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機関紙 - 子どもたちの"おいしい"が聞きたい 仕事の喜びを分かち合いたい 〜京都こうむ公共一般労働組合 福知山市学校給食センター分会のみなさん〜

子どもたちの"おいしい"が聞きたい 仕事の喜びを分かち合いたい 〜京都こうむ公共一般労働組合 福知山市学校給食センター分会のみなさん〜

カテゴリ : 
組合活動
 2014/1/6 17:20

自分を守るものがほしかった 組合をつくってよかった

京都こうむ公共一般労働組合
福知山市学校給食センター分会のみなさん

 2013年、大きな社会問題となったのが『ブラック企業』。福知山市が業務委託した福知山市学校給食センターで、労基法違反の『ブラック』な内容を改善させ、「子どもたちに喜んでもらえる給食を作りたい」、そのためにも「安心して働ける職場を」と、昨年11月、労働組合が結成されました。京都こうむ公共一般労働組合福知山市学校給食センター分会です。さっそく2回の団体交渉を行い、切実な要求を前進させました。お話を伺いに、福知山地労協の会議室を訪ねました。

 訪問した日は、給料日、みんなで給料袋を見せ合って、「超勤ついている」「105円(給料振込手数料)が引かれていない」などと確認。「組合に入っていない人に『休んだ日の食事代が引かれていなかった。ありがとう。がんばってくれたんやね』と感謝された」など話がはずみ、どの顔も輝いています。

 ここに至るまでには、「子どもたちに迷惑はかけられへん」「こんな扱いおかしい。誇りを持って仕事がしたい」と、やむにやまれないところまで追いつめられていました。

子どもたちに迷惑はかけられない

 給食センターの調理で働いているのは26人。250クラス、6700人分の給食を作っています。昨年の4月からオープンしましたが、給食センターで働いた経験がない人が3分の1ほど、経験者もこの設備は初めて。しかし、会社はそれに見合った十分な研修や実際に機械を動かしての試運転もなく、職員が大きな不安を抱えるまま見切り発車のような形でスタートしました。設備は新しいが使い勝手が悪かったり、故障したり大変な思いで給食を作ってきました。それでも、子どもたちに迷惑はかけられないと、メニューによっては朝4時からの早出もしてギリギリの状態で働いてきました。

 設備の機械化はされていますが、大量の人手を要し、野菜はすべて人が包丁を入れることが必要です。一つひとつヘタを取ったり、里芋のイボを取ったり。6700人分ともなるとジャガイモ400キロ、玉ねぎ400キロにもなります。クラスは、4人〜39人と様々で、食器はすべて人の手で数えなければなりません。とても人手が足りません。出来あがった給食を食缶に入れて、コンテナへ積む作業も毎回大混雑。「市がどのような計画で作業の動線を引いたのか理解できない」とみんなは言います。

調理現場は孤立状態

 ところが、福知山市の担当者は、発注責任者として現場を見に来ることもなく、「現場が困っている問題を一緒になって解決しようと考えているとは思えない」「会社は会社で、時間どおり作ればいいという姿勢」で「?子どもたちが喜ぶ給食を作ろう”という連帯感、改善のための意見を聞く姿勢が会社にも市にも感じられない」と言います。

話し合っていい仕事がしたい

 このような状態で働いている職員をさらに困らせていたのが、労基法違反の実態でした。
 会社も、4月当初の混乱や、入札価格を低く見積もりすぎていたために、赤字になっていたり、就業規則が整備されていなかったり、「年俸制度なので残業代は支給しなくてもいい」などの誤った認識があったりと、労基法違反の状態がありました。

 組合の交渉と労働基準監督署からの指導によって、超勤手当の遡っての支給や、当日の体調不良などの始業前の連絡は有給休暇取得可能にするなど、要求の実現を勝ち取っています。

 「労働組合はすごい。会社と対等に話し合いができる」「風邪とか、ウイルスとか厳しい職場なので、体調が悪い時に安心して休めるのはありがたい」「自分を守るものがほしかった」「話し合って力合わせて、いい仕事がしたい」など、交渉の感想が出されました。

みんなで力合わせ

 給食センター分会では、次年度に向けて、準社員全員の年俸210万円以上の実現、パート労働者の時間給の引き上げなどの要求を掲げ、引き続き交渉を進めていきます。福知山市との3年契約の契約額があまりにも低いという大きな壁がありますが、回りの皆さんのご支援と職場の労働者の団結で突破していこうと意気軒昂です。

 組合では、12月に開かれた「全国学校給食の集い」に参加し、「安全でおいしい給食づくり」へ全国の経験を学ぶなど、努力も始まっています。

 「農家の方、出入り業者の方をはじめ、給食はたくさんの市民の手によって作られています。みんなで力を合わせて、子どもが、おいしいと言ってくれる給食を作りたい」。新たな挑戦が始まります。

学校給食にかける情熱に励まされた
福知山市職員組合執行委員長:羽上田郁志さん

 

 このたび、福知山市学校給食センターに働く皆さんが、「無法な労働条件を何とかしたい」「職場条件を改善してより良い給食を子どもたちに届けたい」との強い願いのもと、こうむ公共一般労働組合に加入され、新たな分会を組織された勇気と行動に対し、心からの敬意を表するものです。

 

 子どもたちの成長と教育にとって大変重要な学校給食を作っているところで、「労基法違反」の実態や、現場で働いている労働者の意見が反映されないようなことがあってはなりません。まして、福知山市が委託している現場で、このようなことが今まで放置されてきた事は大きな問題です。

 

 私たちも今回の組合結成に大いに励まされると同時に、市政に携わる者同士として大いに連帯して、「より良い学校給食」をつくるために、そのためにも給食センターで働いておられる皆さんが働きがいを持って仕事に携われるように、ご一緒に要求前進をめざしたいと思います。


京都自治労連 第1815号(2014年1月5日発行)より

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