇やメンタルも含めたケアを行う体制や、後方支援のあり方の模索、そして何よりも支援が必要なのは沿岸部であるため、内陸部ではなく沿岸部に各府県からの支援ボランティア等の受入態勢の確立と拠点となるセンターの確保が求められる。拠点の確保については、自治労連本部のイニシアティブの発揮が求められているといっても過言ではないが、近畿ブロックとしての常駐スタッフの整備も検討する必要がある。

 現地の要求やニーズに応え、息の長い支援を進めるためにも現場の職員や組合員、住民との信頼関係を構築していくことが不可欠である。なお、私見だがボランティアで現地へ行った際には、現場の指示や判断に従うことを徹底し、勝手な行動などは混乱を生むだけで慎むべきである。

引きつづき被災地支援にご協力を

◎救援カンパを広げよう
  長い支援が必要です。もう一回りのカンパを。
◎激励の寄せ書きを集めよう
  被災地の自治体労働者を励まし、「一緒にがんばろう」のメッセージを。
◎ボランティア登録を進めよう
  現地へ派遣するボランティアを募集中。実際に行く場合はあらためて連絡しますので、まずは登録を。


京都自治労連 第1749号(2011年4月5日発行)より

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