機関紙 - 【委託】指定管理制度の現場で働く仲間…府内だけでなく他府県からも高まる利用と期待…利用者が安心して使用してほしい
宇治市総合野外活動センター「アクトパル宇治」は、宇治市の指定管理者として公益財団法人宇治市野外活動センターが運営する施設です。宿泊や食堂、天体観測室を備えた管理棟を中心に、体育館、宿泊棟、キャンプサイト、アスレチックなどが備わっています。
今回は、ここで嘱託職員として働くAさんとBさんに施設の様子や仕事について話を聞きました。
多様な施設、イベント開催
利用者は年間10万人超
訪問したのは、平日の午後5時半でしたが、館内はたくさんの利用者の姿を見かけます。「今日は宿泊研修やバレーボールの合宿が入っており、夕食前でにぎやかですね」と館内を見渡す二人。体育館や研修(会議)室があることから、府内だけでなく他府県からの利用者も多いといいます。「様々な施設・設備がありますから、問い合わせや予約など電話対応が大変です」とBさん。「利用者の安全が何より」と、予約に合わせて、施設ごとに設営や撤収・片づけを行います。特に設備や用具のメインテナンスは欠かせません。
「イベントもたくさん開催されているのですよ」とパンフレットの年間スケジュール表を開くAさん。土日は、1年中、田植えや芋ほりなど農業体験、木工や陶芸などの教室、アウトドアイベントなど多種に及びます。もちろんこれらイベント開催の運営も担います。「定例イベントには担当に就いて予約から準備、当日の進行まで行うので土日の出勤も多いですね」とAさんは言います。毎月行われるグランドゴルフ大会には、毎回50人以上が参加。「多い時には100人を超えて大変でした」と担当のBさんは笑います。
府内最大級の天体望遠鏡
天文分野の活動拠点に
アクトパル宇治には、京都府内では最大級の屈折望遠鏡が天体ドームの中に設置されており、天文教室や講演も頻繁に開催されています。また、希望者は誰でも天体観察をすることができます。Aさんはこの分野の専門家。天文ボランティアとの連絡・派遣要請、イベント企画も行います。「私自身も天体観測を趣味にしていますから、この仕事は楽しいですね」とAさん。天文分野の話題になると話が止まりません。「家族連れでイベント参加する方が多いです。親子で望遠鏡をのぞいて笑顔で会話している姿を見るとうれしいです」と話します。
施設へのニーズの高まり
利用者拡大で安定運営に寄与
アクトパル宇治のような公立の施設は全国に在りますが、指定管理者制度導入や民営化になりつつあります。合わせて、規模や運営内容を縮小しているところも増えています。
「コロナ禍では、完全閉鎖期間が3ヶ月近くあり、利用者も激減して、私たちの賃金や雇用さえも心配しました」とBさんは振り返ります。コロナ禍が終息していく中でも、従来ほどの利用率には至っていません。
一方で、他府県からの問い合わせ、利用予約が増えており、「全国的にこのような施設が減っていたり、縮小している中で、コロナ明けでクラブやサークルの活動再開やアウトドアブーム到来など、アクトパル宇治へのニーズが高まっているのではないでしょうか」とAさんは話します。財団もオートキャンプやグランピングなど、はやりの施設の新設や新規イベント開催で利用者拡大を図っています。
しかし、さらに新しいイベントが増えることに、今の体制で大丈夫なのかと不安もあり、組合で体制の強化を要求しています。二人は、アクトパル宇治が多くの人に安全で安心して利用される施設になるよう、仕事でも組合でも頑張っています。
Aさんは「新しくなった委託方法など課題はありますが、『組合』を通じて財団や宇治市に意見を上げていきたい。何よりやりがい持ってここで働き続けていきたいです」と話します。
京都自治労連 第2009号(2024年4月5日発行)より