機関紙 - 橋下大阪市長の人権侵害許すな 市職員だけでなく全市民・国民への攻撃
橋下徹大阪市長が「業務命令」として市職員を対象に思想調査(労使関係に関する職員アンケート調査)を実施している問題で、批判の声が大きく広がっています。今回の調査は憲法違反の思想調査であり、断じて許すことはできません。憲法にもとづいて仕事を行っている市役所で、市長が先頭に立って憲法違反の調査を行うなどもってのほかです。ことは、大阪だけの問題ではなく、日本の民主主義にかかわる重大問題です。
恫喝し「密告」奨励違憲の「思想調査」
「市長の業務命令」として発せられたアンケート調査の内容は、職員に氏名・職員番号・所属を書かせたうえで「組合加入の有無」「組合活動への参加」「特定の政治家を応援する活動」参加の有無などを記入させ、「正確な回答がなされない場合は処分の対象」と恫喝しています。さらに組合活動や政治活動に「誘った人」の名前記入を求めるなど、「密告」のすすめまで含まれています。まさに憲法違反であり人権侵害です。
このような明白な違法行為を地方公共団体の首長が率先して行うこと自体、まさに異常な事態です。ことは、大阪市役所の職員だけの問題ではなく、橋下市政下で全市民の人権が危機に瀕していることを端的に示しています。また、こんな無法が許されることがあるとすれば、国民全体の人権が重大な危機に直面していることを表しており、憲法違反の人権侵害にただちに抗議の行動が求められています。
大阪に全国に広がる怒り
自治労連の仲間である大阪市労組は、13日臨時大会で「憲法違反のアンケートの中止を求めたたかう」意思統一。大阪労連と大阪自治労連は「憲法違反の調査をただちに中止せよ」と市当局に緊急の申し入れや、また、本庁・区役所で一斉に早朝宣伝を行うなど大奮闘。職員や市民から「頑張って」といった激励の声が多数寄せられました。また大阪弁護士会の中本和洋会長が「思想信条・労働条件を侵害」と声明を発表したのをはじめ、大阪に全国に怒りの世論が広がっています。
完全に中止を
17日、大阪市特別顧問の野村修也弁護士は、批判世論の広がりや大阪市労連の府労働委への救済申したてを受け、「調査凍結」を表明しました。凍結は当然です。違憲の調査は、回答をすべて廃棄し、完全に取りやめるべきです。
京都自治労連 第1770号(2012年2月20日発行)より