機関紙 - 京都市職労Aさん公務災害認定闘争勝利
京都市職労Aさんが業務中に舗装工事中の道路の段差につまずき転倒・負傷し、公務災害を申請したものの公務外とされた事案は、再審査請求の結果、当初判断が取り消され、公務災害と認める裁決が行われました。
争点となったのは今回の災害が「公務が原因で起こったか否か」という「公務起因性」でした。再審査では「舗装工事中の道路を歩行中に凸凹や段差につまずいて転倒することは、段差の程度等にかかわらず一般的に起こりうる」とされ、京都市の「1?にも満たない段差で転倒することは誰にでも起こることではない」との主張を覆し、相当因果関係があるとしました。
この裁決は、今後新たに災害が発生した際の認定にも影響し、すべての公務労働者の労働環境の改善につながる内容です。
一方で、この裁決は道路に凹凸や段差があることを前提としており、たとえ公務中であっても段差のない平坦な場所で転倒した場合は公務外とされる余地を残しています。民間労働者を対象とする労災では業務遂行中であれば基本的に業務起因性が認められ、平坦な場所で転倒・負傷した場合でも労災が認められるのに、公務災害では認められない可能性が出てきます。
公務上の災害として認められるべき事案が正しく認められるよう、認定基準の運用や公務災害補償の充実を求める取り組みが必要です。
京都自治労連 第2023号(2025年6月5日発行)より