京都自治体労働組合総連合
お知らせ

京都に米軍基地いらない 関連資料

原発ゼロへ 関連資料

コンテンツ

メンタルサポート京都

法律相談は、顧問法律事務所へ


機関紙 - 【農業】全国でも類を見ない町営の肥料生産 環境保全と地域農業の支援を両輪ですすめるスケールの大きな仕事に誇り

【農業】全国でも類を見ない町営の肥料生産 環境保全と地域農業の支援を両輪ですすめるスケールの大きな仕事に誇り

カテゴリ : 
組合活動
 2022/4/5 14:50

与謝野町は「自然循環農業の町」を掲げて、自然環境の保全と地域農業の支援を行っています。そのひとつが、地域から出たおからと米ぬか、魚のあらなどで作る有機質肥料「京の豆っこ肥料」。与謝野町直営の工場で生産し、それを農家が購買するシステムをつくっています。

肥料の生産・普及などにあたっている農林課のBさんにお話を伺いました。

行政が肥料を生産するってすごい

Bさんは昨年4月に行政職で与謝野町に就職した新人です。「直営で肥料を作っていることに驚きましたし、自分にできるか不安がありました」とBさんは当時を振り返ります。

Bさんの仕事は、肥料を作る原材料の手配や生産状況の確認、品質調査や農家との調整など多岐にわたります。「コロナの影響で原材料のおからや魚のあらの手配が充分にできずに苦労しました」とBさん。生産・消費のサイクルが鈍ればそこから出る原材料も減るという悪循環が生まれていると話します。

肥料の品質管理と向上もBさんの仕事。三重大学にお願いして肥料の品質結果や散布の量、時期・方法なども年間サイクルでアドバイスをもらい、この結果を農家に発信しています。「長年この地で農業を営んでいる方々に土づくりから発育状況までお聞きし、肥料生産だけでなく農林行政全体に活かしたいと思います」とBさんは話します。

「京の豆っこ米」ブランドで農家が元気に

与謝野町は「京の豆っこ米」を町の特産物として全国に発信しています。このブランド米は、「京の豆っこ肥料」を使用していることが条件のひとつとなっています。肥料を生産供給する町の責任も重要です。100%有機質で地域から出た原材料にこだわります。安心・安全な肥料を行政が提供し、農家と一緒になってブランド力をあげていきます。個々の農家が別々に同じ有機素材の肥料を使おうとすると数倍のコストがかかるとBさんは言います。取材当日はちょうど肥料が各農家へ出荷されるときで、見送るBさんからすこし安堵の笑みがこぼれます。

肥料は各農家からの「栽培計画書」をもとに出荷されます。年々「京の豆っこ肥料」を使う農家が増えてきているそうです。一方で、農家の高齢化と後継者不足も深刻で、廃業する農家もありました。「『京の豆っこ米』ブランドが全国に広がって生産がもっと増えればいいですね」と、この1年農家とのやりとりを続けてきたBさんからでた一言が心に響きました。

住民とともに与謝野町を安全で安心のまちに!

Bさんからお話を伺う中で、たびたび「町のグランドデザイン」という言葉を聞くことができました。与謝野町が行っている有機質肥料の生産と農家への提供は、町の中心を流れる野田川から天橋立をのぞむ阿蘇海までの自然環境を保全し改善する取り組みでもあります。Bさんは農家の生産性だけでなく、与謝野町の今後の農業の姿や環境問題なども見据えて仕事を考えています。

Bさんを最初に取材した新規採用時の「農家が安心して作物づくりができる町の施策を発展させていきたい」「与謝野町をもっといい町にしたい」思いは仕事に活かされています。


京都自治労連 第1985号(2022年4月5日発行)より

  • トラックバック (0)
  • 閲覧 (315)

トラックバック

トラックバックpingアドレス トラックバックpin送信先urlを取得する
京都自治体労働組合総連合
〒604-8854 京都市中京区壬生仙念町30番地の2 京都労働者総合会館内
TEL:075-801-8186 / FAX:075-801-3482
(C)Copyright 2001- Kyoto-Jichirouren All Rights Reserved.