機関紙 - 【医療】重み増す医療スタッフの仕事 日々進歩する技術と知識で治療にあたる 地域医療を支える一助になりたい
京都中部総合医療センターは、亀岡市・南丹市・京丹波町の2市1町で構成される南丹地域の中核病院で、病床数は400床以上、診療科は28科もある公立病院です。
今回は、放射線科で放射線技師として働くBさんに日々の仕事ややりがいをお聞きしました。
一日100名近い患者を撮影することも
Bさんの一日は外来患者のレントゲン撮影から始まります。問診した医師からの撮影依頼で、必要部位のレントゲン撮影をおこないます。撮影から画像保存までシステム化され、短時間にたくさんの撮影ができるようになりました。医師からの撮影依頼では部位や患者の負担を考えながらの撮影に務めているとBさん。午前の外来患者のレントゲン撮影だけで50〜60名になるといいます。
午後からは、入院患者のレントゲン撮影などで、ポータブルレントゲン装置を持っての病棟まわりや手術後のレントゲン撮影、CT検査業務や透視撮影検査業務、血管撮影業務などを行います。「すべて合わせると1日80名近い患者の撮影を行います。100名近いこともあります」と笑います。続けて、「以前に比べ、簡単にレントゲン撮影ができるようになりましたが、被爆のリスクがある『放射線』を扱っているという緊張感は常にあります」と胸に付けた線量計に目をやりながら話してくれました。
様々な医療機器に技師みんなで対応
Bさんはじめ放射線技師には月3日ほど当直勤務があります。当直勤務では夜間帯の救急患者や入院患者にレントゲン撮影やCT検査を行います。「放射線技師は20名いますが、交代で当直にあたります。1年中24時間ですから大変ですが協力し合ってシフトをこなしています」とBさん。
医療機器の操作も技師の誰もが操作できるように日頃から情報共有や技術習得で力を合わせています。取材中もCTやMRIでの画像の3次元化(立体画像化)や血管造影の画像解析の様子などBさんら技師の仕事を紹介してくれました。「救急で一刻を争うケースもあります。その時にも正確な情報を医師に伝えることが私たちの仕事です」との言葉に仕事への誇りを感じました。
医療スタッフが一丸となって
京都中部総合医療センターには、がん治療などで患部に直接放射線を照射する設備があり、この機器の操作も放射線技師の仕事です。照射位置を正確にするため、CT画像データなどを重ね合わせて行います。高線量の放射線照射なのでレントゲン撮影とは違い人体への被ばく線量が各段に多くなるため、照射計画や位置確認など慎重かつ正確性が求められます。
「今後医師や看護師の人材不足や負担軽減から、放射線技師の業務内容が増える傾向にあります。先ほど話したCT検査では造影剤を使用する検査があり、以前は看護師さんが血管確保をしていたのですが、法改正により放射線技師も血管確保ができるようになりました」。
現在、職員組合委員長として人員増や職員の働き方改善に奮闘するBさん。これからは医師、看護師、技師等医療スタッフ一丸になって患者の治療にあたっていくことがますます重要になると感じています。取材の最後に話された「地域医療を支え守る一助になりたいですね」との言葉が印象的でした。
京都自治労連 第2020号(2025年3月5日発行)より